Trademark Appeal Case
原材料名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900010(T2008−900010/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5083325号商標(以下「本件商標」という。)は、「ポリエスター」の文字を標準文字により表してなり、平成19年3月7日に登録出願、第1類、第2類、第16類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年10月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、商品の原材料の一つである英語「Polyester」を単に片仮名表記したにすぎないものであるから、これを「Polyester」素材(第17類に属する商品)に使用しても、単に商品の原材料を表示するにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ない。
また、原材料が「Polyester」である商品以外の商品に使用した場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「ポリエスター」の文字を標準文字で書してなるものであるところ、該文字は、甲第15号証及び甲第16号証によれば、「ポリエステル」を意味する英語「polyester」の発音を片仮名表記したものと認められる。また、「ポリエスター」の語は、米国公開特許和文抄録において、英語「polyester」の日本語訳として使用され(甲第2号証ないし甲第14号証)、さらに、海外から輸入されたジャケットやベストなどの被服、バック、リュックサックなどのかばん類、ラミネートフィルム、その他ブランケットやシュラフなどの商品を我が国においてインターネット上で紹介する際に、その原材料表示として、「素材/ポリエスター」、「ポリエスター○%」等のように使用されている(甲第17号証ないし甲第36号証)事実が認められる。
しかし、上記で認定した事実が存在するとしても、本件商標の指定商品と原材料表示としての「ポリエスター」又は「ポリエステル」の語との関係をみた場合、本件商標の指定商品は、上記被服やかばん類等のように、原材料表示として「ポリエスター」又は「ポリエステル」の語と深い関わり合いを有するものとは認められず、また、本件商標の査定時において、我が国で一般的に使用されている「ポリエステル」の語が、本件商標の指定商品の原材料を表示するものとして広く用いられていたという事実を明らかにする証拠の提出はなく、まして、「ポリエステル」を意味する英語「polyester」の発音の片仮名表記である「ポリエスター」の語が、本件商標の指定商品の原材料を表示するものとして普通に使用されていたという事実を明らかにする証拠の提出もない。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係からみて、その原材料を直接的に表示するものではなく、具体性に欠けるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その取引者、需要者が、商品の原材料を表したと認識するものではなく、むしろ造語の一つを表したと認識するとみるのが相当であるから、これをその指定商品のいずれについて使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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