Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−24752(T2007−24752/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「第1期伝統工芸士手彫印章」の文字を標準文字で表してなり、第16類「文房具類,印章」を指定商品として、平成18年11月30日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同19年7月4日付け手続補正書において、第16類「第1期伝統工芸士による手彫印章」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『伝統的工芸品産業の振興に関する法律』第24条第8号の規定に基づき(財)伝統的工芸品産業振興協会より第1期に与えられた称号である伝統工芸士による手彫印章の意味合いを有する『第1期伝統工芸士手彫印章』の文字を普通に用いられる方法で書してなるので、これを本願指定商品に使用しても、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「第1期伝統工芸士手彫印章」の文字よりなるところ、構成中の「第1期」文字が「第1番目の期間」を、「伝統工芸士」の文字が「財団法人伝統的工芸品産業振興協会が、『伝統的工芸品産業の振興に関する法律』第24条第8号及び『伝統工芸士認定事業実施要領』第18条により付与する称号」を、「手彫」の文字が「機械を用いず、簡易な道具を使って手先で彫刻したりすること。」をそれぞれ意味する語であって、「印章」の文字は、「印。判。はんこ。」を意味する語であり、本願指定商品との関係においては、商品の普通名称と認められるものである。
また、日本伝統工芸士会のウェブサイト(http://www.kougei.or.jp/kougeishikai/index.html)の「伝統工芸士の変遷」によれば、昭和50年から平成3年度を「第1期」として「1.応募資格は実務経験年数20年以上。2.知識試験・実技試験を実施するが、知識試験は口頭試問でも可。実務経験年数40年以上の受験者には知識試験免除。実技試験は『作業工程審査・課題作品審査・自由作品審査』を組み合わせ実施。3.試験結果に加え、『産地協力度』を合否の判断に加味。4.試験合格者は終身称号扱い。」を内容とする伝統工芸士の認定がなされたことが確認できる。
そうとすると、本願商標は、これを補正後の本願指定商品「第1期伝統工芸士による手彫印章」に使用するときには、これに接する需要者、取引者をして、該商品が「第1期に認定された伝統工芸士により手彫りされた印章」であることを表したものと、認識、理解するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないというのが相当であるから、単に商品の品質を表示するものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「本願商標から受ける意味合いは、甲州手彫印章について、(全国で8名しかいない)第1期に伝統工芸に認定された工芸士が、手彫りで(心を込めて)彫った印章であるとの特別な意味を持ち、独自の意味を有する商標として価値が充分認められるから、単に商品の品質を表示するにすぎないものではない。」旨述べているが、商標登録の可否は、使用されている標章に請求人の言うような価値があるとかないとかで決せられるものでないことは商標法の規定に照らし明らかであり、本願商標が商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であることは上記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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