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Trademark Appeal Case

「野菜ソムリエ」の識別性と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−1531(T2008−1531/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「野菜ソムリエ」の文字を標準文字で書してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年3月7日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同19年4月24日付け提出の手続補正書により、第30類「野菜入りの菓子及びパン,野菜入りの調味料,野菜入りの香辛料,野菜入りのぎょうざ,野菜入りのサンドイッチ,野菜入りのしゅうまい,野菜入りのピザ,野菜入りのべんとう,野菜入りのラビオリ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、以下のとおり、認定、判断し、本願を拒絶した。

(1)本願商標は、「畑などで食用に栽培する植物」の意味を有する「野菜」と「フランス料理店などで、ワインの仕入れ・管理を担当し、また客の相談を受けてワインを選定・提供する専門職」等の意味を有する「ソムリエ」を一連に「野菜ソムリエ」の文字を書してなるところ、近年、ソムリエの文字は、「ワインに関する専門職」の意味を有するばかりでなく、各々の専門職の意味合いをもって普通に使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、全体として「野菜の専門職(ソムリエ)が選定・推奨する商品」等であることを認識させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1478452号商標(以下「引用商標」という。)は、「ソムリエ」の文字を横書きしてなり、昭和52年1月12日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年9月30日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成14年3月27日に指定商品を第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号について

本願商標は、前記1のとおり、「野菜ソムリエ」の文字を標準文字で一体にまとまりよく表してなるものである。

そして、その構成中「ソムリエ」の文字は、「フランス料理店などで、ワインの仕入れ・管理を担当し、また客の相談を受けてワインを選定・提供する専門職。」(「広辞苑第五版」)等の意味を有し、また、「野菜ソムリエ」の文字は、「日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が認定する野菜の知識についての民間資格」(「imidas2007」株式会社集英社発行)と記載されていることからすると、本願商標「野菜ソムリエ」の文字からは、「野菜の専門職」程の意味合いを看取させるに止まるというべきであって、原審説示の如く「野菜の専門職(ソムリエ)が選定・推奨する商品」の意味合いを理解させるとまではいい難いものである。

また、当審において職権をもって調査するも、「野菜ソムリエ」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見し得なかった。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、何人かの業務に係る商品であることを認識することがで

きないものとはいい得ず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、前記1のとおり、「野菜ソムリエ」の文字を標準文字で外観上まとまりよく表してなるものであって、その構成文字全体に相応して生ずる「ヤサイソムリエ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、本願商標の構成中「野菜」の文字部分が、その指定商品との関係において、商品の原材料を表したものであるとしても、本願商標「野菜ソムリエ」の文字は、外観上まとまりよく表されていることに加えて、本願商標全体より、前記認定のとおり、「野菜の専門職」如き観念を生ずることからすれば、これに接する取引者、需要者等が、「野菜ソムリエ」の文字より、殊更、「野菜」の文字部分を捨象し、「ソムリエ」の文字部分のみをもって取引に資するとはいい難いものである。

また、他に「ソムリエ」の文字部分のみが、独立して着目されるとみるべき特段の事情も見当たらない。

しかして、本願商標はその構成全体をもって、一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが相当であって、そうすると、本願商標は、これより「ヤサイソムリエ」の称呼のみを生ずるというべきである。

他方、引用商標は、前記2のとおり、「ソムリエ」の文字よりなるところ、構成文字に相応して、「ソムリエ」の称呼が生ずること明らかであって、かつ、前記した「ソムリエ」の文字が有する意味から「ワインの専門職」の観念が生ずるものである。

そうすると、本願商標より、「ソムリエ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標が、称呼上類似するとした原審の判断は妥当でなく、また、本願商標と引用商標とは、前記1及び2の構成よりみて、外観においても十分に区別し得るものであり、さらに、観念においても、前記認定のとおりであるから、十分に区別し得るものである。

してみれば、本願商標と引用商標は、外観、観念、称呼のいずれの点よりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

(3)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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