Trademark Appeal Case
「リップベール」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900379(T2007−900379/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5046534号商標(以下「本件商標」という。)は、「リップベール」の片仮名文字と「LIP VEIL」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成18年4月24日に登録出願され、同19年3月27日登録査定、同年5月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は登録の要件を具備しないから、その登録は取り消されるべきとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第7号証を提出した。
本件商標は、「唇」、「口」の意味を有する「リップ(LIP)」と、「おおう」、「隠す」の意味を有する「ベール(VEIL)」の語からなるものである。
しかるに、本件商標とその指定商品との関連をみるに、リップクリーム、口紅等において「リップ(LIP)」の語が、「口唇用の商品」を意味する語として普通に使用され認識されている。また、「ベール(VEIL)」の語は、ファンデーション、乳液、口紅等の商品において、しみ等を覆い隠すために使用する商品等「肌や口唇を覆って使用することを強調する商品」を表す語として使用され、認識されている(甲第1ないし第7号証)。
さらに、「リップ(LIP)」の語と「ベール(VEIL)」の語を結合した「リップベール(LIP VEIL)」の語が、「口唇をおおって使用する商品」を意味する語として使用されている(甲第2ないし第7号証)。
したがって、本件商標をその指定商品に使用するときは、「口唇をおおって使用する商品」を直感させ、商品の品質を表す標章にすぎないことから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
また、本件商標を「口唇をおおって使用する商品」以外の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「口唇をおおって使用する商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
本件商標は、前記したとおり「リップベール」の片仮名文字と「LIP VEIL」の欧文字を書してなるところ、いずれの文字も同じ書体、同じ大きさで視覚上もまとまりよく一体的に表してなるものであり、「リップベール」の片仮名文字は、「LIP VEIL」の欧文字から生ずる読みを表したものと認められ、これより生ずる「リップベール」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
ところで、「リップベール」及び「LIP VEIL」の各文字が「口唇をおおって使用する商品」を意味する語として使用されているとして申立人が提出した甲各号証を徴するに、その旨を裏付けるような記載は見当たらないものであり、そして、株式会社週刊粧業発行「1996 Cosmetics in Japan 日本の化粧品総覧(抜粋)」(甲第4号証)の日本メナード化粧品の項に「クリアリップヴェール」との記載、日本メナード化粧品株式会社発行「MENARD NEWS Shirayuri 1994年4月号(抜粋)」(甲第5号証)に「ジュピエル クリアリップヴェール」との記載及び日本メナード化粧品株式会社商品「メナード ジュピエル クリアリップヴェール’94春」商品台紙(甲第6号証)に「ジュピエル クリアリップヴェール」、「クリアリップヴェール」、「Jupier Clear Lipveil」及び「CLEAR LIPVEIL」との各記載が認められるものであるが、これらの証左は、いずれも同一の会社に係るものであるばかりでなく、いずれも「リップヴェール」、「Lipveil」及び「LIPVEIL」の各文字に「クリア」、「Clear」又は「CLEAR」の文字を冠して一連に表示してなるものである。
また、甲第2号証は、インターネットのウエッブページを打ち出したものと認められるところ、その右下に「2007/07/12」と記載されていることから、その出力時期が2007年7月12日と解されるものであり、本件登録異議申立に係る登録処分の適否の判断基準と解される本件商標の登録査定時以降の証左といわざるを得ず、さらに、甲第7号証は、作成時期が不明なものであるから、これをもって本件商標の登録査定時以前の証左ということはできない。
そうすると、本件商標は、その登録査定時において不特定多数の者によって取引上普通に使用されていたと認めることができないものであるから、その構成中の「リップ」及び「LIP」の各文字が「唇」の意味を有し、「ベール」及び「VEIL」の各文字が「覆い隠すもの」等の意味を有するものであって、これらの語が化粧品の分野において、商品の品質、用途を表わす語としてそれぞれ使用されているとしても、これらを結合した「リップベール」の片仮名文字又はこれを英語表記した「LIP VEIL」の欧文字は、ファンデーション、乳液、口紅等の化粧品を取り扱う業界において、「口唇を覆って使用する商品」を表す語として、その概念が確立しているものと俄にはいい難いものであり、ほかに本件商標を構成する「リップベール」の片仮名文字及び「LIP VEIL」の欧文字が商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表すものとして使用されている事実を見いだすこともできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が特定の商品の品質等を表示したものとして認識し把握するようなことはなく、むしろ、「リップベール」又は「LIP VEIL」の構成文字全体をもって一種の造語を表したものとして認識し把握するとみるのが相当であるから、自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、いずれの指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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