Trademark Appeal Case
村の駅の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−11307(T2006−11307/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「村の駅」の文字を横書きしてなり、第29類,第30類,第32類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年3月8日に登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、同年9月14日付け手続補正書及び同18年5月8日付け手続補正書において、最終的に、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)冷凍野菜,冷凍果実,乳製品,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,豆,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),卵,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,カレー・シチュー又はスープのもと」第30類「菓子,パン,茶,コーヒー及びココア,調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,酒かす」第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『村の駅』の文字を書してなるが、該文字は各地の村においては『産直物産の販売、土産物の販売、食堂、レストランなどがある場所』を表す名称として使用されているから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の販売地を表示するにすぎないものであって、また、本願指定役務中『飲食物の提供』に使用するときは、単に役務の提供の場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標を構成する「村の駅」の文字について、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した。
記
(1)2008年2月6日付、日本農業新聞 北関東ワイドの「在来インゲン特産に 増産へ生産者募る、加工品開発も検討/群馬・南牧村」の見出しのもと、「06年度には県のぐんま地域農業「夢」支援事業にも認定。関係機関が連携し、品種特性をつかみ、特産品をつくる取り組みを進めている。現在、村の駅「オアシスなんもく」で販売も始めている。」の記載がある。
(2)2006年11月28日付、中日新聞 朝刊 伊勢志摩版の「見聞いせしま 伊勢の商店街 『めいりん村』開村3カ月 リピーター増加目指す 『村の駅』が誕生 若者の姿も 売り上げ増に効果」の見出しのもと、「十一月には空き店舗を改修した休憩スペース「村の駅」を完成させた。・・・江戸時代の茶屋を連想させるたたずまいで、利用客や出店者の憩いの場として早くも定着しつつある。・・・商店街全体の売り上げもわずかだが増えているといい、今後の発展に自信を見せる山田さん。「リピーターの増加が当面の目標。伊勢の観光地の一つとして定着させることができれば」と期待を寄せている。」の記載がある。
(3)2005年3月2日付、日刊建設工業新聞の「新潟県川口町/復興に向け新たなまちづくり計画始動」の見出しのもと、「復興へ向けた新しいまちづくりが動きだそうとしている。JR越後川口駅から国道17号に至るメーンストリートにシンボルロードを形成、低層の共同店舗などを配置するとともに、旧街道との交差点に「にぎわい広場」をつくり、道の駅ならぬ「村の駅」を整備する。さらに旧街道の本陣をリニューアルし、震災記念館も構想、これらの拠点をネットワークし、全国に激震地の復興をアピールする。」の記載がある。
(4)2005年2月7日付、河北新報の「TRY 東北人/産直物産館「村の駅」代表 下山嘉正さん(57)農家の所得増目指す」の見出しのもと、「青森県蓬田村で民間の物産館「村の駅よもっと」が昨年11月初めにオープン。農産物の産直販売を通して村を活気づけたいと、代表の下山嘉正さん(57)は意気込んでいる。・・・県内には多数の物産館や「道の駅」があります。「村の駅」はどこが違うのですか。「出品者が『村の駅』に払う手数料をほかよりも安く抑えたことです。販売品は、出品者が独自に値段を決め、売れた場合だけ、何割かをいただいています。出品者が価格を決める際、『談合』させないようにもしています。だから同じ品物でも値段はまちまちです」・・・」の記載がある。
(5)2004年4月25日付、中日新聞 朝刊 長野版の「ドライブインが安曇に新装開店 太鼓演奏で祝う」の見出しのもと、「【長野県】安曇村大野田に食堂・売店「村の駅アルプスの郷」が二十四日、新装オープンした。・・・食堂ではドライブインでは珍しいせいろ蒸しをメニューに加え、売店ではジャムやジュース、漬物など自然食品や無農薬、低農薬の土産を約百種類そろえる。地元農家に店先を開放し新鮮な野菜や山菜を直売する。」の記載がある。
(6)2002年6月4日付、日本農業新聞の「自分たちの店が実現 むらの駅「つくし」開店/長野・中条村」の見出しのもと、「【ながの】長野市から白馬村に向かう、通称オリンピック道路沿いの中条村宮に、軽食の店「むらの駅『つくし』」がオープンした。同村の生活改善グループ「つくし会」が営んでおり、コーヒーのほかパン、うどんはいずれも手作りの味を提供。開店からほぼ一カ月が過ぎ、固定客も出てきた。・・・こうした取り組みからさらに一歩進め、「自分たちが作ったものをみんなに味わってもらい、村の活性化につなげるため店をオープンさせたい」と始めたのが、今回の軽食の店。メンバー五人が出資し、県と村の補助も得て店舗を建設した。」の記載がある。
(7)2000年11月18日付、河北新報の「新顔/宮城・大衡村企画商工課長 和泉敏雄さん(48)ロマン胸に村売り込む」の見出しのもと、「まちづくりから観光まで、仕事の幅は広い。特に村のシンボル「大衡城跡」整備への思い入れは強い。「大衡城を『道の駅』ならぬ『村の駅』にして、観光物産、歴史教育などの情報発信基地にする」のが夢だ。通過されるだけの村からの脱却。そんな村づくりを胸に描いている。」の記載がある。
(8)峡北地域合併協議会のホームページの「武川総合支所」の「市の施設」に、「農産物直売センター(村の駅)」の記載がある(http://www.gappei-kyouhoku.jp/benri15.pdf)。
(9)南牧村のホームページに、「村の駅 オアシスなんもく」(http://www.nanmoku.ne.jp/)(10)福岡県商工会連合会のホームページに、「東峰村 宝珠山の玄関口「村の駅さくら」・・・国道211号線沿い、東峰村役場の宝珠山庁舎すぐそばにある「村の駅さくら」は、季節のとれたて新鮮野菜から地域の特産品、地酒、おみやげ品はもちろん、手芸品や民芸品まで、宝珠山のあらゆる魅力が凝縮された充実の物産直売所。店内は家庭的で暖かいムードの中、地域の人が持ち寄った自慢の品の数々が並べられ、製造者の顔が見える安心で安全、なおかつ食べ物は美味しいものばかりとあって、オープン以来、大人気となっています! 」の記載がある
(http://www.fukuokayokatoko.com/spot_experience/chikugo/no_002.html)。
(11)山古志復興新ビジョン研究会第2ステージのホームページに、「2生活・産業について・・・3)公共施設・・・農林省では17年度より宿泊型の「村の駅」事業をスタートさせるので検討する必要がある。」の記載ある
(http://www.yamakoshi2004.jp/contents/about/conf/data/050215/2s03-iken.pdf)。
これらの実情からすると、本願商標を構成する「村の駅」の文字は、地域の特産品の販売や特産品を利用した飲食物等を提供する施設の表示に冠して全国各地で使用されていることよりすれば、これを本願商標の指定商品に使用した場合、その取引者・需要者をして、村の特産品の提供・販売場所、交流施設であることを表す表示として理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、原査定において、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶したものであるが、当審における職権による調査により、同法第3条第1項第6号に該当するものと判断したものである。
第4 請求人は、上記第3の「職権証拠調べ通知書」に対して、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「村の駅」の文字を表してなるものである。
そして、「村の駅」の文字については、平成20年5月7日付け証拠調べ通知書により通知したとおり、地域の特産品の販売や特産品を利用した飲食物等を提供する施設の表示に冠して全国各地で使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、「村の特産品の販売場所、村の特産品を販売する交流施設」程の意味合いを理解させるにすぎないものであり、それをもって自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものというべきであるから、本願商標は、需要者等が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものと認められ、これと同趣旨で本願商標を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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