Trademark Appeal Case
普通名称と品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−20296(T2006−20296/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「DIGITIZERPRO」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類に属する「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成17年11月2日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『DIGITIZERPRO』と表してなるところ、本願商標構成中『DIGITIZER』の語は『アナログデータをデジタルデータに変換する装置』を表す語であり、また、『PRO』の語は『プロ仕様』などの意味合いで商品の品質誇称のために広く使用される語であることよりすれば、全体として『プロ仕様のアナログデータをデジタルデータに変換する装置(デジタイザー)』を容易に認識し、これを本願商標の指定商品中、これに照応する商品に使用したときには、単に商品の品質を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により請求人に通知した。
1.「DIGITIZER」の語の有する意味として、辞書類によれば以下の記載がある。
(1)「デジタイザー【digitizer】」の項に、「位置情報を読み取って入力するための装置。コンピューターへの図形データの入力、NC(数値制御)工作機械の加工データの作成に使用。座標入力装置。」との記載がある。(広辞苑 第六版 2008年1月22日 株式会社岩波書店発行 1919頁)
(2)「ディジタイザ/digitizer」の項に、「『ハード』コンピュータにおける入力装置のひとつ。座標読み取り装置ともいい、広くはアナログ量をデジタル量に変換する装置を意味する。・・・最近では個人向けの3次元ディジタイザ製品も出てきているが、これらは立体物を各方向からスキャンして、3Dデータに変換する機能を持つ。」との記載がある。(2005−’06年版最新パソコン用語事典 平成16年11月1日 株式会社技術評論社発行 761頁)
(3)「digitizer/ディジタイザ」の項に、「画像や形状を符号化してディジタルのデータに変換する機器や装置。・・・小型のものをタブレット(tablet)と呼ぶことがある。」との記載がある。(英和コンピュータ用語大辞典第2版 1996年7月22日 日外アソシエーツ株式会社発行 294頁)
(4)「ディジタイザ/digitizer」の項に、「ディジタイザは、平面上状のテーブルの上に置かれた図面を、カーソルと呼ばれる座標指示器またはスタイラスペンと呼ばれるペンで図形をなぞることにより、図形データをコンピュータに入力する装置である。・・・ディジタイザは、CADやCAMをはじめ、等高線の読取り、服地の型紙の読取りなど、各種の図形情報処理システムの入力装置として使われている。」との記載がある。(エンサイクロペディア電子情報通信ハンドブック 平成10年11月30日 株式会社オーム社発行 1106頁)
(5)「デジタイザー【digitizer】」の項に、「1 図形や図面の位置を入力するプレート状の装置。座標入力装置。2 アナログデータをデジタル化するための機器の総称。」との記載がある。(イミダス編集部編 imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典 2006年4月30日 株式会社集英社発行 345頁)
2.「PRO」の語の有する意味として、辞書類によれば以下の記載がある。
「プロ[PRO]」の項には、「プロフェッショナル、プログラム、プロダクション、プロパガンダ、プロレタリアなどの略。」とあり、「プロフェッショナル[professional]」の項には、「専門家、職業選手、本職、玄人。略してプロ。」との記載がある。(朝日現代用語知恵蔵2007 2007年1月1日 朝日新聞社発行 1140頁及び1141頁)
3.「デジタイザー」の文字が使用されている新聞記事の記載。
(1)「コニカミノルタセンシング、高確度の非接触3次元デジタイザー発売」の見出しの下、「コニカミノルタセンシングは16日、鋳鍛造、プレス、プラスチック成形パーツなどの3次元形状を高精度に測定できる非接触3次元デジタイザー『レンジセブン』を3月下旬から発売すると発表した。・・・3次元デジタイザーは、実在する部品や模型などの立体物をスキャンして得られる3次元データをコンピューターに取り込む作業を行う装置。」との記載がある。(2008年1月17日 化学工業日報 5頁)
