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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼一体性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900523(T2007−900523/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5070775号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5070775号商標(以下「本件商標」という。)は、「笠野ケミファ」の文字を標準文字で書してなり、平成19年3月12日に登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第30類、第32類、第35類及び第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年8月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1004379号商標(以下「引用商標」という。)は、「ケミファ」の文字を横書きしてなり、昭和45年5月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和48年3月15日に設定登録され、その後、平成16年7月14日に、指定商品を第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第8類、第9類、第10類、第16類、第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、漢字「笠野」と片仮名「ケミファ」とからなるものであるから、その構成中の「ケミファ」文字より「ケミファ」の称呼をも生ずるものである。

したがって、本件商標は、「ケミファ」の称呼を生ずる引用商標とは、該称呼を共通にする類似の商標である。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、第5類「薬剤」を共通にするものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標を構成する「ケミファ」は、申立人を表すものとして広く知られているから、これと類似する本件商標をその指定商品中「薬剤」について使用された場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、申立人の著名な略称である「ケミファ」を含むものである。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「薬剤」について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第8号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、「笠野ケミファ」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって同一の大きさ・間隔で書され、外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「カサノケミファ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、本件商標を構成する「笠野」と「ケミファ」の各文字は、いずれも特定の意味を想起させるものではなく、観念上の軽重の差は見出せない。

してみれば、本件商標は、構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識されるというべきであるから、その構成文字に相応して、「カサノケミファ」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。他に、本件商標中の「ケミファ」の文字部分のみが独立して把握、認識されるとみるべき特段の理由は見出せない。

これに対して、引用商標は、前記2のとおり、「ケミファ」の文字を書してなるものであるから、これより「ケミファ」の称呼を生ずるものである。

そうすると、本件商標より生ずる「カサノケミファ」の称呼と引用商標より生ずる「ケミファ」の称呼は、前半部において「カサノ」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、全体の語調、語感が著しく相違したものとなり、明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものと認められるから、観念上比較することはできない。

さらに、両商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第8号について

甲第4号証によれば、申立人は、昭和45年7月に現在の社名「日本ケミファ株式会社」に商号を変更したこと、売上高の91%が医療用医薬品によるものであること、が認められる。

甲第6号証ないし甲第9号証及び甲第11号証によれば、「1)カルバン錠・・4)ケミファ−鳥居」(甲第6号証、なお、「4)」は、他の薬剤の同じ項目から判断すると、製造者ないし販売者の略称と推測できるが、どのような基準をもって略称したのかは、凡例等の提出がないため不明である。)、「ソレトン錠80(ケミファ)」、「ウラリット−U(ケミファ=鳥居)」(いずれも甲第7号証、なお、同号証の688頁、689頁及び694頁には、上記記載における括弧内の製造者ないし販売者と推測される会社の略称について、正式な名称等の説明的な記載が設けられている。)の記載があり、また、「日本ケミファ株式会社」が「ウラリット−U/ウラリット錠」、「ソレトン錠80」、「尿pHテスト−U『ケミファ』」(甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証)なる製品名の薬剤を、本件商標の登録出願前より製造、販売している事実が認められる。

しかしながら、上記証拠のみをもってしては、「ケミファ」の文字(語)が、申立人の略称、又は申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、薬剤等の分野の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。例えば、甲第7号証における「(ケミファ)」等の表示は、紙面掲載上の制約から略して記載されたものであることは、巻末に、会社の正式な名称が掲載されていることから容易に推察し得るところであり、必ずしも「ケミファ」の語が申立人の略称を表すものとして著名であるからという理由によるものと認めることはできない。このことは、甲第7号証に記載された他社についても、その略称が使用されていることのみをもって著名性の判断基準とならないことと同様の理由である。また、甲第8号証、甲第9号証及び甲第11号証にしても、申立人が「ケミファ」と略称されて使用されている事実は見出せない。

加えて、本件商標は、前記(1)認定のとおり、その構成中の「ケミファ」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではない。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。

また、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標ということもできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第8号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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