Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900508(T2007−900508/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5065057号商標(以下「本件商標」という。)は、「ウルトラCエスター」の文字を書してなり、平成18年8月30日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年7月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5101317号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ESTER−C」の文字を標準文字としてなり、平成18年1月17日に登録出願、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年12月28日に設定登録されたものである。同じく登録第5101315号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成18年1月10日に登録出願、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年12月28日に設定登録されたものである。同じく登録第4915114号(以下「引用商標3」という。)は、「ESTER−C」の文字を書してなり、 平成13年10月31日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成17年12月16日に設定登録されたものである。
(これらを一括していうときは、「引用商標」という。)
(2)理由の要点
本件商標は、以下のアないしウにより、その登録を取り消されるべきである。
ア 商標法第8条第1項について
本件商標は「ウルトラCエスター」のカタカナ及び英文字からなり、「ウルトラシーエスター」の称呼を生ずるが、本件商標は比較的商標の構成文字数が多く称呼も長いことから、「ウルトラC」と「エスター」又は「ウルトラ」と「Cエスター」に分離して認識され得る。これに対し、引用商標1は「ESTER−C」の英文字、引用商標2は、「Ester−C」の英文字と図形からなり、「エスターシー」の称呼を生ずる。本件商標中、「エスター」の称呼部分と、引用商標1及び2の称呼「エスターシ−」は、共通して「エスター」を含み、「エスター」の部分が両商標中もっとも識別力を発揮する部分であることから、全体として両商標は相紛らわしい商標である。また、本件商標の称呼「シーエスター」と引用商標1及び2の称呼「エスターシー」とは、共に「シー」と「エスター」の称呼部分で構成され、本件商標と引用商標1及び2の称呼は、その部分が互いに前後しているだけの相違しかないため、全体として相紛らわしく聴覚される。本件商標の指定商品は、引用商標1及び2の指定商品中「ビタミンを主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・液状及びカプセル状の加工食品」と、同一あるいは極めて類似する商品である。
イ 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は「ウルトラCエスター」のカタカナ及び英文字からなり、「ウルトラシーエスター」の称呼を生ずるが、本件商標は比較的商標の構成文字数が多く称呼も長いことから、「ウルトラC」と「エスター」又は「ウルトラ」と「Cエスター」に分離して認識され得る。これに対し、引用商標3は「ESTER−C」の英文字からなり、「エスターシー」の称呼を生ずる。本件商標中、「エスター」の称呼部分と、引用商標3の称呼「エスターシー」は、共通して「エスター」を含み、「エスター」の部分が両商標中もっとも識別力を発揮する部分であることから、全体として両商標は相紛らわしい商標である。また、本件商標の称呼「シーエスター」と引用商標3の称呼「エスターシー」とは、共に「シー」と「エスター」の称呼部分で構成され、本件商標と引用商標3の称呼は、その部分が互いに前後しているだけの相違しかないため、全体として相紛らわしく聴覚される。また、本件商標の指定商品と、引用商標3の指定商品とは、類似する商品である。
ウ 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
本件商標は「ウルトラCエスター」のカタカナ及び英文字からなり、「ウルトラ」と「C」と「エスター」とから構成されていることを認識させる。これに対し、申立人及びそのライセンシーが使用する商標は、「ESTER−C」又は「Ester−C」の英文字あるいは「エスターC」(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)のカタカナ及び英文字からなり、「ESTER」または「エスター」と、「C」とから構成されていることを認識させる。
本件商標の指定商品は、「ビタミンCを主原料とする錠剤状・カプセル錠・粉末状・液状の加工食品」である。一方、使用商標は、体に吸収しやすいように加工されたビタミンCを主成分とするサプリメント(栄養補助食品)に使用されている。そうすると、本件商標と使用商標とは、互いにビタミンCを特徴とするサプリメントという極めて特定のカテゴリーに限定された商品に使用されるものであり、本件商標と使用商標の構成中「C」の部分は、ビタミンCを表象するものと認識される。また、本件商標中、「ウルトラ」は、「超」、「過度」、「極端」などの意を持つ形容詞であって、特定のシリーズ商品のシリーズ名称の冒頭に付加されて、シリーズ商品のうちの一商品の名称として使用するのは、ネーミングの手法として頻繁に用いられる手法である。
そうすると、本件商標と使用商標の構成中、共通に含まれる「エスター」がもっとも識別力を発揮する部分である。使用商標は、ビタミンCを主成分とするサプリメントに使用され、本件商標の登録査定時のみならず出願当時、すでにサプリメントの分野では需要者の間で広く認識されており、使用商標中、特に「エスターC」と本件商標とは外観、称呼及び観念において相紛らわしい。また、本件商標と使用商標とが厳密な意味で類似とみることはできない場合であっても、本件商標と使用商標とが使用されている商品の特徴を考慮すると、本件商標と使用商標とが同一の出所から流出するシリーズ商品に含まれると認識される可能性が極めて高い。
3 当審の判断
(1)商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ウルトラCエスター」の文字からなるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもってまとまりよく一体的に表されており、かかる構成中「エスター」の文字部分のみに限定し、それに相応した称呼や観念をもって取引に資されるとすべき特段の理由はみいだせない。そして、構成文字全体に相応した「ウルトラシーエスター」の称呼も格別冗長とはいえず、一気一連に称呼し得るものである。
したがって、本件商標は、「ウルトラシーエスター」のみの称呼を生ずるものとみるのが相当である。
してみると、本件商標から「エスター」の称呼をも生ずるとした上で、本件商標が引用商標と称呼において類似する商標であると判断することはできない。他に本件商標が引用商標に類似するとすべき理由はみいだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、類似する商標ではないから、本件商標は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第11号には該当しないといわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人提出の証拠によれば、使用商標が申立人の商品「ビタミンCを主成分とするサプリメント」等に使用されて、本件商標の出願時にはその需要者間に広く知られるに至っていた旨認定されている(甲第12号証)ことが認められるけれども、その余の証拠を総合しても、「エスター」の標章あるいは「エスター」の称呼をもって、それが周知性を獲得したと認め得る的確な証拠はみいだせない。
しかして、本件商標は、前記のとおり、「ウルトラシーエスター」のみの称呼を生ずるものであるから、使用商標と類似するものではなく、更にこれを引用商標と関連付けるべき理由もみいだせないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これより使用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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