(2)「日本NI、高速デジタイザー発売」の見出しの下、「日本ナショナルインスツルメンツはPCIベースの高速デジタイザー『NI PCI−5124』を発売した。」との記載がある。(2005年1月26日 日刊工業新聞 9頁)
(3)「〈新興〉 ウエディングドレス刺繍、CADで効率化 ユカアンドアルファ」の見出しの下、「ユカアンドアルファはウエディングドレスの刺繍パターンやビーズパターンを簡単なCAD(コンピューターによる設計)操作だけで表現し、自動的に出力出来るシステムの発売を開始した。・・・これまでデジタイザーを使って手作業で行っていた柄の縮小・拡大や型紙の穴開け作業が、新システムでは柄のモチーフをスキャナーで取り込み、CADで拡大、縮小、反転、修正、組み合わせなどの作業を簡単に行える。」との記載がある。(2002年12月24日 繊研新聞 8面)
(4)「ミノルタ、普及型の非接触3次元形状入力機を発売」の見出しの下、「ミノルタは普及価格を実現した非接触3次元形状入力機(デジタイザー)『VIVID300』を開発、10月2日に発売する。・・・3次元デジタイザーは人体、模型、石こう細工など実在する立体物の3次元データをコンピューターに取り込む装置で、3D画像制作で多くの時間を割くモデリングの効率化を可能にする。」との記載がある。(2000年9月12日 日刊工業新聞 10頁)
(5)「ルナ電子エンジ、ハンディ型の低価格デジタイザーを発売。巻いて持ち運びが可能」の見出しの下、「ルナ電子エンジニアリングは、巻いて持ち運びができるフレキシブルな構造で、在宅作業も可能な新しいタイプのハンディ型デジタイザー『ロールアップデジタイザDataFlex』を発売した。」との記載がある。(1999年8月12日 日刊工業新聞 8頁)
(6)「日本オセ、巻き取り式デジタイザーを発売」の見出しの下、「日本オセは、巻き取り式デジタイザー『ロールアップII』を発売した。」との記載がある。(1999年7月19日 日刊工業新聞 19頁)
(7)「武藤工業、インテリジェント・プロッター&デジタイザーを発売。2機能を融合」の見出しの下、「武藤工業は9日、プロッターの機能と大型図面の座標を読み取るデジタイザー機能を融合したインテリジェント・プロッター&デジタイザー『XF−500TBシリーズ』2機種を16日から販売すると発表した。ペンプロッターの出力機能とデジタイザーの機能を2本の独立したバーで行うため、高精度の作図・入力作業ができる。」との記載がある。(1999年6月10日 日刊工業新聞 16頁)
(8)「ユークス、米製非接触型3Dデジタイザーを発売」の見出しの下、「ユークスは、米国ロッキードマーチン社の一〇〇%子会社であるリアル3D社(フロリダ州)が開発した非接触型三次元デジタイザー『RealScan3D』の国内販売を開始した。レーザーを物体に照射し、その反射光を解析することで三次元の形状データとカラーのマッピングデータを同時に取り込める。」との記載がある。(1998年12月9日 日刊工業新聞 11頁)
(9)「Too パターン作成で新機種、パソコン使い効率化」の見出しの下、「アパレル関連機器専門商社のTooは、パソコンで簡単に効率よくパターン作成できるパターンメーキングシステム『アパレル・ツールス』を九月に発売する。・・・手やCAD(コンピューターによる設計)で作成されたパターンなどをデジタイザーで入力し、そのパターンデータをパソコン上で加工したり、パソコンからカッティングプロッタでダイレクトに出力するなど、入力から出力まで対応。」との記載がある。(1998年8月24日 繊研新聞 2面)
(10)「[特集]デジタル時代を読む1998 恵藤洋治・ワコム社長」の見出しの下、
○「デジタイザー事業以外にも積極進出/ペン型の指示装置で平面上をなぞって図形データをコンピューターに入力する装置、デジタイザーでシェア1位のワコムは今年3月、会社設立15周年を迎えた。デジタイザーは、コンピューターグラフィックス(CG)ソフトやコンピューター支援設計(CAD)で使われる。」との記載がある。(1998年4月14日 東京新聞 19頁)
(11)「ワコム、デジタイザーの世界シェアで2年連続1位に」の見出しの下、「【浦和】ワコムがCAD入力装置のデジタイザー/タブレット販売額で九六年世界シェアの四分の一に当たる七千百八十万ドルを確保、九五年に引き続き一位を獲得したことが明らかになった。」との記載がある。(1997年4月28日 日刊工業新聞 1頁)
