結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2007−900286(T2007−900286/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5034760号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピュアセラミド」の文字を横書きしてなり、平成16年10月6日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,家庭用合成洗濯のり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,洗濯用漂白剤,研磨布,つや出し布,塗料用剥離剤」、第5類「薬剤,歯科用材料,衛生マスク,ガーゼ,生理用パンティ,生理用ナプキン,医療用腕環,乳児用粉乳」、第29類「菌類・ハーブ・各種ビタミン・セラミド・各種ミネラル・コラーゲン・食物繊維・アミノ酸・動物エキス・魚類・野菜エキス又は果実エキスの1又は2以上を主原料とするカプセル状・錠剤状・顆粒状・液状・粉末状・ゼリー状・糖衣錠剤状・ゲル状・固形状・ウェハース状・ビスケット状・チュアブル状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成19年3月23日に設定登録されたものである。
登録異議の申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品中、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,家庭用合成洗濯のり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,洗濯用漂白剤,研磨布,つや出し布,塗料用剥離剤」に使用するときは、「純粋なセラミドを原材料とした商品」を直感させ、単に商品の原材料、品質を表すにすぎないものであり、また、上記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、その指定商品中第3類に属する商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
当審において、平成20年2月5日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
(1)本件商標は、上記1の構成からなるところ、その構成中の「ピュア」の文字は「純粋な」の意味を有する語として、また、「セラミド」の文字は「細胞間脂質」の意味を有する語として知られているものである。
そして、申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標の指定商品中の第3類に属する商品を取り扱う業界において、「ピュア」の語は、「(商品の品質が)純粋であること」の意味合いで普通に使用されていること、また、セラミドは保湿効果があることから化粧品等の原材料として用いられ、これを原材料とした商品について「セラミド」の語が普通に使用されていること、さらに、両語を結合した「ピュアセラミド」の語も、化粧品等の原材料として「純粋な細胞間脂質(セラミド)」を指称するものとして普通に使用されていることが認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品中の第3類に属する商品の範疇に含まれる「純粋なセラミドを原材料とした商品」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の原材料、品質を表示したものとして認識し理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、結局、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものである。また、本件商標を第3類に属する指定商品中「純粋なセラミドを原材料とした商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)したがって、本件商標は、その指定商品中第3類に属する商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
商標権者は、前記3の取消理由に対して、要旨次のように意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第20号証を提出した。
(1)本件商標が取消理由に該当しないことについて
