Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900492(T2007−900492/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5061865号商標(以下「本件商標」という。)は、「パロル」及び「PAROLES」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年2月8日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として平成19年7月13日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録510587号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PARSOL」の文字を横書きしてなり、昭和32年1月11日に登録出願、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として昭和32年11月29日に設定登録され、その後、昭和53年5月10日、昭和62年11月17日、平成9年7月8日及び平成19年6月12日の4回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録2677249号商標(以下「引用商標2」という。)は、「PARSOL」の文字を横書きしてなり、昭和59年12月12日に登録出願、第1類「化粧品製造用の紫外線を吸収する化学品」を指定商品として平成6年6月29日に設定登録され、その後、平成16年1月13日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年6月8日に指定商品を第1類「化粧品製造用の紫外線を吸収する化学品」とする書換登録がされているものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標1とは外観上類似するものであり、両商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標2は、申立人の業務に係る商品「紫外線吸収剤」を表示する商標として取引者・需要者間に広く認識されており、また、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは製品と原材料の関係にあり取引上密接な関係にあるものである。
してみれば、引用商標2と類似する本件商標が申立人の業務に係る上記商品と密接な関連性を有するその指定商品に使用された場合には、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であり、このことは本件商標にもそのまま当てはまるものといえる。
そうすると、本件商標は「パロル」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標1は、その構成文字に相応して「パーソル」又は「パルソル」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「パロル」の称呼と引用商標1から生ずる「パーソル」又は「パルソル」の称呼とは、構成音数を異にするのみならず、語頭の「パ」の音に続く長音の有無、及び中間において「ロ」の音と「ソ」又は「ルソ」の音とが相違することにより、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり明瞭に区別することができるものである。
そして、本件商標も引用商標1も、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとは認められないから、観念上両者を比較すべくもない。
申立人は、本件商標の欧文字部分と引用商標1とは外観上類似する旨主張するが、本件商標から欧文字部分のみを分離抽出して観察したとしても、該欧文字部分と引用商標1とは明らかに綴りを異にするものであり、容易に読み取ることができるものであるから、外観上も別異のものとして看取され、彼此相紛れるおそれはないものというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標2が申立人の業務に係る商品「紫外線吸収剤」について使用された結果、取引者・需要者間に広く認識されている旨主張し証拠を提出している。
しかしながら、提出された証拠によれば、引用商標2が使用されていることが認められるとしても、その使用の期間、地域、規模、宣伝広告等をはじめ、使用に係る商品の具体的な取引状態、販売量、市場占有率等が明らかでなく、提出に係る証拠によっては引用商標2が本件商標の登録出願時において取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
しかも、引用商標2は引用商標1と同一の構成からなるものであって、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標1とは非類似の商標であるから、引用商標2とも類似しないものというべきである。
かかる事情の下において、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標2を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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