Trademark Appeal Case
商標「GOYA」と「GOYARD」の称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900559(T2007−900559/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5075038号商標(以下「本件商標」という。)は、「GOYA」の欧文字と「ゴヤ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成19年2月28日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年9月7日に商標権の設定登録がされたものである。
2 登録異議申立の理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録第2467408号商標(以下「引用商標」という。)を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録を取り消すべきものであると申し立てた。
(1)引用商標
登録第2467408号商標は、「GOYARD」の欧文字を横書きしてなり、平成2年10月18日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同4年10月30日に商標権の設定登録がされたものである。そして、指定商品については、平成15年1月22日に、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」ほか、第6類、第8類、第14類、第18類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ゴヤ」の称呼が生じる。他方、「GOYARD」は、フランス語であり、被服、ベルトやバッグなどのファッション業界では、フランス語が広く使用され、商標もフランス語をもって称呼するものが多いことから、引用商標からは「ゴヤール」の称呼を生じ、両者は称呼において類似する商標であって、かつ、引用商標の指定商品中には、本件商標の指定商品と同一又は類似する第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を含むものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、我が国を始め世界的に有名なフランスの鞄類、バッグ類のメーカーであり、「GOYARD」はその略称としてまた申立人が製造販売する鞄類、バッグ類に使用する商標として我が国においても周知であるから、本件商標がその指定商品に使用されたときは、当該商品は申立人の製造販売にかかる商品あるいは申立人と何らかの経済的関係のある者により製造販売をされた商品であるとの誤認を需要者・取引者に生じさせるおそれがある。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「GOYA」の欧文字と「ゴヤ」の片仮名文字よりなるから、その構成各文字に照応して「ゴヤ」の称呼が生じるものである。
これに対して、引用商標は、その構成前記のとおり「GOYARD」の欧文字からなるところ、その綴りをもって我が国において馴染まれた語ともいい得ないから、特定の意味合いを有しない造語商標として把握されるというべきである。そして、欧文字表記からなる造語商標の称呼にあっては、一般的に格別の事情がない場合、我が国において慣れ親しまれたローマ字風の読みないし英語の読みに倣って称呼されるものであるから、該文字に相応し「ゴヤード」の称呼が生じるとみるのが相当である。
また、申立人提出の証拠によれば、ファッション関連の各雑誌の紹介記事おいて、申立人の製造にかかるバック類が「GOYARD」の欧文字とともに「ゴヤール」の片仮名表記をもって掲載され、我が国においても知られていることから、引用商標からは「ゴヤール」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
そこで、本件商標より生ずる「ゴヤ」の称呼と引用商標より生ずる「ゴヤード」又は「ゴヤール」の称呼の類否についてみると、両称呼は「ゴヤ」の音を共通にするが、「ヤ」の音が長音を伴い、末尾音においての「ド」又は「ル」の音の差異を有し、かかる音も濁音又は弾音で比較的強く発音されるから、該差異がそれぞれの称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼を全体として称呼したときには、語調、語感を異にし、十分に聴別できるものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観においても彼此見誤るおそれはなく、さらに、観念においては、引用商標が造語よりなるものであるから、比較すべくもないものである。
そうとすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念の何れにおいても互いに紛れる虞のない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、引用商標は、申立人の略称として又は同人の業務に係る「かばん類」を表示するものとして、本件商標登録出願時に我が国の需要者の間に広く認識されたものであることが認められるとしても、本件商標は前記のとおり、引用商標とは別異のものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに引用商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。
なお、申立人は、フランスでは「GOYARD」の通称として「GOYA」と呼ばれており、我が国の愛好家においても「GOYA」「ゴヤ」と略称されていると述べているが、これを裏付ける証拠及び事実は見出すことができないから、この点にかかる申立人主張は採用の限りでない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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