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Trademark Appeal Case

トロピカルフルーツの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900461(T2007−900461/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5057173号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5057173号商標(以下「本件商標」という。)は、「TROPICAL FRUITS」の欧文字と「トロピカルフルーツ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成18年12月12日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同19年6月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第3号証を提出した。

(1)「トロピカルフルーツ」は、熱帯果樹、熱帯性果実ともいうものであり、マンゴーやパパイア、バナナ、パインアップル等の総称として広く知られたものである(甲第1号証)。

そして、かかるフルーツを原料としたフレーバー、例えばグァバフレーバー、パッションフルーツフレーバー、パパイアフレーバーの総称を「トロピカルフルーツフレーバー」と称することもある(甲第2号証)。

また、実際に「トロピカルフルーツ」が香料の名称として使用されている事実もある(甲第3号証)。

(2)本件商標は、「トロピカルフルーツ」の片仮名文字と「TROPICAL FRUITS」のローマ文字を二段に併記してなる商標であり、その構成から「トロピカルフルーツ」という称呼及び観念のみを生じるものである。かかる称呼からは、上述のような熱帯性果実のみを想起し、それは同じく生じる観念と同一のものである。すなわち、本件商標からは上述のような熱帯性果実のみが想起され、かかる本件商標を使用した本件指定商品に接する需要者は、その商品に当該熱帯性果実が原材料であるか、或いはその香りが付与されていること等を認識するにすぎない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであり、商標登録を受けることができないものであるから、同法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 取消理由通知

当審において、平成20年5月29日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る甲各号証を徴するに、以下の事実が認められる。

甲第1号証は、丸善食品総合辞典(丸善株式会社)の写しであるが、その775頁に「トロピカルフルーツ」「tropical fruits」についての記載があり、「トロピカルフルーツ」は、マンゴーやパパイア、バナナ、パインアップル等の熱帯性果実の総称であることが示されている。

甲第2号証は、特許庁公報(平成12年1月14日発行、周知・慣用技術集(香料))であるが、そこには、グァバ、パパイヤ、マンゴー及びライチ等の「トロピカルフルーツ」を原料とした「トロピカルフルーツフレーバー」についての記載がある。

甲第3号証は、インターネット検索サイトによる情報であるが、そこには、実際にキャンドル用香料として「アップル&オレンジ」「ベルガモット」「ブラックベリー」「カーネーション」や、食用としても知られている「ラ・フランス」「マンゴ」「ピーチ」「キャラメル」「チョコレート」「さくらんぼ」と同列に「トロピカルフルーツ」が扱われている。

(2)職権により調査したところ、以下の事実が認められる。

(ア)2004年8月13日付け日本食糧新聞において、「新素材を追う!フレーバー・食品素材の動向(4)トリタロームシリーズ」の見出しの下、「アメリカで天然香料と表示できるトリタロームシリーズが人気となっている。・・・トリタロームシリーズは、低温・短時間抽出で製造され、本物に近いフレーバーを再現している。従来、合成香料では表現できなかったフレッシュフルーツそのものを連想させる素材であり、食品業界に新たな可能性をもたらした。・・・シリーズにはトロピカルフルーツ素材として、パッションフルーツ・グアバ・マンゴーエッセンスなどがある。」との記載がある。

(イ)2004年8月10日付け化学工業日報(3頁)において、「日本リーバ、モッズモイストフィニッシュ改良(いんふぉめーしょん)」の見出しの下、「日本リーバは『モッズヘア・モイストフィニッシュ』シリーズを改良し、九月に発売する。今回『香り』を大幅にリニューアル。トロピカルフルーツとみずみずしいウォーターベリーとがマッチした清潔感あふれる新香料で、優しく繊細なムスクの香りが、しっとりと髪を包み込み、髪を乾かした後でも香りが持続する。」との記載がある。

