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Trademark Appeal Case

スキルマップの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−3104(T2007−3104/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Skill/map」と「スキルマップ」の文字とを上下二段に書してなり、第9類「 電気通信機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第16類「 紙類,文房具類,書籍などの印刷物,書画,写真,写真立て 」及び第35類「 広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成17年6月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)と(2)を認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、欧文字の「Skill/map」と「スキルマップ」の文字とを上下二段に書してなるところ、新聞記事情報(2003.01.27 日刊工業新聞、2002.12.24 日刊工業新聞及び2002.11.29 日刊工業新聞)によれば、該語が、本願の出願以前にも、「企業における社員の採用・教育・育成・評価等に活用するために、社員の職務能力水準を明確化し、一覧に表したもの」を意味する語として広く一般的に使用されていることが認められるから、全体として自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすための文字とは認識し得ない。そうすると、本願商標は、単に商品の品質及び役務の質を表示するにすぎないものであり、また、「スキルマップを利用した商品・役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、登録第4434638号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断

(1)引用商標の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、請求人が譲渡により取得し、その移転の登録が平成18年11月8日にされているものである。

したがって、本願商標の請求人と引用商標の商標権者は同一人となったものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

(2)本願商標は、上記1のとおり、「Skill/map」と「スキルマップ」の文字とを上下二段に書してなるところ、「Skill」「スキル」の文字は、「熟練した技術」等を意味する語(広辞苑第五版)として、また、「map」「マップ」の文字は、「地図」等を意味する語(広辞苑第五版)として、共によく知られている英語とその英語に由来する外来語と認められる。

そして、それぞれ上記意味を有する両語を結合した本願商標からは、「熟練した技術地図」程の意味合いを容易に認識させるものである。

ところで、「スキルマップ」の文字は、下記1)ないし10)の新聞記事やインターネットの記事情報によれば、「企業における社員の採用・教育・育成・評価等に活用するために、社員の職務能力水準を明確化し、一覧に表したもの」を意味する語として、広く一般に認識し理解され、普通に使用されているものと認められる。

かかる事情の下において、「スキルマップ」の文字と、その欧文字表記(「Skill」と「map」の間に「/」を介している。)からなる本願商標を、その指定商品又は指定役務中「スキルマップに関連する商品及び役務」、例えば、「スキルマップを内容とする電子出版物・印刷物」「スキルマップを活用した経営の診断又は経営に関する助言」「スキルマップを活用した市場調査」「スキルマップを活用したホテルの事業の管理」「スキルマップを活用した職業のあっせん」「スキルマップを活用した求人情報の提供」等について使用しても、単に商品の品質又は役務の質(内容)を表示したものと理解し認識させるにとどまるというべきであり、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質または役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。

(3)請求人の主張について

請求人は、「本件商標と同一の自己の登録商標である登録第4434638号商標については、多数の者に無断で使用されて普通名称化のおそれがあり、これに対応するため、無断使用している者に対し、スキルマップの使用中止を求める警告書(送付先リストは甲第1号証参照)を送付した。また、本願の拒絶査定において、本願商標が出願前から、広く一般に使用されていたことを根拠とする新聞記事を挙げているが、これらはいずれも登録第4434638号商標が登録された2000年11月24日以降の記事であり、この新聞記事から、明らかに、本願商標が多数の者によって使用され商標法第3条第1項第3号に該当するに至ったものである。さらに、本願商標は、米国にも出願され登録になっている。以上のとおり、本願商標は、識別力があり登録すべき。」旨主張している。

そこで、請求人の主張を検討するに、請求人所有の登録第4434638号商標と本願商標とは、同一の商標であるとしても、その指定商品及び指定役務を異にするものであり、また、査定時又は審決時における取引の実情等を総合勘案し、識別力を有するか否かを判断するものであるから、登録第4434638号商標を根拠に、本願商標も自他商品・役務の識別力を有するとは言い難く、該登録商標と同列に論ずることはできない。加えて、「スキルマップ」の語は、登録第4434638号商標の商標登録出願前より、下記1)及び2)の新聞に、既に掲載されていた事実がある。

さらに、本願商標が、米国において登録になっているとしても、登録の要件はそれぞれの国に委ねられているものであるから、米国における登録を根拠に、本願商標を同様に判断することはできない。

以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用の限りでない。

(4)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

1)1996年6月4日発行 日経産業新聞 23頁

「キリンビール、自己能力評価、全社規模に、年末メド――社員の専門性向上。」の見出しの下、「キリンビールはホワイトカラーの専門性を高めるため、年末までに約三千五百人を対象に、社員一人一人が自らの仕事処理能力を評価した『スキルマップ』を作成する。各部署ごとに別個の評価項目を設け、本人と上司との面接を通じて最終評価を決める。」の記載がある。

