sokuhyo

Trademark Appeal Case

「一番搾り」の要部抽出と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2007−890140(T2007−890140/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5016649号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年8月4日に登録出願、第29類「中国江蘇省鎮江市産の、甕仕込みで静置発酵させた、黒酢を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・ソフトカプセル状その他のカプセル状・スティック状・液状・クリーム状・ペースト状・錠剤状の加工食品」を指定商品として、平成19年1月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由として引用する登録第4690741号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年9月13日に登録出願、第32類「生ビール,黒生ビール」を指定商品とし、商標法第3条第2項に規定する要件を具備する商標として、平成15年7月11日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第33号証(枝番を含む。なお、枝番のあるものについて、その全てを引用する場合は、枝番の記載を省略する。)を提出した。

(1)本件商標及び指定商品について

本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成中、右側の図形部分は、指定商品の主原料である黒酢を表していると見られるものであり、同じく構成中の「中国伝統手作り」及び「甕仕込み静置発酵」の各文字は商品の製造方法を、「栄養補助食品」の文字は商品の品質、機能、用途を、「鎮江の黒香醋」の文字は指定商品の主原料である黒酢の生産場所、品質を、それぞれ表示するにすぎないもので、いずれも自他商品識別標識としての機能を有しないというべきである。

そうすると、本件商標において、自他商品識別標識としての機能を有するのは、右下の正方形を4つの方形に区切り、各方形内に表した「一番搾り」の文字部分にあるといい得るところであり、かつ、該部分が他の部分の配色と異なり、本件商標において一際目立つ構成となっているところから、これに接する取引者、需要者は、該文字部分を捉えて、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資するというのが相当である。

したがって、本件商標は、「一番搾り」の文字より「イチバンシボリ」の称呼及び「一番搾り」の観念が生じるものである。

そして、本件商標の指定商品は、いわゆる健康食品の範疇に属する商品といえるものである。

(2)引用商標について

ア 商標採択の理由及び使用状況

ビールは、粉砕した麦芽や副原料を湯にといて糖化させ、糖化したもろみを麦汁濾過機で濾過して麦汁を作り、この麦汁に酵母を加え、発酵・熟成させて作る。糖化したもろみを麦汁濾過機で濾過する過程において、麦汁濾過機から最初に自然に流れ出る麦汁を請求人の製造現場では「一番搾り」と称し、その後に搾る麦汁を「二番搾り」と称している。通常ビールは、「一番搾り」と「二番搾り」の麦汁から作られるが、「一番搾り」は、タンニン成分が少なく、上品でさっぱりした味わいを与え、「二番搾り」は、こく味や刺激感とそこからくる飲みごたえを与える。

請求人は、「一番搾り」がタンニン成分が少ないという特徴を有することに着目し、一番搾りの麦汁のみで、「上品なコク」、「ストレートなのどごし」、「さっぱりした後口」という新しい味覚バランスを実現するために、世界で初めての商品開発を行い、これに「一番搾り」とネーミングし、「キリン一番搾り(生)ビール」として平成2年に発売した(甲第3号証)。請求人は、このネーミングを採択するに当たって、ビール・酒造業界において、他社が「一番搾り」の文字を商標として又は品質表示として使用していないことを確認の上、採択を決定したもので、現在に至るもビール業界において他社が使用している事実はない(甲第4号証、甲第5号証)。その後、「一番搾り」が爆発的にヒットし、その売行きが極めて好調なことから、一番搾りの麦汁を用いた黒生ビールの開発にも着手し、平成10年に「キリン 一番搾り黒生ビール」を発売した(甲第6号証)。

イ 商品の発売後の販売状況

平成2年に発売した「一番搾り」は、商品の品質が一般消費者にマッチし、かつ、その名前が清新な印象を強く与えたことから、爆発的な売行きを示し、請求人の主力商品の一つとなった。そして、「一番搾り」は、各種マスコミにより、平成2年の最優秀ヒット商品、ヒット商品ベストテン、ベストネーミング一位等にランクされ、キリンビールの「一番搾り」として大きく取り上げられたことから、その名前は全国的に周知、著名となった(甲第7号証)。