(ウ)2004年2月12日付け化学工業日報(1頁)において、「シンガポールの香料・香粧品、R&Dの中核に、ジボダンも拠点拡張」の見出しの下、「すでに昨年にはスイスのファーミニシュがR&Dセンターを開設、さらに高砂香料も分析、評価、開発、応用機能の充実を図り、研究陣容の増強し、トロピカルフルーツやアロマセラピーの芳香など、アジア特有の香りの研究も強化していく方針。」との記載がある。

(エ)2003年7月14日付け日本食糧新聞において、「夏の清涼飲料特集:清涼飲料主要各社の動向=コカ・コーラグループ」の見出しの下、「炭酸飲料では『カナダドライ』が好調を維持し、大人の炭酸飲料として売場が広がっている。『ファンタ』も新フレーバーである『トロピカルフルーツ』『すもも』などから順調だ。」との記載がある。

(オ)2002年3月29日付け日本食糧新聞において、「アイスクリーム特集:最新情報・冷菓用フレーバー」の見出しの下、「ほかのデザートにはない『おいしさ』をより魅力的に表現する原材料の一部として、冷菓用フレーバーにも、ますます期待が高まっていくものと思われる。・・・季節限定アイテムとしては、フルーツ系(ストロベリー、ピーチなど)、トロピカルフルーツ系(マンゴ、パッションフルーツなど)、リキュール系(ラム、ブランデーなど)、ナッツ系のフレーバーなどがあり、旬を感じさせる多彩なフレーバーがラインアップされてきている。」との記載がある。

(カ)1997年9月20日付け化学工業日報(8頁)において、「総合第2部 全天候型の技術力駆使・長谷川香料」の見出しの下、「一方、食品香料では、湿度などの商品環境に対して安定的なシトラスフレーバー、より天然に近いフルーツの香り、トロピカルフルーツフレーバー、調理フレーバー、マイクロカプセル化した調理フレーバーなどの開発を推進する。」との記載がある。

(キ)2006年4月21日付け毎日新聞(地方版/高知 21頁)において、「オリジナル香水:芳香さわやか、南国情緒『高知オードパルファム』発売開始/高知」の見出しの下、「◇資生堂と高知市観光協会、香水を共同開発・・・香水には同市の花『トサミズキ』の香り成分を使用したほか、マンゴー、カシスなどのトロピカルフルーツの香料を使って南国情緒が漂う仕上がりになっている。」との記載がある。

(ク)「香水学園(Kousui Gakuen)」のウェブページにおいて、「エリザベスアーデン グリーンティートロピカル」のタイトルの下、「オリジナルの『グリーンティー』にパラダイスのスプラッシュをテーマに、夏の楽しさを詰め込みました。ライチ、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツなどトロピカルフルーツのはじけるような香りから、次第にグリーンティー、マルコポーロティー、チャイニーズマグノリアが香りだします。」(http://shop2.genesis-ec.com/search/item.asp?shopcd=17219&item=10886)との記載がある。

(ケ)「香水カタログ〜お買い物ねこらいふ」のウェブページにおいて、「南国トロピカル系の香水」のタイトルの下、「【エステルドバルローズ】ラブパラダイスローズローズトロピックタイプ 50ml 大人気『ラブパラダイス ローズローズ』にトロピカルフルーツの香りがプラスされたパインソルベの香り。」及び「【メッセージ】アーバン トロピカル EDP SP 60ml トロピカルフルーツのジューシー&フレッシュなトップノートからはじまり、ミドルノートはジャスミン、フリージアなどリゾート気分を盛り上げる花々が香ります。」(http://plaza.rakuten.co.jp/nekolife/2049)との記載がある。

(3)以上の事実を総合すれば、「トロピカルフルーツ」の片仮名文字又は「tropical fruits」の欧文字は、香料の原材料を意味するものとして使用されており、更に、その香料も化粧品をはじめとするさまざまな商品に使用されているというべきである。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中、「トロピカルフルーツを使用した商品」に使用するときは、商品の原材料、品質を表すにすぎないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録を取り消すべきである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断

本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録したといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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