Trademark Appeal Case
数字付加商標の類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900027(T2008−900027/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5085451号商標(以下「本件商標」という。)は、「HILTI7」の文字と「ヒルティ7」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年2月23日に登録出願、第29類「スイテツ・松樹皮エキス・田七人参・ウコン・冬虫夏草・霊芝及びイチョウ葉エキスを主成分とするカプセル状の加工食品」を指定商品として、同年10月19日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。なお、甲第28号証は、甲第26号証に重複する。)を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第685282号商標(以下「引用商標1」という。)は、「HILTI」の文字を横書きしてなり、昭和39年2月26日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同40年9月7日に設定登録され、その後、同51年7月9日、同60年10月17日、平成7年8月30日及び同17年8月2日の四回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成19年3月14日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第963997号商標(以下「引用商標2」という。)は、「HILTI」の文字を横書きしてなり、昭和45年3月30日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年5月24日に設定登録され、その後、同57年7月29日、平成4年7月29日及び同14年1月29日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成15年11月19日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第963998号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ヒルティ」の文字を横書きしてなり、昭和45年3月30日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年5月24日に設定登録され、その後、同57年7月29日、平成4年7月29日及び同14年1月29日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成15年11月19日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第965499号商標(以下「引用商標4」という。)は、「HILTI」の文字を横書きしてなり、昭和45年3月30日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年5月31日に設定登録され、その後、同57年6月25日、平成4年7月29日及び同14年2月5日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成15年2月5日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第965500号商標(以下「引用商標5」という。)は、ヒルティ」の文字を横書きしてなり、昭和45年3月30日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年5月31日に設定登録され、その後、同57年6月25日、平成4年7月29日及び同14年2月5日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成15年2月5日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第1877612号商標(以下「引用商標6」という。)は、「HILTI」の文字を横書きしてなり、昭和58年11月28日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同61年7月30日に設定登録され、その後、平成8年5月30日及び同18年6月13日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成20年1月16日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第2527956号商標(以下「引用商標7」という。)は、「ヒルティ」の文字よりなり、平成2年11月26日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年4月28日に設定登録され、その後、同15年3月18日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成18年5月17日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第2527957号商標(以下「引用商標8」という。)は、「HILTI」の文字を横書きしてなり、平成2年11月26日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年4月28日に設定登録され、その後、同15年3月18日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成18年5月17日に指定商品の書換登録があった結果、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
同じく、登録第2703395号商標(以下「引用商標9」という。)は、「ヒルテイ」の文字を横書きしてなり、平成4年3月5日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同7年1月31日に設定登録され、その後、同17年1月18日に商標権存続期間の更新登録がなさたものである。
同じく、登録第2703396号商標(以下「引用商標10」という。)は、黒く塗りつぶした横長長方形内に「HILTI」の文字を白抜きしてなり、平成4年3月5日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同7年1月31日に設定登録され、その後、同17年1月18日に商標権存続期間の更新登録がなさたものである。
同じく、登録第4451008号商標(以下「引用商標11」という。)は、黒く塗りつぶした横長長方形内に「HILTI」の文字を白抜きしてなり、平成11年12月27日登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年2月2日に設定登録されたものである。
以下、これらを一括していうときは「引用商標」という。
(2)申立人及び申立人使用商標
申立人は、建設用レーザー、鉄筋探査機製品、ドリル・ハツリ製品、研削・切断製品、ダイヤモンド製品、建設用鋲打機製品、アンカー製品、建設用フォーム製品等の製造・販売を行っているリヒテンシュタインを代表する世界的企業であり、非常に高い著名性を有している。日本においても、「ヒルティ」の文字は建設業に従事する職人・職工の間では、振動・ハンマードリル及び打ち込みアンカーの代名詞ともなっており、申立人の製品以外についても「ヒルティ」と呼ぶこともあるほど、非常に高い著名性を有し、その売上高は、2003年には、2,553億円、2004年には、2,796億円、2005年には、3,083億円に達する。また、甲第28号証、甲第29号証に示すとおり、申立人に関する記事又は広告は、平成11年頃より日本経済新聞をはじめとした各種媒体に継続的に掲載されている。
引用商標(申立人使用商標)は、その指定商品について現在に至るまで永年にわたり使用した結果、建設・土木・公共工事業界において確固たる信用を築き上げている。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、その構成を欧文字「HILTI」と数字「7」の1文字からなり、欧文字部分が独立して看取され得るから、申立人の著名な引用商標と称呼及び外観上類似する商標であり、引用各商標に化体した高い名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願した商標というべきであり、引用商標の出所表示機能を希釈化し、その名声を段損させる商標であるから、不正の目的をもって使用するものと推認される。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標の指定商品は、「スイテツ・松樹皮皮エキス・田七人参・ウコン・冬虫夏草・霊芝及びイチョウ藁エキスを主成分とするカプセル状の加工食品」であり、いわゆる健康食品に該当する商品であるところ、健康食品の需要者は、ある一部の業界に限られるものではなく、その需要者層は、広範囲に及び、申立人の業務に係る建設・土木・公共工事業界に関わる者も多く含まれることは、明らかであるから、本件商標を指定商品について使用した場合、引用商標が外国及び日本国内において著名であることから、申立人の業務に係る著名な引用商標と類似する本件商標が、需要者が一部において共通する本件商標の指定商品に使用された場合、本件商標と接する取引者、需要者は、本件商標があたかも申立人若しくは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかと誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(5)以上述べたとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「HILTI7」の文字と「ヒルティ7」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、これよりは、「HILTI/ヒルティ」と「7」とを結合したものと看取されるものであるから、「HILTI」(引用商標1、2、4、6、8、10及び11)、「ヒルティ」(引用商標3、5、7)または「ヒルテイ」(引用商標9)の文字よりなる引用商標とは、それぞれ綴り字を共通にする外観上類似するものであり、かつ、そこから生ずる称呼を共通にする類似の商標ということができる。
そして、申立人の提出に係る甲第25号証ないし甲第29号証を徴するに、引用商標は、「建設用レーザー、鉄筋探査機製品、ドリル・ハツリ製品、研削・切断製品、ダイヤモンド製品、建設用鋲打機製品、アンカー製品、建設用フォーム製品」等に使用されて、取引者・需要者の間において広く知られていたことが認められるものである。
しかしながら、本件商標の指定商品は、第29類「スイテツ・松樹皮エキス・田七人参・ウコン・冬虫夏草・霊芝及びイチョウ葉エキスを主成分とするカプセル状の加工食品」であり、いわゆる健康食品に該当する商品と、引用商標の使用に係る上記商品とは、産業分野が全く異なり、互いの事業者を異にし、用途、品質、需要者の範囲、流通経路等をも異にする別異の商品というべきものであるから、これらに接する取引者・需要者は、いわゆる健康食品に係る商標から「建設用レーザー、鉄筋探査機製品、ドリル・ハツリ製品、研削・切断製品」等の商標を想起することはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標の指定商品との関係についてみる限りにおいては、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
また、商標権者において、引用商標の著名性にただ乗りし、あるいは、その出所表示力を稀釈化させる等の不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠もない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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