Trademark Appeal Case
図案化文字と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900502(T2007−900502/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5065024号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成19年1月29日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年7月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2540721号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成元年4月21日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成5年5月31日に設定登録され、その後、平成15年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
同じく登録第3280051号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、平成6年7月21日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成9年4月11日に設定登録され、その後、平成18年10月31日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
同じく国際登録第786999号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4に示すとおりの構成からなり、平成14年8月9日(国際登録の日)に登録出願、第6類、第9類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類ないし第26類、第28類及び第34類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成15年8月29日に設定登録されたものである。
なお、これらを併せて単に「引用商標」という場合がある。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のア及びイにより、その登録を取り消されるべきものである。
ア 第4条第1項第11号該当
本件商標は、その図形部分より「エイチエイチ」の称呼を、引用商標1ないし3は、その図形部分より「エイチエイチ」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「エイチエイチ」の称呼を共通する類似のものである。また、指定商品も互いに抵触するものである。
イ 第4条第1項第10号及び同第15号該当
引用商標1ないし3は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲1に示すとおり、筆記体で表した欧文字「H」の下部に、やや右にずらして、筆記体の欧文字「H」を一筆書き様に連結したと看取される標章からなるものである。そして、二つの欧文字の「H」をモチーフとすることから、「エイチエイチ」と読まれる場合があることを否定し得ないとしても、単に「H」と「H」の欧文字からなるものと認識されるというより、むしろ、モノグラム風に図案化されたことを特色とした一種独特の標章として受け止められるとみるのが自然である。
一方、引用商標は、右側の縦線が下方で細くなった欧文字「H」と左側の縦線が上方で細くなった欧文字「H」を2つ横に並べて表し、その下に、引用商標1は「Helly Hansen」、引用商標2は「Helly Hansen」及び「SEA GEAR」、引用商標3は「HELLY HANSEN」の文字をそれぞれ配した構成からなるものである。そして、引用商標はいずれも、上記欧文字から「ヘリーハンセン」の称呼が生じるものであるが、特定の観念は生じないものである。
しかして、本件商標と引用商標とは、欧文字「H」の2字をモチーフにした点及び当該欧文字から「エイチエイチ」との読みが生ずる点で共通する部分があるとはいえ、当該「H」の部分についてみても、その表示態様において著しく相違するものであるから、その差異が特徴となって、外観から受ける印象は全く別異のものとなっているといわざるを得ないものである。また、両者は、観念上で相紛れるおそれがあるとはいえない。
してみると、両商標の外観、称呼及び観念が需要者に与える印象・記憶・連想等を総合勘案すれば、これらを同一又は類似の商品に使用した場合、その共通点が上記外観上の顕著な差異を凌駕して、当該商品が同一の出所に係るものの如く誤認混同されるとは認め難いから、本件商標が引用商標に類似する商標であると判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人提出の証拠によれば、引用商標は申立人の取り扱いに係る商品「ジャケット、Tシャツ、バック」等に使用され、申立人に係る商品の商標として、その需要者の間で相当程度に認識されるに至っていたと認め得るものである。
しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは類似する商標ではない上、これらを更に関連づけてみるべき格別の事情もみいだせない。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、需要者が引用商標を想起し連想することはなく、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くに誤信するとは認められないから、商品の出所の混同を生ずるおそれはなかったというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(3)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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