Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900009(T2008−900009/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5083088号商標(以下「本件商標」という。)は、「Kiwitap」の文字を標準文字で表してなり、平成18年7月12日に登録出願、第6類、第11類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年10月12日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3071013号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年4月28日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年8月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第3071014号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年4月28日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年8月31日に設定登録されたものである。
(以下、引用商標1及び2をまとめていうときは、単に「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、語頭部分「Kiwi」より鳥のキーウィを観念させ、また、簡易・迅速を旨とする取引現場においては、該「Kiwi」を抽出して「キウイ」(同様に聞こえる「キィウィ」、「キィウイ」、「キーウィ」、「キウイ」等を含む。)と称呼され得る。これに対し、その出願前から周知である引用商標1も鳥の観念及び「キウイ」の称呼を生ずるものである。そのため、両商標は、観念及び称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標の指定商品中の「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」と引用商標1の指定商品は、同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
「Kiwi」部分を含む本件商標は、引用商標と鳥の観念及び「キウイ」の称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標の指定商品中の「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
「Kiwi」部分を含む本件商標は、申立人の取扱いに係る靴クリーム・クリーナー関連商品に用いられるブランドにして、本件商標の登録出願時には広く一般に知られていた「KIWI」と相紛らわしい。したがって、本件商標をその指定商品中の「靴ブラシ、靴べら、靴磨き布、軽便靴クリーナー、シューツリー」に使用すれば、その商品が申立人又は申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所の混同を生ずるおそれがある。
(4)むすび
したがって、本件商標の指定商品中の「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」についての登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「Kiwitap」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書されているばかりでなく、これより生ずると認められる「キウイタップ」の称呼も無理なく称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、構成全体をもって親しまれた意味合いが生ずるものではないとしても、外観上の一体性及び称呼上の簡潔性を考慮すれば、これを「Kiwi」の文字と「tap」の文字とに分離し、その上で「Kiwi」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念するものとみることはできない。
してみれば、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと把握、認識されるとみるべきものであるから、これより「キウイタップ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「キウイ」の称呼及び「キウイ(鳥)」の観念は生じないものといわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
上記(1)認定のとおり、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと把握、認識されるものである。
これに対し、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するとする申立人の主張は、本件商標よりその構成中の「Kiwi」の文字部分のみを分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とは、観念及び称呼を同じくする類似の商標であるとするものである。
そうすると、上記申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、失当である。その他、本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきものであるから、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
甲第8号証ないし甲第10号証及び甲第13号証の記載によれば、引用商標と同一の構成よりなる商標(以下「『KIWI』商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「靴クリーム(靴墨)」について、1906年の発売開始より今日に至るまで継続して使用され、「KIWI」商標の使用歴が長いことは認めることができる。
しかし、「KIWI」商標の、本件商標の登録出願前における著名性を明らかにする証拠として提出した「Kiwiブランド認知関連資料」(甲第11号証)は、その調査時期が約5年も前のものであり、しかも、調査方法の具体的な方法や対象者を選定した具体的な手順・方法などが明らかではなく、客観的な合理性を裏付けるに足りる証拠はない。
また、「KIWI」商標を使用した「靴クリーム(靴墨)」について、本件商標の登録出願前に、どの程度宣伝、広告を行ったのか、あるいは年間およそどの程度の販売実績があったのかなどの資料は一切提出されていない。
そうすると、申立人が提出した証拠のみをもってしては、「KIWI」商標が申立人の業務に係る商品「靴クリーム(靴墨)」等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
さらに、上記(1)認定のとおり、本件商標は、その構成中の「Kiwi」の文字部分のみが独立して、把握、認識されるものではないから、「KIWI」商標とは、商標それ自体全く異なる商標というべきである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中の「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」について使用しても、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品中の「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」についての登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。