Trademark Appeal Case
商標「RAW」類似性・識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900449(T2007−900449/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5054673号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成18年11月9日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4588345号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成13年12月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月19日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4766861号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、平成15年9月16日に登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同16年4月23日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4778794号商標(以下「引用C商標」という。)は、「LOW」の欧文字を横書きしてなり、平成15年9月29日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年6月18日に設定登録されたものである。
以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成から「RAW」の称呼、観念を生じ、外観上の観察においても「RAW」が認識される。
他方、引用A商標及び引用B商標からは、「RAW」の称呼、観念を生じ、外観においても「RAW」が認識されることから、両者は、称呼、観念、外観のいずれの点においても類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。
本件商標の下段部の自他商品識別力を有する部分は、「ロゥ」の称呼が生じ、他方、引用C商標からも「ロゥ」の称呼が生じ、称呼において同一となり、両者は、類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用A商標及び引用B商標は、被服、特にカジュアルウェアの分野において、広く一般に知られているから、引用A商標及び引用B商標を一部に含む本件商標を、カジュアルウェア等に使用した場合、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、下段部の構成態様から意図的に引用商標に化体した業務上の信用にフリーライドしようとしている疑いがあるため、本件商標は、不正の目的で他人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(4)商標法第3条第1項第6号について
引用A商標及び引用B商標の「RAW」部分が記述的表示とみなされた場合には、本件商標は、自他商品識別力を有しない語の結合商標となる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(5)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第29号証(枝番を含む。)を提出している。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)申立人が本件商標の取消理由として引用した引用A商標は、別掲(2)に示すとおり、「RAW」の文字をその構成中に有するものであるから、「ロー」の称呼及び「原料のままの、未加工の(もの)」の観念を生ずる。
また、引用B商標は、別掲(3)に示すとおり、図形と「G−STAR RAW」の文字との結合よりなるところ、これを常に一体不可分のものとして把握すべき特別の理由もうかがえないことから、その構成中の「G−STAR RAW」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、該文字部分に相応して、「ジースターロー」の称呼を生ずる。
さらに、引用C商標は、「LOW」の文字を書してなるから、これより「ロー」の称呼及び「低い」の観念を生ずる。
(イ)本件商標は、別掲(1)のとおり、「RAW +」の文字と「ロゥプラス」の文字からなるものであるところ、当該構成は、全体としてまとまりよく表されているものであって、これより生ずる「ロープラス」の称呼も格別冗長でなく、一気に称呼し得るものである。
そして、「+」の文字が「加える」等の意を表す記号であるとしても、一体的にまとまりよく構成された本件商標にあって、「RAW」の文字部分に限定して、称呼・観念しなければならない格別の理由はないというべきである。
そうすると、本件商標は、「ロープラス」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じさせないものというのが相当である。
してみると、本件商標から、「ロー」の称呼が生じ、「RAW」の観念を生ずるとした上で、引用A商標及び引用B商標と、称呼及び観念を同じにするから、本件商標は、引用A商標及び引用B商標に類似するとの申立人の主張は、採用し難いものである。
また、本件商標の下段部の自他商品識別力を有する部分からは、「ロー」の称呼が生ずるとした上で、引用C商標と、称呼において同一となるから、本件商標が引用C商標に類似するとの申立人の主張も、採用し難いものである。
他に、本件商標が引用商標に類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用A商標及び引用B商標が取引界においてかなりの認知度を有し、かつ、「RAW」として認識されている旨述べているので、これについて検討する。
申立人提出の甲第23号証は、デザイナーの人物像等を示したにすぎず、甲第24号証の1ないし3及び第25号証には、「G−STAR RAW」及び「Gスターロウ」等の文字が付された商品「ジーンズ」が紹介されていることは認められるが、それらの証拠は一部を除き雑誌名、発行日等が手書きであり、その使用の期間、範囲、規模、宣伝広告の事実等が必ずしも明らかでなく、また、甲第26号証の宣伝広告費用の集計表には、2006年度及び2007年度等の宣伝広告費用が記載されているが、その裏付けとなる何らの証拠も示されていない。
さらに、甲第27及び第28号証について、インターネットの検索結果と認められるところ、その検索結果によっては、商品「ジーンズ」の使用者及び使用時期等を特定することができない。
そして、発行日等が確認できる証拠は、僅かに甲第24号証の1ないし3中のいずれも3件づつであって、しかも、使用されている商標は、「G−STAR RAW」、「ジースターロウ」又は「ジースター」の文字のみ表示されているものであり、これらの証拠をもっては、引用A商標及び引用B商標並びに「RAW」の文字が本件商標の登録出願時に、我が国において需要者の間で広く認識されるに至っていたとは到底認めることはできない。
そうすると、前記(1)(イ)のとおり、本件商標は、引用A商標及び引用B商標とは別異の商標であって、加えて、引用A商標及び引用B商標並びに「RAW」の文字が著名とはいえないことから、本件商標の登録出願時に、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用A商標及び引用B商標並びに「RAW」の文字を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品と誤認することは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)(イ)のとおりであるから、引用A商標及び引用B商標とは別異の商標であって、引用A商標及び引用B商標並びに「RAW」の文字が著名とはいえないことから、不正の目的をもって本件商標を使用するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではい。
(4)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、上記(1)(イ)のとおり、一体的にまとまりよく構成され、特定の観念を生じさせないものといえるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものではい。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものと認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。