Trademark Appeal Case
促音の有無による商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−10006(T2008−10006/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「フィタス」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」を指定商品として、平成19年7月2日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同20年1月22日付け提出の手続補正書により、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2448467号商標(以下、「引用商標」という。)は、「フィッタス」の文字を横書きしてなり、平成2年2月9日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同4年8月31日に設定登録がなされたものである。その後、同14年10月1日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同16年1月7日に指定商品を、別掲のとおり、第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第8類、第9類、第10類、第16類、第19類、第21類及び第30類に属する指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「フィタス」の文字をブロック体で横書きしてなるところ、構成文字全体に相応して、これより「フィタス」の称呼を生ずること明らかであって、また、特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「フィッタス」の文字をブロック体で横書きしてなるところ、構成文字全体に相応して、これより「フィッタス」の称呼を生ずること明らかであって、また、特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「フィタス」の称呼と引用商標から生ずる「フィッタス」の称呼についてみるに、両称呼は、共に促音を含めて3音構成からなり、そのうち「フィ」「タ」「ス」の3音を共通にし、相違するのは、語頭音「フィ」における促音の有無のみである。
そして、該差異音である促音は、「次の音節の初めの子音と同じ調音の構えで中止的破裂または摩擦をなし、1音節をなすもの。」(「広辞苑第五版」)であることから、それ自体が独立した1音として明確に発音されて、聴取されるものではなく、その前音で、無声摩擦音として比較的弱く発音される「フィ」に吸収されて、明確には聴取され難い微弱音となるものである。
さらに、2音目に位置する「タ」の音が、いったん閉鎖された呼気が、その閉鎖を破って急に発せられる破裂音であって、明確に発音される音であることも相俟って、該促音は、なおさら、明瞭に聴取し難い音となるものである。
そうすると、該促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
次に、観念についてみるに、本願商標と引用商標とは、共に造語であることから、観念において比較し得ないものである。
また、本願商標「フィタス」と引用商標「フィッタス」の外観は、それぞれ前記のとおり、共にブロック体により片仮名文字を横書きしたものであって、「フィ」「タ」「ス」の文字を共通にし、語頭「フィ」における促音「ッ」の文字の有無のみを異にするところ、両商標とも親しまれた語とはいえないことから、看者の記憶に残り難く、しかも、該差異文字は、小さく表された「ィ」の隣に、同様に小さく「ッ」と表されていることから、これらを、時と処を異にして離隔的に観察した場合には、前記構成文字よりみて、外観上も近似した印象、記憶、連想等を、取引者、需要者に与えるものであるといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、前記のとおり、共に造語であることから、観念においては比較し得ないとしても、外観においては近似した印象、記憶、連想等を与え、称呼においては類似するものであることから、全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわざるを得ず、また、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「促音の有無により生じる語頭部分の音調の差が、全体の称呼に与える影響は大きく、全体としての両商標の称呼は、語調・語感が大きく異なるものである。」旨主張すると共に、証拠として、過去に登録された事例を提出している。
しかしながら、いずれの事案もその構成態様が本願とは異なることから、同列に論じるのは適切ではなく、また、商標の類否の判断においては、当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において、個別、具体的に判断されるべきところ、前記のとおり本願商標と引用商標とが類似するものである以上、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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