Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900504(T2007−900504/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5065508号商標(以下「本件商標」という。)は、「AVAZYN」の文字を書してなり、平成19年2月20日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成19年7月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人の引用する登録第4581766号商標(以下「引用商標1」という。)は、「AVASTIN」の文字を標準文字としてなり、平成13年12月28日に登録出願、第5類「増殖性疾患用治療薬」を指定商品として、平成14年6月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第4629365号商標(以下「引用商標2」という。)は、「アヴァスティン」の文字を標準文字としてなり、平成14年2月5日に登録出願、第5類「増殖性疾患用治療薬」を指定商品として、平成14年12月13日に設定登録されたものである。同じく、登録第4795362号商標(以下「引用商標3」という。)は、「アバスチン」の文字を標準文字としてなり、平成15年12月16日に登録出願、第5類「増殖性疾患用治療薬」を指定商品として、平成16年8月13日に設定登録されたものである。なお、これらを併せて単に「引用商標」という場合がある。
(2)理由の要点
本件商標は、引用商標の指定商品と同一のものを包含するだけでなく、外観及び称呼が類似している。さらに、引用商標は現在既に我が国での使用が開始されているだけでなく、今後さらに使用が拡大されるであろう事情が存在する。さらには、抗ガン剤の分野では、これほど類似の商標が使用されている例はない。これらの諸点を勘案すれば、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「AVAZYN」の文字からなるものであるところ、当該文字は特定の観念を生じさせることのない造語と認められ、この文字に相応して「アバジン」あるいは「アヴァジン」の称呼が生じるというのが相当である。
一方、引用商標1は、「AVASTIN」の文字からなり、「アヴァスティン」あるいは「アバスチン」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせることのない造語からなるものと認められる。そして、引用商標2は「アヴァスティン」の称呼、引用商標3は、「アバスチン」の称呼を生ずるものであり、いずれも特定の観念を生じさせることのない造語からなるものと認められる。
そこで、本件商標の称呼「アバジン」「アヴァジン」と引用商標の称呼「アバスチン」「アヴァスティン」とを対比すると、「アバジン」と「アバスチン」の称呼においては、語頭からの「ア」「バ」及び語尾音の「ン」を共通にするが、中間で「ジ」と「ス」「チ」の差異を有するものであり、その差異音は音数が異なるうえ、各音はいずれも明確に発音・聴取されるものである。そして、4音と5音の比較的簡素な両称呼における前記の差異が、称呼全体の音感に与える影響は決して小さいとはいい難いものであるから、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、全体としての音感が相違し、両者を聞き間違え、あるいは取り違えるおそれはないとみるのが相当である。
また、「アヴァジン」と「アヴァスティン」の称呼においても、前記同様、中間における「ジ」と「スティ」の顕著な差異によって、両者を聞き間違え、あるいは取り違えるおそれはないというべきである。他に称呼において紛らわしいとすべきものはない。
さらに、本件商標と引用商標1とを外観構成において比較してみると、「A」「V」「A」と末尾の「N」の各文字を共通にするけれども、中央において、「Z」「Y」と「S」「T」「I」との差異を有するものである。そして、これら相違する文字は字形において近似するともいい難く、明確に相違するから、両者の全体としての印象は著しく異なっており、外観上相紛らわしいものとはいえない。加えて、本件商標と引用商標2及び3とは、外観上紛れる余地はないというべきである。
また、本件商標と引用商標とは、いずれも造語であるから、観念において比較することができないものである。
してみると、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれからみても、非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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