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Trademark Appeal Case

IP FARMの識別性と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900011(T2008−900011/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5083487号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5083487号商標(以下「本件商標」という。)は、「IP FARM」の欧文字を標準文字で書してなり、平成19年2月1日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年10月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第3条第1項第6号

本件商標は、「知的財産権を取り扱う事務所」を意味し、自他役務の識別機能を有しない「IP FIRM」と称呼が同一であり、かつ、外観が極めて紛らわしい商標であるから、「IP FIRM」と同様に「需要者が何人かに係る業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」に該当するというべきである。

(2)商標法第4条第1項第7号

本件商標は、「IP FIRM」と称呼が同一であり、かつ、外観が極めて紛らわしい商標であるから、その需要者、取引者をして、あたかも知的財産権を取り扱う事務所のように誤信させるおそれがあるというべきである。

したがって、本件商標は、取引秩序を乱すおそれがあり、公の秩序を害するおそれがある商標というべきである。

(3)商標法第4条第1項第19号

「IP FIRM」は、日本国内及び外国で「知的財産権を取り扱う事務所」を表示するものとして広く認識されているところ、商標権者は、これと類似する本件商標の登録をすることにより、「IP FIRM」を事務所名として使用している特許事務所に対して、本件商標の商標権に基づく商標権侵害差止等の権利行使をたくらんでいるものと思われる。

したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものというべきである。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号並びに同法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

(5)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出している。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号について

本件商標は、上記1のとおり、「IP FARM」の文字を標準文字で書してなるものであるところ、該文字構成中、前半部の「IP」の文字部分は、指定役務との関係からみると、「Intellectual Property」(知的財産)の略語を表したと理解される場合があることは否定し得ない。

しかし、該文字構成中、後半部の「FARM」の文字部分は、「農場」等を意味する英単語であり、中学校程度で履修する比較的平易なものといえる。

そうすると、本件商標に接する需要者は、「FARM」の文字部分より「農場」の意味を直ちに理解するとみるべきであり、前記「IP」の文字部分は、「農場」の意味を有する「FARM」の文字部分と結合されたことにより、その指定役務との関係から生ずる「知的財産」の意味は薄れるといえるから、本件商標は、構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものと理解されるとみるのが相当である。

また、職権をもって調査するも、本件商標がその指定役務の質、内容等を表示するためのものとして、その登録査定時に、取引上普通に使用されていたという事実を発見することができなかった。

したがって、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ということができないから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る商標といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、「知的財産権を取り扱う事務所」を意味する「IP FIRM」とは、商標それ自体異なるものであり、構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したと理解されるものであるから、これをその指定役務について使用しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

同条項は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするもの」と規定しているところ、「IP FIRM」は、「知的財産権を取り扱う事務所」の意味をもって、本件商標の指定役務の分野において、自他役務の識別標識としての機能を有しない標章であり、ある特定の他人の業務に係る商品又は役務を表示するためのものとして、需要者の間に広く認識されている商標ではない。

さらに、本件商標が他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものと認めるに足る証拠の提出はない。

そうすると、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとする申立人の主張は前提において誤りがあり、失当である。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号並びに同法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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