ア 「ピュア」及び「セラミド」の語が、それぞれ「純粋な」及び「細胞間脂質」の意味合いを有するものであり、かつ、その指定商品中第3類の商品を取扱う業界において、「ピュア」及び「セラミド」の語が、それぞれ上記意味合いで使用されている例があるとしても、本件商標はそもそも、「ピュアセラミド」と横一連に記載した構成からなるものであって、全体で一体不可分の造語的なものとして認識されるべきものであるため、本件商標から直ちに商品の品質が認識される場合はない。
すなわち、本件商標は、片仮名文字のみで、横一連に「ピュアセラミド」とまとまりよく表したものであり、「ピュア」と「セラミド」の間に空白を設けたり、前後で書体や大きさを変えるなどの軽重の差を設けたものではなく、全体を称呼しても「ピュアセラミド」と6音程度で簡潔に称呼し得るものである。
したがって、簡易迅速を尊ぶ現実の取引の場においては、本件商標を見た者は、これを敢えて前後に分離し、各部分の意味合いを理解するよりも、まず外観上、称呼上のまとまり感に印象付けられることで、本件商標全体で一連一体の造語的なものとして認識し、ここから何ら特定の意味合いは認識しないまま、取引にあたるとするのが自然である。またそれゆえに、本件商標は現実の取引の場において、指定商品との関係において十分に自他商品の識別力を発揮し得るものである。
イ 申立人が提出した甲第2号証ないし甲第5号証は、以下に述べるとおり、いずれも「ピュアセラミド」が「純粋なセラミド」の意味合いを表す品質表示として使用されているとはいい難いものである。
(ア)甲第2号証についての検討
・左上隅に以下の表示のあるウェブサイト「ジュエリー・腕時計・アクセサリ・ネックレスのご紹介」、「Amazon.co.jp:ラメンテピュアセラミド100:ヘルス&ビューティー」 、「ラメンテオンラインショッピング ピュア原液シリーズ」、「アットコスメ 商品詳細(ラメンテ ピュアセラミド100)」、は、「ラメンテ ピュアセラミド100」又は「ピュアセラミド100」の文字を表示しているが、これらはいずれも「ピュアセラミド」が「純粋な細胞間脂質」である旨の説明もなく、単独で表示されているものであるから、「純粋な細胞間脂質」であることを説明した語というよりは、商品について独自に付された商標として使用されていると理解するのが自然であるといえる。
・「水性ピュアセラミド「フィトセラマイド」を新発売」と題した書類及び「一丸ファルコス株式会社」のウェブサイトには、「水性ピュアセラミド」なる語が記載されているが、セラミドの一般的な説明や、「フィトセラマイド」なる商品の特徴として高純度であることは記載しているものの、「ピュアセラミド」がすなわち「純粋な細胞間脂質」のことであるとして記載した部分はなく、してみれば、「水性ピュアセラミド」が商品の商標として使用されているのか、品質を表示する語として使用されているのかは、この資料を見る限り不明であるといわざるを得ない。
・左上隅に以下の表示のあるウェブサイト
「アスカ化粧品 ピュアセラミドEX100(植物性)-アスカ化粧品のご案内」、「アスカ ピュアセラミド100の商品情報−アットコスメ」、「PEACH-PIGピュアセラミドの商品情報−アットコスメ(@cosme)」、「デイ・スパ ソルニスト ピュアセラミドの商品情報−アットコスメ(@cosme)」、「パウダー・その他化粧品/石けん素材〜ヒアルロン酸・ピュアセラミド〜」、「楽天市場/キャンコスメティックナノシリーズ/ラファアイランド」においても、商品記事の冒頭や商品名の欄に「ピュアセラミド」の語を単独で表示しているものばかりであり、このような表示態様からは、「ピュアセラミド」が「純粋な細胞間脂質」を意味する品質表示語として使用されているとはいい難いものである。
・左上隅に「健康・改善商品」と表示されたウェブサイトにおいては、「ピュアCE(セラミド)」の記載があるものの、「ピュアセラミド」と一連に表示したものは見当たらないため、かかる記載も、「ピュアセラミド」が品質表示語として一般的に使用されているとする根拠にはなりえないものと思料致します。
・左上隅に以下の表示のあるウェブサイト「楽天市場/セルディ ヘアエステパック シャイニーローヤルゼリー・・・」、「POLA デイリーコスメ」は、「うるおい補給成分ピュアセラミド配合」「ピュアセラミド(うるおい補給成分)・・・」との記載があるが、この表示態様では、「ピュアセラミド」が何らかの「うるおい補給成分」の名称として使用されていることは理解できるとしても、それが果たして独自に考え出された名称か、「純粋な細胞間脂質」を説明する語として使用されているのかまでは理解できず、したがって、これらの使用事実によっても、「ピュアセラミド」が「純粋な細胞間脂質」の意味でごく普通に使用されているとはいえない。
