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結論

勝訴(請求認容)

商標「マルチサンプルディスプレイ」の複合語の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2008−9029(T2008−9029/J1))

審判番号
不服2008−9029(T2008−9029/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「マルチサンプルディスプレイ」
争点(論点)
複合語の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2008−9029(T2008−9029/J1)・不服)は、本件商標「マルチサンプルディスプレイ」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「複合語の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「マルチサンプルディスプレイ」の片仮名文字を標準文字で表してなり,第9類「金銭登録機,現金自動預金支払機,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,家庭用テレビゲームおもちゃ,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラム,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,ダウンロード可能な音楽,録画済みビデオディスク及びビデオテープその他の録画済み記録媒体,ダウンロード可能な画像,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。)」を指定商品として,平成18年12月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は,「本願商標は,『マルチサンプルディスプレイ』の文字を標準文字で表してなるところ,構成中の『マルチ』,『サンプル』及び『ディスプレイ』の語は,各々,『多くの,複数の』,『見本,標本,試供品』及び『文字や図形を表示する装置,画像表示装置』等の意味を有する語として普通に使用されているので,全体として『多くのサンプル(見本)を表示する装置』ほどの意味を極めて容易に理解させる。そうとすると,これをその指定商品中,例えば『多くのサンプル(見本)に関する情報を表示する装置(ディスプレイ)』に使用するときは,単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,前記1のとおり「マルチサンプルディスプレイ」の文字を標準文字で表してなるところ,構成各文字は,同じ書体,同じ間隔をもって表されていて,外観上まとまりよく一体的に把握し得るものである。

そして,その構成中の「マルチ」の文字部分が「(接頭語として)多数の,複数の,多面的」の意味,「サンプル」の文字部分が「見本,雛形,標本」の意味(何れも「広辞苑第六版」新村出編,岩波書店),及び「ディスプレイ」の文字が「ディスプレー:コンピューターの出力装置の一つで,(テレビのブラウン管の)画面の形をした表示装置。ディスプレイ。」(「新明解国語事典 第六版」株式会社三省堂発行)等の意味を有し,これらの文字を組み合わせた本願商標全体より原審説示の如き意味合いを想起させることがあるとしても,これが,直ちに本願指定商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものとして,取引者,需要者に,認識,把握されるとも言い難く,むしろ,一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。

また,当審において職権をもって調査するも,「マルチサンプルディスプレイ」の文字が,本願指定商品を取り扱う業界において,商品の品質を表示するものとして,取引上普通に使用されている事実も発見し得なかった。

してみれば,本願商標は,これをその指定商品について使用しても,商品の品質を表示するものとはいい得ず,自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり,かつ,これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても,商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって,本願商標が,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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