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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900580(T2007−900580/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5078760号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5078760号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年1月22日に登録出願、第41類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月14日に登録査定、同年9月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人プルクソムド・メディツィンテクニク・ゲーエムベーハー(以下「申立人」という。)が本件商標登録の取消しの理由に引用している登録第4719108号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成10年8月25日に登録出願、第10類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年10月17日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の欧文字部分は、「i」と「compass」とに分離して認識されるものであり、片仮名文字部分も全体として特定の意味合いを表すものではないから、本件商標からは「compass」の文字部分のみが分離独立して受け取られ、「コンパス」とのみ称呼され、その観念を生ずる。

したがって、本件商標と引用商標とは、「コンパス」の称呼・観念を共通にする類似の商標であり、その指定役務も同一又は類似の関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、1986年(昭和61年)にドイツにおいて設立された医療用・一般用の運動機械器具等の製造販売業者である。「compass」の商標に係る医療機械器具は、EU加盟国間で既に周知となっており、我が国においても、酒井医療株式会社(東京都文京区)をライセンシーとして、「compass」の商標に係る医療用トレーニング機械器具の販売を行っており、平成14年以来の酒井医療株式会社の「compass」医療用トレーニング機械器具の日本国内での販売数量は7500台、年間販売額は1000万ユーロ(約16億3620万円)にのぼっている。

パワーリハビリテーション用のトレーニング機械器具は、個人が購入して使用するものと違い、導入前、導入後にそれなりの準備や研修を施し、医学的見地から計画的に使用して、治療や予防に生かしていくものである。そのため、この事業活動では単にトレーニング機械器具を販売するだけでなく、パワーリハビリテーションの理論や関連情報の提供、一般向け啓蒙を目的とする講演会、訓練治療に携わる専門家向けの研修などの企画運営があわせて展開されている。平成14年より、パワーリハビリテーション研究会主催による全国規模の研究会が毎年開催されており、申立人の「compass」医療用トレーニング機械器具は、全国各地の病院や診療所の理学療法室や介護施設に設置され、日本の高齢者のリハビリや自立支援に非常に役立てられている。

この結果、各地の施設で実際に使用されている申立人の「compass」医療用トレーニング機械器具は、全国規模の講演会・研修会その他インターネットなどを介して関連業界では既に周知となるに至った。

したがって、「compass」の語を含む本件商標が本件指定役務に使用されれば、商標全体の印象・記憶・連想などから申立人の業務に係る商品・役務と出所について混同するおそれがある。

(3)したがって、本件商標は、その指定役務中の第41類「健康管理に関するセミナーの企画・運営又は開催」及び第44類「健康管理に関する指導及び情報の提供」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)に示したとおり、「i」の文字をやや大きく表し、その右側にアンダーバーを介して「compass」の文字を表し、その下に「アイコンパス」の片仮名文字を配した構成からなるところ、該欧文字部分は、全体として外観上まとまりよく一体的に表現されており、その読みを特定したものと無理なく理解される片仮名文字部分から生ずる「アイコンパス」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものであって、他に構成中の「compass」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。

そうとすれば、本件商標は、各構成文字全体をもって不可分一体の商標を表したものとして把握され、各構成文字全体に照応して「アイコンパス」の称呼のみを生ずるものであって、「コンパス」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から単に「コンパス」の称呼及び観念をも生ずるものとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標が医療用トレーニング機械器具の商標として使用され、かなりの介護施設で使用され、各地で開催された研究会においても紹介されてきた事実は認められるとしても、提出に係る証拠をもってしては、引用商標が医療用トレーニング機械器具の商標として、我が国において広く知られていたものとまでは認められない。

そして、上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、しかも、「Compass」の語は、「コンパス(製図用の器具)、羅針盤」等を意味する英語として我が国においても広く知られ親しまれている語であることをも併せみれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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