また、「一番搾り」が好調な売行きを示していたことから、これと同様の商品コンセプトのもとに、平成10年に発売した「一番搾り 黒生ビール」も順調に売上げが伸びている。そして、「一番搾り」の売上げは、発売初年の平成2年には、3,560万ケース(1ケース=大瓶20本入り)、1,683億3千1百万円に達し、その後も売上げが順調に伸び、平成6年は、8,370万ケース、4,114億8千6百万円に達している。その後、各社間の競争が激化し、かつ発泡酒の市場参入もあり、その売上げは減少しているものの、平成10年の「一番搾り黒生ビール」の新規売出しもあり、平成13年は、5,465万ケース、2,800億1千4百万円の売上げがあり、平成2年の発売以来の合計は、7億8,914万ケース、3兆8,974億9千万円に達し、発売開始から平成13年までの間の年平均では、6,576万ケース、3,247億9千1百万円に達している(甲第8号証)。

ウ 商品の宣伝、広告の状況

請求人は、「一番搾り」の発売に際し、その商品のコンセプト、プロフィール等を詳細に記載したパンフレット(甲第9号証)を大量に作成し、全国の酒問屋、酒販店、飲食店に送付すると共に、これらの店を通じて最終消費者にも手交した。その後、商品案内、カタログ、パンフレットにも掲載し、積極的に普及を図っている(甲第10号証、甲第11号証)。

また、「一番搾り」は、発売以来、著名な芸能人を起用し、テレビ、新聞、雑誌、車内中吊り、屋外ボード、店頭ポスター等のあらゆるメディアによる広告を展開し、かつ「一番搾り 黒生ビール」の発売後はこれも加えて広告を展開してきたものであり、その費用は、発売初年の平成2年で56億5千3百万円に達し、その後、毎年75億円から120億円もの巨費を投じて広告しており、発売開始の平成2年から平成13年までの年平均では77億7千3百万円に達している(甲第12号証ないし甲第17号証)。

エ 商品の取引状況及び一般の認識状況

請求人は、商品上に「一番搾り」の文字を大きく表示し、広告し、かつ取引書類、ビール券等にも「一番搾り」の文字を強調あるいは独立させて用いたことから、「一番搾り」が出願人の商品を表示するための商標として認識され、酒販店、コンビニ等の領収書においても、「一番搾り」の文字が独立して表示されるようになった(甲第18号証ないし甲第20号証)。

そして、請求人の「一番搾り」が発売初年のヒット商品となり、「一番搾り」のネーミングがベストネーミングに選ばれ、「一番搾り」として大きく報道されたこと、請求人が「一番搾り」を強調した広告を大々的に展開したこと、他に「一番搾り」を使用しているビールメーカーがないこと、酒販店、コンビニ等の販売店における需要者との間の取引で「一番搾り」の表示をもって識別標識として取扱い、新聞、雑誌等の記事、報道や、飲食店のホームページ等においても「一番搾り」の表示をもって識別標識として取り扱っていることから、一般需要者も「一番搾り」が請求人の商品を表示する標識と理解、認識しているのが実情である(甲第21号証ないし甲第24号証)。

オ 商標「一番搾り」の自他商品識別機能について

請求人は、生ビール、黒生ビールに使用する「一番搾り」が取引者、需要者間に周知著名となり、請求人の商標として、自他商品識別標識としての機能を充分に果たすに至ったことから、平成14年9月13日に「一番搾り」の文字よりなる引用商標を第32類「生ビール,黒生ビール」を指定商品として出願し、商標法第3条第2項の適用により登録された。

そして、請求人は、引用商標の登録後も、引用商標をカタログ等に大きく掲載し、取引者、需要者に盛大に頒布し(甲第25号証、甲第26号証)、ブランド価値向上の取組の中に「一番搾り」も取り上げ、積極的に普及の努力をしている(甲第27号証)。

また、広告も、発売当初と同様に、著名な芸能人を起用して、テレビ、新聞、雑誌、車内中吊り、屋外ボード、店頭ポスター等のメディアによる広告展開をしているところであり、その費用は、2002年:24億1,100万円、2003年:19億8,400万円、2004年:30億8,800万円、2005年:16億8,600万円、2006年:24億6,400万円、2007年1月:4億6,800万円もの巨額を投じている(甲第28号証)。その結果、「一番搾り」の販売数量及び販売額は、2002年:大瓶換算(以下同じ。)50,158千ケース、2,589億7,500万円、2003年:44,234千ケース、2,283億8,700万円、2004年:44,550千ケース、2,279億2,700万円、2005年:41,548千ケース、2,115億2,100万円、2006年:40,141千ケース、2,038億7,100万円もの巨大な数量、金額となっている(甲第29号証)。

