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Trademark Appeal Case

商標の識別力と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900484(T2007−900484/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5063371号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5063371号商標(以下「本件商標」という。)は、「ぴったりカップ」の文字を標準文字で表してなり、平成18年10月27日に登録出願、第5類及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月21日に登録査定、同年7月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。

(a)登録第2535114号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成2年11月9日に登録出願、第1類「ハップ剤」を指定商品として、同5年5月31日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成16年5月12日に指定商品の書換登録により、第5類「ハップ剤」となっている。

(b)登録第5007296号商標は、「エスエスぴったりハップ」の文字を横書きしてなり、平成18年5月24日に登録出願、第5類「ハップ剤」を指定商品として、同18年12月1日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)商標法第3条第1項第3号について

本件商標は、「ぴったりカップ」の文字よりなるところ、「ぴったり」の語は「すき間なくついているさま」といった意味を表すものであり、また、「カップ」の語は「カップ状」の意味を表し、指定商品の分野においては、「洗眼カップ」の如くに商品の一般名称を構成する語として普通に用いられているものである。

そうとすれば、本件商標をその指定商品中の第10類「洗眼器」に使用した場合には、「目の周辺にぴったりフィットするカップ形状の洗眼器」の如き意味合いを容易に認識させるものであって、単に商品の品質・形状を表示し、誇称するにすぎないものであるから、自他商品の識別標識として機能し得ないものである。事実、本件商標は、商標権者のウェブサイトにおいて、洗眼カップの説明用語として使用されている(甲第9号証、甲第10号証)。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標から生ずる「ピッタリカップ」の称呼と引用各商標から生ずる「ピッタリハップ」の称呼とは、「力」と「ハ」の音の差異を有するものであるところ、共に7音の構成音数からなるものであり、該差異音はその中間に位置することから、元々明確に聴取され難いものである。その上、両称呼は、共に促音「ッ」を第2音及び第6音に有することから、称呼全体にリズムを生じさせ、非常に流暢で簡潔な称呼となるものであり、その結果、「力」及び「ハ」の音は、明確には発音され難く、聴取され難くなるものである。

そうとすれば、当該差異音が母音(a)を共通にすることとも相俟って、その音質の差異は、称呼全体の流れの中に埋没してしまい、両称呼を時と処を異にして称呼した場合には、両称呼全体の語韻・語調は近似したものとなり、取引者・需要者をして混同させるおそれが存するものである。

そして、本件商標の指定商品中の第5類「薬剤」と引用各商標の指定商品とは同一又は類似の関係にあること明らかである。

(3)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の第10類「洗眼器」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであり、また、第5類「薬剤」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本件商標は、前記したとおり、「ぴったりカップ」の文字からなるところ、これを構成する「ぴったり」及び「カップ」の各文字が申立人の主張するような意味合いを有する語であることは認められるとしても、本件商標の指定商品中の「洗眼器」との関係においてみた場合、これを一連に表した「ぴったりカップ」の語(文字)が該商品の使用感を暗示させることがあるとしても、その商品の形状あるいは品質を直接的、かつ、具体的に表示するものとは認められない。そして、申立人の提出に係る証拠をみても、商標権者による使用例のみであるから、この種商品を取り扱う業界において、商品の形状・品質等を表示する語として取引上一般的に使用されているものとは認められない。

してみれば、本件商標は、その指定商品との関係においては、直ちにその商品の形状・品質等を表したものとまではいい難く、これを本件商標の指定商品中の「洗眼器」に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用各商標とは、前記のとおりの構成からなるところ、その構成文字に相応して、本件商標からは「ピッタリカップ」の称呼を、引用各商標からは「ピッタリハップ」の称呼をも生ずるものと認められる。

そこで、この両称呼を比較するに、両称呼の差異は中間における「カ」と「ハ」の音の差異のみとはいえ、「カ」の音は破裂音にして明瞭に響く音であるのに対して、「ハ」の音は摩擦音にして響きの柔らかい音として聴取されるものである。加えて、いずれも促音を伴うことから、両音の差異は一層強調されることとなり、この音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、称呼上十分区別し得るものというべきである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼において類似するものとはいえない。

その他、外観や観念において、本件商標と引用各商標とが相紛れるおそれがあるとすべき点は、見出せない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る第10類「洗眼器」及び第5類「薬剤」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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