結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301314(T2007−301314/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4766338号商標(以下「本件商標」という。)は、「NASYA」の文字を標準文字で表してなり、平成15年11月12日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、平成16年4月23日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品中『医療用機械器具』について、継続して3年以上日本国内において使用されている事実は認められない。」旨述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
被請求人は、化粧用オイルを株式会社明健社(東京都三鷹市下連雀7−6−36、以下「明健社」という。)に製造委託し、2004年8月より販売を開始している。
上記化粧用オイルの表ラベルに、「MUKTI NASYA OIL」を表示し、本件商標が使用されている(乙第1号証及び乙第2号証)。また、「MUKTI NASYA OIL」は、鼻の病気治療や健康維持に使用するものであり、その目的のために、オイルを1から2滴鼻腔内に入れる必要があり、スポイド付き容器にて販売する形態を取っている。
被請求人は、「MUKTI NASYA OIL」について、中身のオイルとスポイド付き容器と両方そろって一つの商品であり、スポイド付き容器部分が医療用機械器具に当たるものと考えている。表ラベルに「MUKTI NASYA OIL」と、オイルについてのみ書き、「NASYA用容器」と書いていないのは、オイルは名称を書かなければ何のオイルか分からないが、容器に関しては、見れば明らかにスポイド付き容器であり、オイルを1から2滴鼻腔内に入れるための医療用機械器具であると分かるからである。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないところ、被請求人は、同人の販売に係る鼻の病気治療等のための化粧用オイル(MUKTI NASYA OIL)は、使用上の必要性からスポイト付き容器(本項においては、以後、被請求人の答弁における「スポイド」の語を、一般的表記である「スポイト」と表示する。)に入っているものであり、該スポイト付き容器は、医療用機械器具の範疇に属する商品である旨主張する。そこで、被請求人の使用に係る「スポイト付き容器」が本件請求に係る指定商品に含まれる商品であるか否かについて検討する。
ア 「スポイト」は、「インクや液汁を少量吸いあげて他に移し入れるのに使う、一端にゴム製の袋が付いたガラスなどの管」(広辞苑第6版)であるところ、乙第2号証の下段の写真によれば、被請求人が本件商標を使用していると主張する「スポイト付き容器」は、容器の蓋部分の上部にゴム製の袋が付き、同下部にガラス若しくはプラスチックの管が付いており、スポイトがついた容器であることが認められる。
ところで、医療用に使用されるスポイトは、商標法施行令別表(平成3年政令第299号による改正)の商品区分第10類の「二 氷まくら 三角きん 支持包帯 手術用キャットガット 吸い飲み スポイト 乳首 氷のう 氷のうつり ほ乳用具 魔法ほ乳器 綿棒 指サック」に例示されている商品であって、これら商品は、一般の消費者が薬局やスーパーマーケットなどでたやすく購入し得る家庭用のものであり、かつ、その使用法も比較的安易な、いわゆる医療補助品と称されるものである。これに対し、本件請求に係る指定商品である「第10類 医療用機械器具」は、医院又は病院で専ら使用される機械器具をいうものであって(「商品及び役務区分解説」(1996年12月25日 改訂第3版)参照。)、医師等の指導のもとに使用される場合が多い商品といえる。
そうすると、上記医療補助品の範疇に属する商品と医療用機械器具とは、商品の用途、取扱い方法、需要者、流通系統等を異にする非類似の商品と認められ、したがって、「スポイト」は、本件請求に係る指定商品の範疇に属する商品とは認められない。
してみれば、被請求人は、本件請求に係る指定商品「第10類 医療用機械器具」の範疇に属しない商品について、登録商標の使用の事実を証明しているものと認められる。
イ 上記アのとおり、被請求人が本件商標を使用していると主張する「スポイト」は、本件請求に係る指定商品中には含まれないものであるが、念のため、乙各号証について検討する。
(ア)乙第1号証は、「2007/10/1時点の商品ラインナップです。」との記載のある「Mukti/アーユルヴェーダ商品一覧」であるところ、該商品一覧には、「鼻のケア用のオイルです。」等の記載のもと、「ナシヤオイル/スポイド付きビン入り」の文字及び商品写真が掲載されている。
また、乙第2号証の上段の写真は、「MUKTI NASYA OIL/ムクティ ナシア オイル」の表示のあるラベルが付されたスポイト付き容器入り「ナシヤオイル」であり、同号証の下段の写真は、スポイト付き容器の蓋カバー及び蓋をはずした状態の拡大写真であり、蓋には、前記アのとおり、スポイトがついている。
(イ)乙第4号証は、「製造指図書」であるところ、該指図書は、「充填」と「包装」の項目に分かれ、前者には、充填年月日(2004/8/20から2004/9/6までの5日間)毎に、「容量/30ml」、「個数/100本」又は「個数/104本」と記載され、また、後者には、ラベル表示年月日(2004/9/13及び2004/9/14)毎に、「容量/30ml」の商品にラベル表示がされた本数が記載されている。
また、乙第5号証及び乙第6号証は、明健社から被請求人に宛てた2004年12月12日付け納品書(但し、納品書の下段には、「納品書の日付けは12/12ですが請求書の日付けは9/30です。『製造指図書・製造記録』の日付のラベル表示完成日付は9/14となっていますので、納品書の日付は誤りと思います。(中略)2007年12月20日(株)明健社」などと手書きで書されている。)と2004年9月30日付け請求明細書であるところ、前者の「品名」欄には、「ムクティナシアオイル」(数量/10ml×504本)、「ゴマ油」(余剰分)、「ナシアオイル」(余剰分)、「ラベル」(余剰分)と記載され、後者の「品名」欄には、「化粧品製造名義料 他」の下に、【内訳】として、「秤量・充填作業料」、「ゴマ油」、「ラミジップ」、「ラベル」と記載されている。
(ウ)上記(ア)及び(イ)によれば、本件使用に係る「スポイト付き容器」は、被請求人が販売する化粧用オイルを包装するための容器であり、商品「化粧用オイル」を販売するに際し付随的に提供されるものと認められる。このことは、明健社からの納品書及び請求明細書にも、引渡しの対象となっている商品は、「ムクティナシヤオイル」そのものであり、スポイト付き容器が引渡しの対象となっていないことからも首肯し得るところである。他に、化粧用オイルを収納するスポイト付き容器が単独で商取引の対象となっていると客観的に認めることができる証拠の提出はない。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証における「ナシヤオイル」、「MUKTI NASYA OIL/ムクティ ナシア オイル」の表示は、商品「化粧用オイル」について使用される商標というべきであり、スポイト付き容器について使用される商標とみることはできない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「医療用機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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