(3)食品業界における健康食品の取扱い状況について

近年、健康志向の高まりとともに、様々な健康食品が数多く市場に流通しているところ、日本の有名飲食料品メーカーがおしなべて、一般の飲食料品とともに健康食品を製造し、販売しているところであり(甲第30号証)、このとことは、取引者、需要者間に広く知られているところである。

請求人は、研究、開発した健康に有用な原材料、物質を用いた様々な健康食品に係る事業にも積極的に取り組むことを「キリングループ長期経営構想 キリン・グループ・ビジョン2015」において明確に打ち出し、その事業の遂行状況を「有価証券報告書」で報告しているところである(甲第31号証、甲第32号証)。そして、開発した健康食品をグループ会社通じて、カタログを大量に頒布し、かつ、ホームページに掲載するなどして、その普及に努めた結果、請求人が健康食品をもその事業として行っていることは、取引者、需要者間に広く知られ、認識されるようになっている(甲第33号証)。

(4)出所の混同のおそれについて

前述のとおり、本件商標は、その構成中の「一番搾り」の文字部分が自他商品識別標識としての機能を果たす部分であり、該「一番搾り」の文字部分は、取引者、需要者間に著名となっている引用商標と同じ綴り字であるから、「イチバンシボリ」の称呼、「一番搾り」の観念を同じくするものである。そして、本件商標の指定商品は、健康食品というべきところ、健康食品は、前述のとおり、請求人を含めた日本の食品、飲料製造メーカーが通常の食料品又は飲料と共に市場に供給していることは広く知られ、認識されているところである。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、著名な「一番搾り」を使用している請求人の業務に係る商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同を生じるおそれがあるといわざるを得ない。

(5)むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項第1号によりその登録は無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第19号証(枝番を含む。なお、枝番のあるものについて、その全てを引用する場合は、枝番の記載を省略する。)を提出した。

(1)本件商標について

ア 本件商標は、パッケージ商標であり、商品の包装のトータルイメージ(全体のデザイン又は外観全体)で商品の出所表示機能を発揮する構成になっていることは明白である。

そして、請求人主張のとおり、本件商標は、その構成中の図形部分は、指定商品の主原料である黒酢の製造工程(場所)又は製造状態を表示するものであり、甕の中にある黒酢を表しているにすぎない。また、本件商標中の「中国伝統手作り」及び「甕仕込み静置発酵」の各文字部分は商品の製造方法を、同じく「栄養補助食品」の文字部分は商品の品質、機能、用途を、同じく「鎮江の黒香醋」の文字部分は指定商品の主原料である黒酢の生産場所、品質を、それぞれ表示するにすぎない。

イ 請求人は、本件商標中、自他商品識別標識としての機能を有するのは、「一番搾り」の文字部分である旨主張する。

しかし、該「一番搾り」の文字部分が書されている正方形を4つの方形に区切った部分は、ありふれた市松模様の図形にすぎない。また、本件商標の構成中から、敢えて、「一番搾り」の文字部分を抽出しても、この部分は、本件商標中の「鎮江の黒香醋」の文字部分及び本件商標の指定商品の関係で、「酢」又は「健康食品」について、不特定多数の者が商品の品質表示として、また、社会通念上の商標として使用している事実がある(乙第2号証、乙第3号証)。

乙第2号証は、検索式=「一番搾り」and「酢」not「キリン」として、インターネット検索(検索エンジン:Google)を行った結果である(28,200件中、1から100件目)。また、乙第3号証は、検索式=「一番搾り」and「健康食品」not「キリン」として、インターネット検索(検索エンジン:Google)を行った結果である(43,000件中、1から100件目)。

乙第2号証及び乙第3号証に示すように、「酢」又は「健康食品」について、不特定多数の者が商品の品質表示として、また、社会通念上の商標として使用している事実に基づけば、本件商標中の「一番搾り」の文字部分は、「鎮江の黒香醋」の文字部分及び本件商標の指定商品の関係で、取引者、需要者に、単に「中国江蘇省鎮江市産の黒酢の一番搾りを主原料とする粉末状・顆粒状・ソフトカプセル状その他のカプセル状・スティック状・液状・クリーム状・ペースト状・錠剤状の加工食品」であることを認識させ、商品の品質を認識させるにすぎないものである。