・「ピュアセラミド店販用 30ml フェイシャル化粧品」と左上隅に表示されているウェブサイトでは、「ピュアセラミド店販用 30ml」の文字が、商品写真の上方に単独で記載されており、また、「Sampleshop(サンプルショップ)ソルニストスキンケアシリーズ」と左上隅に表示されているウェブサイトでは、商品写真の右側に「ピュアセラミド」の文字が大きく表示されていることから、これらの「ピュアセラミド」の文字も、商品の品質を表示するというよりは、むしろ、各商品の商標として使用されているものといえる。
・左上隅に以下の表示のあるウェブサイト「アルージェの通信販売(永光薬品)東京」、「金川生実の「bimbi通信」、において記載されているのは、「天然セラミドを、ピュアなまま ... 」あるいは「ピュアな天然セラミド」との表示でありますが、本件商標はあくまでも片仮名文字で「ピュアセラミド」と一連に表示した態様であるから、これらの記載をもって「ピュアセラミド」が品質表示語として使用されているとはいえないものである。
(イ)甲第3号証ないし甲第5号証についての検討
甲第3号証及び甲第4号証は、「セラミド」「CERAMIDE」若しくは「セラマイド」を含む商標について、自他商品の識別力を否定されて拒絶された事例を示すものであり、また甲第5号証は、化粧品を取扱う業界において、「セラミド(ceramide)」が「角層細胞間脂質を構成する成分の一つ」を表す語として使用されることを示すものである。
これらの証拠資料によれば、「セラミド」又は「CERAMIDE」が化粧品の分野においては「細胞間脂質の成分のひとつ」を意味する語として使用されているようであることを伺い知ることができるとしても、本件商標のように「ピュアセラミド」と全体で一つの単語のように一連に表した構成からなるものについてまで、商品の品質表示として使用されているということはできないものである。
(ウ)したがって、申立人の提出に係る甲第2号証ないし甲第5号証の証拠によっても、本件商標の指定商品中、第3類に属する商品を取扱う業界において、「ピュアセラミド」と一連に表したものまでが、化粧品等の原材料として「純粋な細胞間脂質(セラミド)」を指称するものとして普通に使用されていると認めることはできないものである。そして、このように多数の証拠が申立人から提出されたにもかかわらず、いずれも「ピュアセラミド」が上記意味合いでごく一般的に使用されているとすべき証拠にはなりえないということからすれば、この種の商品分野において、「ピュアセラミド」が品質表示的意味合いでごく普通に使用されている状況にはないということができる。
(エ)なお、甲第2号証に列挙される「ピュアセラミド」の使用事実を示す記事については、その大部分が、本件商標の登録審決の日(平成19年2月14日)(以下、「登録審決日」という。)以後にインターネットにアクセスして印刷されたものであり、このような、日々更新される可能性のあるウェブサイトの掲載記事が、審決時においても掲載されていたか否かは不明であることからすれば、なおさら、上記申立人提出資料に基づき、「ピュアセラミド」が化粧品の分野において一般的に使用されているとすることは難しいものである。
さらに、甲第2号証のうち、登録審決日以前の日付が付されているものは、「アットコスメ商品詳細(ラメンテ ピュアセラミド100)」「水性ピュアセラミド「フィトセラマイド」を新発売」「一丸ファルコス株式会社」「POLA デイリーコスメ」と表示のあるページであるが、これらはいずれも本件商標の審査段階で刊行物提出書により提出されたものと同じものであって、審査・審判においてはこれらの資料も十分に検討した上で、本件商標の自他商品の識別力ありとしたのであるから、これらの点を考慮すればなおさら、申立人提出の証拠資料によって本件商標の自他商品の識別力を否定することはできないものである。
ウ 審決・審査例
一方、「ピュア」又は「セラミド」を含む商標が、化粧品や、これと比較的近い関係にある薬剤の分野において多数登録されており(乙第1号証ないし乙第7号証)、これらの商標に関する多数の審決・審査に示される判断を考慮するならば、本件商標についても、全体で不可分一体の造語として認められるべきものであり、これをその指定商品に使用した場合には商品の品質を表示するものではなく、自他商品の識別力を発揮し得るものとするのが相当である。
さらに、本件商標に含まれる「ピュア」の語は、比較的識別力の弱い語と結合した場合には、「ピュア」又は「PURE」の語を含む全体で一連不可分の商標として、自他商品の識別力を発揮するという、特有の性質があり、このことは「ピュア」又は「PURE」を含む語と含まない語とが互いに非類似の商標として別個に登録されていることから容易に推測される。(乙第8号証ないし乙第17号証)