(12)「武藤工業、低価格の大型デジタイザー3機種を発売」の見出しの下、「武藤工業は大型デジタイザー『XLCシリーズ』の後継機種として、大型サイズで従来機二倍の高精度と、大型機では国内最低価格を実現したプロフェッショナルデジタイザー『ALCシリーズ』三機種を開発、七日に発売する。」との記載がある。(1997年2月7日 日刊工業新聞 12頁)
(13)「グラフテック、大型デジタイザーを全面改良。低価格化、精度も向上」の見出しの下、「グラフテックは大型デジタイザーをフルモデルチェンジ、三十日から順次市場投入する。」との記載がある。(1996年9月26日 日刊工業新聞 15頁)
(14)「日商エレクトロニクス、米ポヒマス社の三次元デジタイザーを発売」の見出しの下、「日商エレクトロニクスは米国ポヒマス社(バーモント州)の三次元デジタイザー『3SPACE3DRAW』を九月一日に発売する。」との記載がある。(1994年8月31日 日刊工業新聞 15頁)
(15)「日立精工、デジタイザー部品の海外調達を5割に。ケーブル、ACアダブターなど」の見出しの下、「日立精工は、CADシステムの入力機器であるデジタイザーの部品を海外から積極的に調達する。・・・同社はデジタイザーよりサイズの小さいタブレットを含めると三分の一を輸出しているため、高水準の円高に対応してコスト低減を図る。」との記載がある。(1994年8月18日 日刊工業新聞 12頁)
(16)「マック用小型CGデジタイザー発売 エヌエス・カルコンプ」の見出しの下、「エヌエス・カルコンプはこのほど、アップルコンピュータのマッキントッシュ用小型CG(コンピューターグラフィックス)デジタイザー『ドローイングスレート』の販売を開始した。」との記載がある。(1994年2月24日 日本工業新聞 11頁)
(17)「ウインドウズ搭載パソコンに対応 ワコムが低価格デジタイザー発売」の見出しの下、「CAD/CAM(コンピューター支援設計・生産)周辺機器メーカーのワコム)は、ウインドウズ搭載パソコンに対応し、ペン入力も可能なコードレスタイプの低価格デジタイザー『UD−0608R』を開発、来年一月十日から販売する。」との記載がある。(1993年 日本工業新聞 7頁)
4.「デジタイザー」又は「デジタイザ(Digitizer)」の文字が使用されているインターネット情報。
(1)「タブレットとデジタイザ」の見出しの下、「タブレット(Tablet)とデジタイザ(Digitizer)は、製図版のような平らなボードの上を、ポインティング・デバイスでなぞることで入力する装置です。ポインティング・デバイスとしてスタイラス・ペンやカーソルと呼ばれるものが使用されることが多く、CAD(キャド;Computer Aided Design = コンピュータ支援設計)用のシステムとして多く利用されています。タブレットと、デジタイザとの違いは明確ではありませんが、一般に高精度のものをデジタイザと呼ぶことが多いようです。」との記載がある。(http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/hardware/input.html)
(2)「デジタイザ」の見出しの下、「デジタイザとは、データをデジタル化して入力する装置の総称である。」との記載がある。(http://japan.zdnet.com/glossary/exp/デジタイザ/?s=4)
(3)「コクヨ、テキスト変換ソフトが付属したデジタイザー『mimioPersonal』」の見出しの下、「コクヨ株式会社は、紙に書いた文字などをリアルタイムでPCに取り込めるデジタイザー『mimioPersonal (ミミオパーソナル)』を5月6日より発売する。」との記載がある。(http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0502/kokuyo.htm)
(4)「Drawing Board VI」の見出しの下、「Drawing BoardVI、GIS、エンジニアリング、テキスタイルそしてアパレルなど様々なアプリケーションでご利用いただけるプロフェッショナルユースの大型デジタイザーとスモールサイズのグラフィックタブレットです。」との記載がある。(http://www.ocejapan.co.jp/products/scanner-digitizer/digitizer/Drawing_Board6/index.html)
(5)「デジタイザー 型紙入力装置」の見出しの下、「タカオカデジタイザ−は、テキスタイルそしてアパレルなど様々なアプリケーションでご利用いただけます。クラス最高の11,000/インチという解像度を持ち、様々なアプリケーションに対応することが可能です。また、AO、A00サイズのなどを揃え、様々なアプリケーションの要求に答えます。」との記載がある。(http://www.takaoka-technocut.co.jp/Production/Digitizer.html)