したがって、請求人の上記主張は失当である。

(2)引用商標が創造標章ではない点について

請求人は、引用商標の採択理由について、「糖化したもろみを麦汁濾過機で濾過する過程において、麦汁濾過機から最初に流れ出る麦汁のことを請求人の製造現場では、『一番搾り』と称し、その後に搾る麦汁を『二番搾り』と称している。」と主張し、「ビール」について、「一番搾り」があたかも創造標章であるかのような主張をするが、この主張は、以下の理由により失当である。

(ア)引用商標は、第32類「生ビール,黒生ビール」を指定商品として出願したところ、商標法第3条第1項第3号に該当するとの拒絶理由が通知され、これに対し、請求人は、「本願商標は商標法第3条第2項に該当するものとして登録査定を賜りたい。」旨の意見書を提出し、同法第3条第2項の適用を受けて、商標登録されたものである(乙第5号証ないし乙第7号証、甲第2号証の2)。

上記引用商標の出願後の経過からすると、引用商標は、「ビール」については、品質表示にすぎず、同法第3条第2項の適用を受けて商標登録されたのであり、請求人自ら「一番搾り」は、「ビール」について品質表示であることを認めている。

(イ)「一番搾り」を含む商標は、請求人以外の者が商標登録を受けている事実がある。乙第8号証によれば、「一番しぼり」の語は、「食用油」については、請求人よりも先に、味の素が「一番しぼりごま油」を、吉原製油が「ゴールデン一番しぼりサラダ油」を、それぞれ使用しており、また、「もろみを材料とした『菊水一番しぼり』など、いずれも好調。」という記載があり、「一番しぼり」の語は、不特定多数の者が現実に使用し又は使用を欲する語である。

(ウ)第33類「日本酒」や他の商品について以下の登録商標がある。

(a)商標「瀧鯉 新酒/一番搾り」(登録第3274022号、乙第9号証)

(b)第30類「角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,黒砂糖,赤糖,再製糖,椰子糖,和三盆糖,甘庶糖汁,甜菜糖汁,メープルシロップ,椰子糖汁,その他の調味料(氷砂糖,水あめを除く。)」について、商標「三井製糖/一番搾り」(登録第3351211号、乙第10号証)

(c)第33類「日本酒」について、商標「ふな口東光/一番搾り」(登録第4026262号、乙第11号証)

(d)第30類「ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ」について、商標「ヤマモリ/一番搾り」(登録第4495036号、乙第12号証)

(e)第33類「日本酒」について、商標「黒松/白鹿/新米新酒/一番搾り」(登録第4524482号、乙第13号証)

(f)第32類「シークワーサーの搾り汁を混入した清涼飲料・果実飲料・飲料用野菜ジュース」について、商標「北琉興産/シークワーサー/一番搾り」(登録第4770191号、乙第14号証)

(g)第29類「ひまわり油」について、商標「PERREC/健康ヒマワリ油/一番搾り」(登録第4866532号、乙第15号証)

これらの登録商標を見る限り、「一番搾り」は、日本酒、食酢、砂糖、果実飲料・飲料用野菜ジュース、ひまわり油その他の食用油などについて、「最初に搾られたもの」の意味合いの品質を表示する語であって、創造標章ではない。

(エ)「醸造・発酵食品の事典」(株式会社朝倉書店、2000年1月15日初版第1刷発行:乙第16号証)の「2.ビール・発泡酒」の項目の「2.3.3麦汁濾過(Ablautern)」欄(250頁)に「もろみから最初に搾られる麦汁を一番搾り麦汁(Worderwurze),もろみを湯で洗い流す過程で得られる麦汁を2番搾り麦汁(Nachgusse)と呼ぶ.」の記載があり、当該「2.ビール・発泡酒」の項目の執筆者が「大河内基夫」(キリンビール会社)であることからすると(乙第16号証の4)、「一番搾り」は、「生ビール,黒生ビール」との関係では創造商標ではなく、品質表示にすぎないことは明らかである。

(3)引用商標の周知性について

請求人は、「一番搾り」が周知著名である旨主張する。

しかしながら、甲第25号証、甲第26号証、甲第28号証、甲第33号証は、いずれも請求人のビールについて著名な「KIRIN」、「キリン」、「麒麟」、「麒麟の図形」等と「一番搾り」とが結合されたものが周知著名であることを証明しているにすぎない。

この点に関し、特許庁電子図書館の日本国周知・著名商標ファイルには、引用商標は掲載されておらず、この点からも、「一番搾リ」は周知著名とはいえない(乙第17号証)。

また、引用商標が、商標法第3条第2項の適用を受けて登録されたものである点に基づけば、引用商標が自他商品識別力を発揮するのは、第32類「生ビール,黒生ビール」の分野に限られると考えるのが普通である。