一方、「セラミド」なる語についても、「バリアセラミド」(登録第4648356号/乙第18号証) と 「バリア/BARRIER」(登録第4358509号/乙第19号証)、「セラミドチャージ/CERAMIDECHARGE」(登録第4972427号/乙第7号証)と「CHARGE/チャージ」 (登録第2553920号/乙第20号証)なる商標とが別個に登録されており、このことから商標に含まれる「セラミド」の語は一律にその識別力を否定し軽視されているのではなく、全体がまとまりよく表されていれば他の語と強固に結合して一体不可分の造語的なものを形成する性質があるものと推測される。
エ 以上の点から本件商標の識別力を検討すると、本件商標は、「ピュア」と「セラミド」の文字が、それぞれ単独で見た場合には、「純粋な」又は「細胞間脂質」の意味を有するため、指定商品との関係ではある程度商品の品質を暗示する要素も含んでいるとも考えられるが、そもそも本件商標は、全体で一連不可分の造語的なものとして認識されることにより、指定商品との関係で何らかの意味合いは認識されないとするのが自然であるため、ここから商品の品質が直接認識されることはないものである。
また、実際の取引の場においても、申立人提出の甲第2号証ないし甲第5号証の資料を考慮したとしても、本件指定商品の分野において、「ピュアセラミド」なる語が上記意味合いを直接示す成語としてごく普通に使用されている例があるとまではいえないものであるから、本件商標については自他商品の識別力が認められ、登録されるのが相当である。
(2)むすび
よって、本件商標は、その指定商品中第3類に属する商品との関係において、単に商品の原材料・品質を表示したものとして認識されるものではないから、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。またそれゆえに、本件商標は、第3類に属する指定商品中「純粋なセラミドを原材料とした商品」以外の商品に使用した場合であっても、商品の品質に誤認を生ずるおそれはなく、商標法第4条第1項第16号にも該当しないものである。
(1)本件商標は、上記1のとおり、「ピュアセラミド」の文字からなるところ、これを構成する、「ピュア」の文字は「純粋な」を意味する語として、「セラミド」の文字は「角層細胞間脂質を構成する成分の一つ」を表す語として、各々広く一般に親しまれた語である。また、化粧品等を取り扱う業界において、「ピュア」の語は、「(商品の品質が)純粋であること」の意味合いで一般に使用され、「セラミド」の語は、皮膚の潤いを保ったり、紫外線や細菌、アレルゲン物質等が皮膚に浸入するのを防ぐ働きがあることから化粧品等の原材料として使用され、その原材料名として一般に親しまれている実情にある。
さらに、甲第2号証の「アルージェの通信販売(永光薬品)東京」におけるアルージェそのあなたの肌にとの見出しの下「『アルージェ』は、皮ふ内部の乾きに着目した薬用化粧品。・・・最新テクノロジー(超高圧乳化法)により、肌の大切なうるおい成分:天然セラミドを、ピュアなまま10億分の1のミクロなサイズ、ナノ粒子化することに成功。」との記載、及び「金川生実のbimbi通信」におけるbimbi化粧品・・・vol.5セラミドについての見出しの下「・・・健常な馬の脊髄から抽出されたセラミドを繰り返し精製し、不純物をとりのぞいたピュアな天然セラミドで、・・・」との記載のうちの「ピュア」の語は、いずれも、セラミドが「純粋であること」を表す語として使用されている事例であると認められる。
そうとすると、「ピュアセラミド」の文字は、その指定商品中「化粧品」に使用するときは、全体として「純粋なセラミド」の意味合いを極めて容易に認識させるものということができる。
(2)そして、甲第2号証の「水性ピュアセラミド『フィトセラマイト』を新発売」の記事には、一丸ファルコス株式会社が新発売する「水性ピュアセラミド『フィトセラマイト』についての説明がなされているところ、これには「当社では、今回植物からの食品用高純度セラミド精製法を確立しました。・・・高純度で、原料からの不純物をほとんど含みませんので、植物セラミド本来の機能が期待できます。・・・」との記載があり、また、「Sampleshop(サンプルショップ)ソルニストスキンケアシリーズ」におけるソルニスト ピュアセラミドの項に「ソルニスト ピュアセラミドは、最高級の純度まで精製を重ねたピュアなセラミドを主成分としています。」との記載があるが、これらの記載は、まさに「ピュアセラミド」の文字が「純粋なセラミド」の意味合いで商品の品質、原材料を表示する語として使用されているものというのが相当である。