5.「PRO」又は「Pro」の文字が使用されているインターネット情報。
(1)「Endeavor NJ5100Pro」が掲載されており、その説明には、「高性能ビデオチップやHDD×2基が選択可能なハイエンドノートPC」との見出しの下、「ニーズに合わせた最適構成でTCO削減に貢献する、インテルCentrinoProプロセッサー・テクノロジー対応のプロユース向けハイエンドノートPC。」との記載がある。(http://download.intel.com/jp/business/japan/pdf/317068-002JA.pdf)
(2)「アップル、MacBook Proを発表」の見出しの下、「2006年1月11日、アップルは本日、新しいインテル Core Duoプロセッサを搭載し、PowerBook G4と比べ最大4倍の性能を発揮する新しいノートブックコンピュータ、『MacBook Pro(マックブックプロ)』を発表しました。」との記載がある。(http://www.apple.com/jp/news/2006/jan/10macbookpro.html)
(3)「調和した色の組合せを見つけるデジタル・カラーホイールを表示するプラグイン」の見出しの下、「ColorTheory Pro /カラー セオリー プロ・・・Color Theoryプロ版には機能的なイメージローディングが追加されました。作業しながらロゴなどのイメージを表示させたり、インターフェイス内で直接画像を修正することができます。・・・Color Theoryプロ版はスタンダード版同様、スタンドアロンアプリケーションですが、イメージローディングなどの便利な機能などを多数搭載してより進化しています。」との記載がある。(http://www.cvalley.co.jp/ae_plugin/digital_anarchy/colortheory_pro.html)
(4)「米Apple、音楽制作ソフト『Logic Pro 6』を発表」の見出しの下、「Apple Computerは、音楽制作ソフトウエア『Logic Pro 6』と『Logic Express 6』を発表した。プロ向けのLogic Pro 6は、オーディオレコーディング/シーケンサーアプリケーションとして定評のあるLogic Platinum、53種類のオーディオDSPプラグイン、プロ品質のソフトウエア・インストゥルメントなどで構成されている。」との記載がある。
(http://journal.mycom.co.jp/news/2004/01/16/001.html)
(5)「Professional Audio Software Solutions/業務用ソフトウエアソリューション」の見出しの下、「SRS Circle Surround TDM ProはSRS Labsが提供する最新のプロ仕様のソフトウエアーです。」との記載がある。(http://www.srslabs.jp/softwear.html)
(6)「プロフェッショナルのニーズに応える『使える・差の付く』グラフィックソフトウエア・ツールをご紹介します。」の見出しの下、「Nik Color Efex Pro3.0」、「DxO Optics Pro v5」、「onOne PhotoFrame Pro 3」及び「PHASE ONE Capture One PRO」との記載がある。(http://www.nationalphoto.co.jp/software/)
第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要旨
前記、証拠調べ通知に対して、請求人は以下のように意見を述べている。1.本願商標は、「DIGITIZERPRO」の一連の横書き英文字12字を、1文字分の間隔も存在せず、同一間隔、同一書体、同じ大きさで外観上、一体不可分に表してなり、これより生ずる「デジタイザープロ」の称呼も、冗長というほどのものではなく、一気に称呼を発することができるものであるから、これを「DIGITIZER」と「PRO」に分断して把握しなければならない格別の理由はない。
2.本願商標全体としての「DIGITIZERPRO」は、特に観念を有していないから「DIGITIZER」と「PRO」の2つに分断したとしているが、観念を有していない造語だからといって、観念を生じさせるために適当にいくつかに分断することは誤りである。
3.仮に、本願商標を分断したとしても、「DIGITIZER」から生じる称呼及び外観から生ずる観念としては、使用されるようになった初期の「座標読み取り装置」から離れて、今や「デジタル化装置」を含む「概念」であって、即ち、特定の商品に囚われない広い意味を与えられていることは明らかであり、特定の装置に限定して解釈しなければならない客観的根拠はない。