さらに、引用商標が創造商標ではなく、品質表示であるにすぎない点に基づけば、引用商標を単独で使用した場合に、「ビール」という商品の類似範囲を超えて、「ビール」という商品とは非類似関係にあり、かつ、不特定多数の者が「一番搾り」を使用している健康食品(乙第3号証)について、取引者、需要者をして、本件商標が付された商品が、請求人と経済的、組織的に何らかの関係がある商品と混同又は混同させるおそれがあるという請求人の主張は杞憂にすぎない。

(4)事業者の多角経営、商品間の関連性及び取引の実情について

請求人は、「日本の食品、飲料製造メーカが通常の食料品又は飲料と共に健康食品も市場に供給していることは、取引者、需要者間に広く知られているところである。」と主張するが、その主張は以下の理由により失当である。

(ア)健康食品は、健康の維持を希望する者が求めるものであるのに対し、ビールは、味、爽快感などを求める者の嗜好品である点、ビール等のアルコール飲料は、健康食品である保健機能食品の表示をすることは望ましくないとされている点などを鑑みるに、健康食品とビールとは、混同し難いものであるといえる(乙第18号証の「問8 保健機能食品の表示が望ましくない食品はあるか。」の項参照。)。

(イ)ビールは、「メーカー」→「特約店」→「業務用酒販店、一般小売店、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、ゼネラルマーチャンダイズストア(スーパーマーケット)等」→「消費者」という流通経路により消費者に届けられ、製造及び販売には、酒税法による免許(酒類の製造免許、酒類の販売免許)が必要とされており(乙第16号証の3「2.6 流通」を参照)、かつ、酒類の陳列場所等における表示が定められている(乙第19号証)。これに対し、健康食品は、テレビショッピング、カタログを利用した通信販売、又は、「卸売り会社」→「小売店」という流通経路を経て、化粧品・大衆薬・健康食品販売コーナー等で販売されるのが主流となっている。

したがって、流通経路の上では、ビール等のアルコール飲料と健康食品とが混在した状態で、需要者に販売されることは想定し難い。

また、上記流通過程においては、ビールは、「キリンビール」、「麒麟麦酒」、「麒麟麦酒のロゴマーク」といったハウスマークが強い自他商品識別力を発揮し、また、健康食品についても、「やわた」、「八幡物産」といったハウスマークが強い自他商品識別力を発揮している、という現実の取引状況がある。

これらの点に基づけば、日本の食品、飲料製造メーカーが通常の食料品又は飲料と共に健康食品も市場に供給している、という事業の多角経営により、商品「ビール」と非類似関係にある、商品「健康食品」との間において、混同のおそれが生じるのは、酢や健康食品の分野において、「一番搾り」ではなく、「キリンビール」、「麒麟麦酒」、「麒麟麦酒のロゴマーク」といったハウスマークを、不特定多数の者が商品の品質表示として、また、社会通念上の商標として使用した場合であると考えるのが普通である。

(ウ)本件商標中の「一番搾り」の文字部分は、引用商標とは、その構成上、外観が著しく異なっている点、健康食品の分野においては、不特定多数の者が「一番搾り」を使用しているという実情(乙第3号証)に基づけば、本件商標と引用商標とが、いわゆる広義の出所混同を生じるおそれはないと考える。

(5)むすび

以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

5 当審の判断

(1)「一番搾り」の語について

(ア)乙第16号証(「醸造・発酵食品の事典」株式会社朝倉書店、2000年1月15日初版第1刷発行)の「2.ビール・発泡酒」の「麦汁濾過」の項目には、「糖化の終了したもろみは,糖化槽から麦汁濾過機あるいは麦汁濾過槽に送られて,穀皮などの固形物が取り除かれる.もろみから最初に搾られる麦汁を1番搾り麦汁,もろみを湯で洗い流す過程で得られる麦汁を2番搾り麦汁と呼ぶ.糖化工程でもろみ濃度を大きくするとエキスの回収に多量の2番搾りが必要となるが,2番搾りには窒素化合物,ポリフェノール類やケイ酸イオンなどが多く含まれる.」との記載がある。