2)1999年2月6日発行 中日新聞 11頁

「中部財界に活力戻れ セミナー閉幕 『景気回復来年』5割」の見出しの下、「・・・ 新技術の分科会では、さまざまなスキルに関して『スキルマップ』を作成して自社の技能・ノウハウの現状や課題を認識する必要性が問題提起された。」の記載がある。

3)2000年12月7日発行 日経産業新聞 23頁

「大日本印刷子会社、人事制度、自己評価440項目――最短3年で管理職。」の見出しの下、「大日本印刷の子会社でインターネット事業を手掛けるディー・エヌ・ピー・デジタルコム(東京・豊島、西島寛治社長)は十二月から新人事評価制度を導入した。コンピューター操作などの技能を評価の柱に置き、四百四十項目にわたる自己評価を三百三十人の全社員に課す。・・・『スキルマップ』と呼ぶ自己評価表を毎年二月に配布し、・・・評価項目は各種コンピューターソフトの習熟度、サーバー構築の知識、顧客提案の能力など。」の記載がある。

4)2000年10月16日発行 日刊工業新聞 6頁

「どうする技術伝承・次代のトップに聞く/今西製作所副社長・今西寛文氏」の見出しの下、「−人材の育成は。」の項目に「若者は吸収が早い。・・・しかし、このOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでは、ある程度の教育ができても、限界がある。教える人以上にはなかなか成長しない。このため資格取得を奨励するスキルマップを導入した。・・・」「『スキルマップ』は国際標準規格(ISO)を取ったときに学んだ手法で、自分がどのレベルにあるかを明確にする。・・・」の記載がある。

5)2002年3月13日発行 日刊工業新聞 31頁

「企業ナビ・混とん時代の道案内(26)今西製作所−世界に通じる技術に磨き」の見出しの下、「・・・モノづくりの揺るぎない優位を守るため人材開発には全力を注いでいる。従業員に国家資格取得を奨励する『スキルマップ』制度を創設し、取得に必要な費用は会社が負担している。スキルマップは1から4までの4段階。・・・」の記載がある。

6)「力量、スキルマップとは ISO ISO9001 ISO14001認証取得支援」の見出しのウェブサイトに、「力量、スキルマップとは??」の項目の下、「教育(教育訓練)を行なう際には、品質に影響を及ぼす業務に必要な力量(能力)を洗い出す必要があります。・・・その力量(能力)を把握した上で、スキルマップという表を作り、自社の従業員がどれほどの力量(能力)を要しているかどうかを確認する必要があります。」の記載がある。

(http://www.arpa-iso.com/tips/tips9.html)

7)独立行政法人 情報処理推進機構のウェブサイトに、「情報セキュリティスキルマップ構築の調査研究」の表題の「概要」欄に、「本調査研究では、2002年度調査において作成した『情報セキュリティに関するスキルマップ』を、より広く利用し易いものとするため、時勢の変化や技術分野の進展に合わせたアップデートを行い「評価のものさし」としての完成を図ると共に、スキルマップの活用に向けた方策について検討を行った。」の記載がある。

(http://www.ipa.go.jp/security/fy15/reports/skillmap/index.html)

8)株式会社空心のウェブサイトに、「ISOのスキルマップ はISO取得をするうえで必要不可欠といっても良いぐらいに、必要な帳票ですね。スキルマップ があれば、業務に必要な能力の確認、および、現時点の能力の確認が簡単にできます。また、スキルマップ の内容を確認することで、教育ニーズをつかむことができるようになります。」の記載がある。

(http://www.iso-keieiconsulting.com/da1.html)

9)株式会社サンブリッジヒューメトリクスのウェブサイトに、「企業の競争優位を創出するスキルマップ」の欄に、「自社内のスキル分布を把握することによって、技術継承・人材のローテーション・有効的なOJT・リソーセス管理等を、今後の事業戦略に合わせて、誰を・どのように・どの時間軸で育成すべきかを把握することができ、企業の競争優位を創出します。スキルマップ・コンサルティングによって各定義書の策定も行えます。」の記載、さらに、その下の「スキルマップイメージ」の項目に、「スキルマップに基づき社員の技術スキルを評価する。スキルマップで見える化することで組織の戦力を把握。」の記載がある。

(http://www.humetrix.co.jp/service/smc.html)

10)「中小零細企業の新卒育成にスキルマップ活用」の見出しのウェブサイトに、「モトが取れる新卒育成企画 <スキルマップ活用>」の欄の「=効率的な新卒社員育成には、スキルマップ活用=」の項目に、「スキルマップは、IT系の企業などを中心に、知名度の高い言葉ですが、一般の中小零細企業などの人材育成の現場での認知度はイマイチです。スキルマップは、その名の通り、縦軸に年齢(または勤続年数など)や役職、横軸に職種や作業分類などを配置し、そのマトリックスの中に、必要とされるスキルを項目として羅列したものです。」の記載がある。

(http://www.msi-group.org/MSI-Freshmen-Skillmap.htm )

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