Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900591(T2007−900591/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5081240号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年3月23日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として平成19年10月5日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第576821号商標(以下「引用商標」という。)は、「PERRELET」の文字を横書きしてなり、1991年9月12日に国際登録、2003年10月21日に我が国を事後指定し、第14類「Timepieces and other chronometric instruments; jewellery; precious stones; precious metals.」を指定商品として平成16年8月6日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは称呼及び外観において類似する商標であり、両商標の指定商品も抵触関係が存在するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)引用商標は申立人の商品「時計」を示すものとして周知著名となっており、引用商標と極めて相紛らわしい本件商標がその指定商品について使用されると、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲のとおり、二段による構成からなるところ、上段部分は、かなり図案化されており、下段部分中の大文字部分と併せ見れば、欧文字の「J」及び「B」を表したものと認識し把握される余地はあるものの、上段部分のみをもって、一見して直ちに「J」及び「B」の文字を表したものと認識し得るとまではいい難く、むしろ一種の図形として認識され、特定の称呼は生じないものというべきである。一方、下段部分は、全体の構成からみて、「Jeanni Berrelet」の文字を表したものとして認識し理解されるというのが自然であり、その綴り字に照らし、全体をもって一連の欧米人の人名を表したものの如くに看取されるというべきであって、「Jeanni」と「Berrelet」のいずれにも軽重の差を見出し得ないものである。また、これより生ずると認められる「ジャンニベルレ」又は「ジーニバーレレット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そうすると、該「Jeanni Berrelet」の文字は、不可分一体のものとして認識し把握され、「ジャンニベルレ」又は「ジーニバーレレット」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
他に、上記下段部分が「Jeanni」と「Berrelet」とに分離して認識し把握されるべき格別の理由は見当たらない。
そして、本件商標は、上記上段部分と下段部分が常に不可分一体にのみ認識し把握されるべき格別の理由はなく、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、上記下段部分から生ずる称呼をもって取引に資される場合も少なくないといわなければならないから、これより「ジャンニベルレ」又は「ジーニバーレレット」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ペルレ」又は「パーレレット」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「ジャンニベルレ」又は「ジーニバーレレット」と引用商標から生ずる「ペルレ」又は「パーレレット」の称呼とは、構成音数の差、「ジャンニ」又は「ジーニ」の音の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、互いに紛れることなく、容易に区別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであるし、本件商標の構成から「Berrelet」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき理由も見出せない以上、該文字部分と引用商標とが外観上類似するとの申立人の主張も理由がないことになる。また、両商標は、いずれも親しまれた既成の観念を有する成語又は図形を表したものともいえないから、観念上両者を比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「時計」について使用する商標として取引者・需要者の間に相当程度広く認識されているものと認められる。そして、商品「時計」については、商標が文字盤上などに小さく表示されるという商慣行があることも認められる。
しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは類似するところのない別異の商標であり、商品「時計」の商慣行を考慮したとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであって、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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