(イ)乙第8号証(現代用語の基礎知識1991)の「一番しぼり」の項目には、「このところアサヒ独走の気味のあったビール業界でキリンビールの『一番しぼり』が好調である。一番はじめに搾ったものを素材に使ったから“一番しぼり”・・『一番しぼり』はしかしキリンより先に味の素が『一番しぼりごま油』で名乗りをあげた。・・一番しぼりは調理用油にも広がって、吉原製油の『ゴールデン一番しぼりサラダ油』、とか創健社の『べに花一番ゴールドE』(サフラワー油)、日本オリーブの『バージンオイル』、もろみを材料とした『菊水一番しぼり』など、いずれも好調。」との記載がある。

また、甲第7号証の12(平成2年7月7日付け東京新聞)には、「味の素がゴマ油の『一番しぼり』を発売、吉原製油も『一番しぼりサラダ油』を売り出し、とにかく一番搾りブームだ。」との記載があり、甲第7号証の14(週刊朝日、1990年5月30日号発行)には、「実は、ごま油にも『一番搾り』がある。こちらも二月下旬に出た新製品。発売元の味の素では、『ごまは三段階に搾りますが、その一番だけ集めました。』」との記載がある。

(ウ)上記(ア)及び(イ)によれば、ビールの製造過程において、もろみから最初に搾られる麦汁を1番搾り麦汁といい、もろみを湯で洗い流す過程で得られる麦汁を2番搾り麦汁といっている事実が存在する。また、食用油脂の分野において、油脂の原材料となるごま、なたね、紅花などから最初に搾った油は、2番目以降に搾った油より品質的に優れているために、商品の品質表示語として、「一番に搾った」、「一番搾り」などの用語が使用されていた事実が存在していた。加えて、「一番搾り」の文字を使用した請求人の取扱いに係るビールに関する広告等において、「麦汁ろ過機から最初に流れ出た麦汁でつくったビール。・・“一番搾り”とは、糖化したもろみをろ過する段階で、麦汁ろ過機から最初に自然に流れ出る麦汁のことをさしており、『キリン一番搾り〈生〉ビール』はこの“一番搾り”を発酵させてつくったビールです。」(甲第3号証)、「発酵・貯蔵タンクから一番初めに流れ出る麦汁だけを使用した生ビール」(甲第7号証の8)、「”一番搾り”と名付けたのも、麦芽を湯にとき、モロミを搾り機にかけてろ過し、最初に流れ出した麦汁をさしています。」(甲第7号証の9)、「麦汁一番搾りの生ビール『一番搾り』」(甲第7号証の10)、「『一番搾り』とは、もろみ搾り機(麦汁ろ過機)最初に流れ出た麦汁のこと。・・『一番搾り』でつくった贅沢な生ビール。それがキリン一番搾り〈生〉ビールです。」(甲第9号証)、「『一番搾り』だけでつくった贅沢な生ビール。」(甲第10号証の1)、「一番搾りがうまいのは、一番搾りだからです。」(甲第16号証の7、8)などのように、「一番搾り」の語が「もろみから最初に搾られる麦汁」を指し、この麦汁を使用したビールは、他のビールに比べ品質の優れたビールであることを表すためのものとして使用している事実が認められる。

(エ)そして、「一番搾り」の語は、成語として国語辞典に掲載されている事実は見出せないが、例えば、「一番煎じ」の語は「茶または薬の第一番に煎じ出したもの」、「一番茶」の語は「春、最初に摘みとった茶」、「一番出し」の語は「出し汁用の材料から最初にうまみを引き出した汁。」(いずれも「株式会社小学館発行国語大辞典(新装版)」)を意味するものとして、いずれも一般によく知られている語であり、これらの「一番」は、「同種のものの中で最も優れたもの」を意味するものとして理解されているといえる。そうすると、「一番搾り」の語に接する取引者及び需要者は、上記(ウ)の実情も併せ考慮すると、該語から、「最初に搾られた麦汁からできたビール」の意味を表したものと理解するか、少なくとも他のビールに比べ旨みがあり、品質の優れた商品であると認識するものとみるが相当である。

したがって、「一番搾り」の語は、ビール、食用油脂等をはじめ、製造工程において原材料を搾って加工する食品の分野においては、その取引者及び需要者に、商品の品質を表示するものとして認識されるにすぎないというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

