Trademark Appeal Case
商標周知性の立証不十分
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900579(T2007−900579/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5078705号商標(以下「本件商標」という。)は、「グレース」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成18年12月20日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年8月16日に登録査定、同年9月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人ダブリュー アール グレイス アンド カンパニー コネチカット(以下「申立人」という。)は、150年以上の歴史のある企業であり、医薬品からガソリン、建築資材等々多岐にわたる事業を展開する世界的企業で、建築資材用製品の中でもコンクリート混和剤のシェアは、北米では40〜50%を占める最大手のメーカーである。また、主力製品である「Monokote」は、耐火材として中国センタービル(香港)、品川インターシティ(日本)、ニューヨークホテル&カジノ(米国)等、国を代表するような様々な建築物に採用されている。
そして、日本においては、子会社であるグレースケミカルズ株式会社も建築用資材製品の供給をしている。
(2)本件商標は、申立人の著名な略称「GRACE(グレース)」を含むにもかかわらず、申立人の承諾を得ていないから、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。
また、当該略称は、商標としても使用されており、建築資材用製品との関係においては周知商標であるので、商標法第4条第1項第10号に該当し、あるいは、申立人の商品と出所の混同をきたすものであるため、商標法第4条第1項第15号にも該当するものである。
(3)よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人は、「GRACE」の文字からなる標章が申立人の商号の略称として、また、申立人の業務に係る建築資材用製品等の商標として、周知・著名である旨主張して、甲第1号証ないし同第5号証を提出している。
しかしながら、提出に係る証拠は、申立人の2008年度版商品カタログ及びホームページの写し、2008年2月27日付日刊建築通信新聞及び2008年3月3日付セメント新聞における記事の写し、2008年1月3日付コンクリート工業新聞における企業広告、1969年11月から2007年10月にかけて発行されたコンクリート工学等の雑誌における10回の企業広告及びMonokote商品パンフレットのみであり、これらの証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、「GRACE」の標章が申立人の商号の略称として、また、申立人の業務に係る「建築資材用製品」等の商標として、我が国の取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認めるに充分なものとはいい難い。
そうとすれば、「GRACE」商標(標章)の周知・著名性が認められない以上、その周知・著名性を前提にした申立人の主張は、その余の要件について検討するまでもなく採用することはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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