さらに、甲第2号証の前記2件以外の記事における「ピュアセラミド」の文字の使用例は、その大半が明らかに「セラミドを主原料とする化粧品」について使用されているものであるから、殊更「純粋なセラミド」の意味合いであることを理解させる文言が付されていなくとも、これらの使用例も、商標名というよりは、むしろ商品の品質、原材料としての「純粋なセラミド」の意味合いを表す語として使用されているものと認識され、理解されるとみるのが自然である。
(3)そして、甲第2号証として提出された証拠のうち、登録審決日前にインターネットにアクセスして出力されたもの或いは発表されたものと確認できるのは、「アットコスメ商品詳細(ラメンテ ピュアセラミド100)」、「POLAデイリーコスメ(ヘアエステパック)」及び「水性ピュアセラミド『フィトセラマイド』を新発売」に関する記事である。
また、インターネットにアクセスして出力した時期は登録審決日後ではあるが、前記(2)で述べたスキンケア商品「ソルニスト ピュアセラミド」が紹介されている「ザ・デイ・スパソルニスト ピュアセラミドの商品情報−アットコスメ」には、「発売日2005/1/5」との記載があり、これより当該商品が登録審決日前から販売されていることが確認できることからすると、その掲載内容は登録審決時においても掲載されていたと推認することができる。
さらに、同じくインターネットにアクセスして出力した時期は登録審決日後ではあるが、「アスカピュアセラミド100の商品情報−アットコスメ」には、「2007/4/9」付けで当該商品への最新クチコミ情報が掲載され、また、「PEACH−PIGピュアセラミドの商品情報−アットコスメ」には、「2007/3/8」付けで当該商品への最新クチコミ情報が掲載されており、いずれの日付けも登録審決日の直後であることからすると、これらの掲載内容は登録審決日前から掲載され、登録審決時においても掲載されていたと推認することができる。
甲第2号証として提出された証拠のうち、登録審決日後の2007年5月・6月にインターネットにアクセスして出力された記事については、これらに記載されている商品すべてが、登録審決日後のわずか3月ないし4月という短い期間に、商品の新発売等により始めてインターネット上に掲載されたというより、むしろ、登録審決日には既に掲載されていたものとみるのが自然であるから、これらの記載内容も登録審決日前から掲載され、登録審決時においても掲載されていたと推認することができる。
(4)以上のことを総合的に勘案すると、「ピュアセラミド」の文字は、本件商標の登録審決時において、化粧品の品質(原材料)を表示する語として取引上一般に使用されていたというのが相当である。
(5)したがって、本件商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用しても、単に「純粋なセラミドを原材料として使用した商品」であるという商品の品質、原材料を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号、東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)」から、仮に、商標権者が主張するように、申立人が提出した証拠からは、化粧品を取り扱う業界において、「ピュアセラミド」の文字が、商品の品質、原材料を表示するものとして使用されているとはいえないとしても、本件商標が商品の品質、原材料を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。
また、商標権者は、指定商品が化粧品や薬剤等で「ピュア」又は「セラミド」の文字を含む商標の審判、審査における登録例を示して、本件商標についても、全体で不可分一体の造語として登録されるべきである旨主張しているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであることからすると、これらの登録例が存在することによって、本件商標が同号に該当することを否定することはできないものである。
(6)むすび
したがって、本件商標は、その指定商品「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、その指定商品中「化粧品」については、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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