(2)本件商標について

本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成中、縦書きされた「中国伝統手作り」の文字がある白線で区切られた左側には、黒塗り長方形状の図形内に、「栄養補助食品」の文字を上段に小さく横書きし、その下に、「鎮江の黒香醋」(「鎮江」及び「黒香醋」には、それぞれ「ちんこう」、「くろこうず」の振り仮名が付されている。)の文字を大きく縦書きし、該文字の右下に「甕仕込み静置発酵」(「甕」には、「かめ」の振り仮名が付されている。)の文字を小さく縦書きしてなるものであり、同じく、白線で区切られた右側には、黄土色で塗られた長方形状の図形内に、甕に入った黒酢の大きな図形及びその右上部にすくった黒酢の小さな図形を描き、該図形の下方に、緑色と白色からなる市松模様内に、「一番搾り」の文字を表してなるものである。また、本件商標の指定商品は、前記のとおり、「中国江蘇省鎮江市産の、甕仕込みで静置発酵させた、黒酢を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・ソフトカプセル状その他のカプセル状・スティック状・液状・クリーム状・ペースト状・錠剤状の加工食品」であって、本件商標中の「栄養補助食品」の文字からすると、いわゆる健康食品といわれているもののうち、「保健機能食品」を除いた食品であると認められる。

そして、本件商標中の「中国伝統手作り」、「栄養補助食品」、「鎮江の黒香醋」、「甕仕込み静置発酵」の各文字部分は、それぞれ指定商品の品質・原材料・製造方法等を表示するものであり、また、図形部分は、指定商品の原材料を表すものであるから、いずれも自他商品の識別機能を有しないものであり、さらに、市松模様内に表された「一番搾り」の文字部分も、前記(1)で認定した食品分野の取引の実情よりすれば、「甕で仕込んで静置発酵させた原材料である黒香醋の一番最初の搾り汁」なる意味合いを表したと認識され、自他商品の識別機能を有しない部分であるといえる。

そうすると、本件商標は、その構成に係る各文字及び図形を個別に観察した場合は、いずれの部分も自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならないものであるが、構成全体の一種独特の特異性をもって、自他商品の識別標識として看者に印象づけられるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、その構成中の「一番搾り」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するものとみることはできない。

(3)引用商標について

引用商標は、別掲(2)のとおり、「一番搾り」の文字を横書きしてなるものである。そして、前記(1)認定によれば、引用商標は、その指定商品である「生ビール,黒生ビール」について使用しても、本来的には自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない商標というべきである。

しかしながら、甲第3号証ないし甲第29号証によれば、請求人は、平成2年3月22日に引用商標を使用した「生ビール」を、平成10年10月30日に引用商標を使用した「黒生ビール」を発売し、上記平成2年3月22日の発売以来、これらの商品について、盛大に宣伝、広告をし、また、「一番搾り」のネーミング等についてマスコミに取り上げられた結果、引用商標は、本件商標の登録出願前より、請求人の業務に係る商品「生ビール,黒生ビール」を表示するためのものとして、需要者の間に広く認識されるに至ったものであることが認められる。

このことは、引用商標が、指定商品である「生ビール,黒生ビール」について使用をされた結果、その査定時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標として、商標法第3条第2項の適用を受けて登録されたものであることからも首肯し得るところである(乙第4号証ないし乙第7号証)。

なお、請求人は、引用商標が登録された後も、盛大に宣伝、広告し、引用商標を使用した「生ビール,黒生ビール」は、巨額の売上を上げ、その著名性が高い旨主張するが、引用商標の査定時はもとより、本件商標の出願時及びその査定時を通して、「一番搾り」の語が、ビール、食用油脂等をはじめ、製造工程において原材料を搾って加工する食品等の分野においては、商品の品質を表示するものとして普通に使用されていることは、例えば、乙第2号証、乙第3号証(インターネット検索)に以下のような記述があることからも明らかである。

(a)「一番搾り 菜種油 無添加サラダ油 1650g缶 石橋-Yahoo!ショッピング/本品は選り抜かれたなたねの種子から圧搾法(一番搾り)で絞り採られた油を独特の製法により仕上げた無添加サラダ油です。」

(b)「新鮮生葉一番搾り アロエ液 720ml/本場伊豆で無農薬有機栽培された良質の生葉の一番絞り汁のみで、一切添加物は加えていません。」

(c)「無添加調味料(油・マヨネーズ・ケチャップ・味噌・醤油・塩・酢)/品質改良によりオレイン酸の含有量を高めた有機栽培のべに花種子を圧搾一番搾りした、とっても自然な有機JAS認定べに花油です。」