4.また「PRO」についても、先行登録例として「PRO」の文字を結合させたものが商標法3条第1項第3号や4条第1項第16号を適用されることなく、夫々独立して登録されている(甲第1号ないし甲第36号証)。
以上述べたように、本願商標「DIGITIZERPRO」は、同書・同大・同配色の英文字で構成された一連の商標であり、「DIGITIZER」と「PRO」を2つに切り離して要旨認定すべき対象ではなく、これら甲号証の先行登録例と同様に登録されるべきものである。
第5 当審の判断
本願商標は「DIGITIZERPRO」の文字を標準文字で表してなるところ、全体として親しまれた既成の意味合いを有する成語とはいえず、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別な理由は見いだせないものである。
また、本願商標全体から生ずる「デジタイザープロ」の称呼も長音を含め8音と冗長にわたり、一気一連に称呼されるというよりも、「デジタイザー」と「プロ」とを2音節にくぎって称呼されると判断し得るものである。
さらに、前記第3の証拠調べのとおり、「DIGITIZER」(デジタイザ)の文字が「図形データ等を入力する装置」として、「PRO」の文字についても、「専門家向けの高機能な商品」を表すものとして一般的に使用されている実態を総合的に勘案すると、「DIGITIZER」と「PRO」を結合した本願商標は、その指定商品との関係においては、「専門家(プロ)向けの高機能なデジタイザー」を容易に認識させるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品中「専門家(プロ)向けの高機能なデジタイザー」に使用するときには、単に商品の品質・内容を表示したものにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので同法第4条第1項16号に該当するといわざるを得ない。
なお、請求人は、前記第4の意見書において、本願商標は一体不可分の造語を表したものであり、恣意的に「DIGITAIZER」の文字と「PRO」の文字に分離することは誤りである旨を主張するが、本願商標は、たとえ、一連一体に表されているとしても、その構成中「DIGITAIZER」及び「PRO」は、各種の事典にも掲載されている語であるばかりでなく、実際に商品の品質等を表すものとして取引上普通に使用されていること前記のとおりであり、本願商標に接する需要者は、容易に前記二つの成語を組み合わせたものと認識するというが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、「DIGITIZER」から生じる称呼及び外観から生ずる観念は、使用されるようになった初期の「座標読み取り装置」から離れて、今や「デジタル化装置」を含む「概念」であって、特定の商品に囚われない広い意味を与えられているのであり、特定の装置に限定して解釈しなければならない客観的根拠はない旨を主張するが、最近改訂された「広辞苑 第六版」(2008年1月22日発行)や、「imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」(2006年4月30日発行)には、「デジタイザー(digitizer)」の説明として「座標入力装置」等の記載があり、単に概念を表示するものではないことは前記第3の証拠調べのとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は、「PRO」、「Pro」及び「pro」の語が結合された他の登録例等を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張しているが、商標の識別性の判断は、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものである。
したがって、請求人の挙げた登録例によって、本願商標が前記第3のように使用されている事実が否定されるとはいえないばかりでなく、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことは前記認定のとおりであり、請求人の挙げた登録例の存在によってその認定が左右されるものではないから、この点にかかる請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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