(d)「創健社 べに花一番オレインE500g【ケンコーコム】/オレイン酸の含有量が高いハイオレイックの紅花種子を圧搾法で搾り、一番搾りのみを充填した高級植物油」

(e)「ウェルカムモア[古式圧搾一番搾り油詰合せ]-[完売]調味料/大量生産で行っている溶剤による抽出法でなく、昔ながらの圧搾機による自然な方法による一番搾り油を使った3種の油の詰合せ」

(f)「玉絞め一番絞りごま油 生搾りごま油 菜種油・・/一番搾りの油の香りを生かすために、とにかく低温で作業を進めることが大切です。」

(g)「一番搾りのイイトコだけをつめこんだオリーブオイル/栄養と旨みのたっぷり凝縮された一番搾りのみを使用した、オリーブオイルなのです。」

(h)「[STMX]絹黒糖/渕脇殖産の『絹黒糖』は純粋に黒砂糖にこだわり、サトウキビの一番絞り汁から手作りで作られています。」

(i)「すこやかホホバオイル(一番搾りホホバオイルスキンケアオイル)/強い日差しや乾燥から肌や髪をいたわるスキンケア・ヘアケアオイル 有機栽培されたホホバ種子の一番搾りオイルだけを使用」

(j)「伝統調味料/国産の平飼い有精卵と圧搾法の一番絞りのべに花油、菜種油を使い、選ばれた調味料と醸造酢などの自然の素材で造られています。圧縮法の一番搾りのべに花油を使用しました。天然素材を使い、塩分も控えめにして、さっぱり味に仕上がっています。」

(k)「酢を造るといふ仕事/チョロチョロと少しずつお酢がでてきます。油でいうところの『一番絞り』、日本酒でいうところの『荒走り』でしょうか。」

(l)「お買いもの−商品カタログ調味料−【塩の道クラブ】/原料の米作りから生産者と一体になって造られた米酢です。・・昔ながらの玉締め圧搾法、和紙漉し法の一番絞り。」

(m)「調味料の違い|なのはな生活協同組合/これによってまろやかな旨みとコクのある純米酢になります。・・これは遺伝子組み換えの心配がないオーストラリア産カノーラ種を使用し、一番絞りした油です。」

(n)「黒糖(黒砂糖)の通販ショップ/『一番絞り』の糖汁のみ使用して作りあげました。」

(o)「健康食品・自然食品・水・キッチン・サニタリー・生活・活力−船井幸雄 /100%ナチュラルなエクストラバージン オリーブオイル!』ギリシャの輝く太陽をいっぱいに浴びた極上オリーブの一番搾り。」

(p)「炭:健康食品:製品【健康美容EXPO】/国産良質な小麦に食べる竹炭・食用炭パウダーを練りこんで、一番搾りなたね油でカラリと揚げました。」

(q)「製品リスト メーカー 工場 輸出 輸入:健康食品/・・ティーオイル(茶油)は栽培8年目の茶樹の実から、一番搾りの製油で作られた透き通った美しいオイルで、中国では高級食用油」

(r)「エクストラバージンオリーブオイル|オンラインギフト|化粧品・健康・・/これらの条件を満たした一番搾りだけが『エクストラバージンオリーブオイル』と名乗ることができます。」

(s)「サセミンの効果:サントリーサセミンE/厳選された黒ごま種子のみを原料に強めに焙煎し、化学的処理を一切しない圧搾法で搾油した一番搾りの純正黒胡麻油の健康食品。」

(4)出所の混同について

前記認定のとおり、引用商標は、ビール、食用油脂等をはじめ、製造工程において原材料を搾って加工する食品の分野においては、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない商標というべきものであるところ、「生ビール,黒生ビール」について使用をされた結果、該商品について自他商品の識別標識としての機能を果たし得るに至った商標である。そうすると、引用商標の有する著名性の範囲も自ずと限定されるというべきであって、「生ビール,黒生ビール」などの「ビール」の範囲を超えて、黒酢を主原料とする健康食品の分野にまで及ぶものとみることはできない。

この点に関し、請求人は、健康食品は、請求人を含めた日本の食品、飲料製造メーカーが通常の食料品又は飲料と共に市場に供給していることは広く知られ、認識されているところであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、著名な「一番搾り」を使用している請求人の業務に係る商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同を生じるおそれがある旨主張する。

しかし、健康食品を取り扱う分野において、請求人が主張するとおりの実情にあるとしても、前記認定のとおり、本件商標中の「一番搾り」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するものではなく、また、引用商標の著名性は、せいぜい「ビール」の範囲に限定されるものとみるべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が請求人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれが生ずるものと認めることはできない。

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものではないから、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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