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Trademark Appeal Case

欧文字の僅差類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900583(T2007−900583/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5079225号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5079225号商標(以下「本件商標」という。)は、「FILa」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年12月15日に登録出願、第19類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年9月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人「フィラ リュクサンブール エス ア エール エル」(以下「申立人」という。)は、以下の8件の商標を引用しており、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第1587837号商標は、「フィラ」の片仮名文字と、「FILA」の欧文字とを二段に横書きしてなり、昭和52年11月7日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年5月26日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成16年8月4日に指定商品を第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第1655424号商標は、「FILA」の欧文字を太字で横書きしてなり、昭和54年2月2日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年1月26日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成17年6月15日に指定商品を第14類、第18類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録第2539218号商標は、「FILA」の欧文字を太字で横書きしてなり、平成元年2月27日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年5月31日に設定登録されたものである。その後、同15年4月22日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年8月25日に指定商品を第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(4)登録第1597967号商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和54年8月28日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年6月30日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成16年9月8日に指定商品を第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(5)登録第4012116号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成7年7月11日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月13日に設定登録され、その後、同19年6月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(6)登録第2447522号商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和54年8月28日に登録出願された昭和54年商標登録願第64364号の変更出願として、平成元年12月12日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年8月31日に設定登録されたものである。その後、同14年6月4日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年4月14日に指定商品を第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(7)登録第2498593号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和63年11月30日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年1月29日に設定登録されたものである。その後、同15年2月4日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同17年1月26日に指定商品を第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(8)登録第1756792号商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和54年8月28日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年3月25日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りされ、さらに、平成17年11月9日に指定商品を第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(以下、(1)ないし(8)をまとめて、「引用各商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)商標法第4条第1項第15号について

(ア)本件商標と引用各商標とは、「フィラ」の称呼を同じくし、外観においても極めて紛らわしく、「fila」は英語の「filum (医)糸状組織」の複数形という意味を有するため、観念上も類似する商標であるから、両者は極めて近似する社会通念上同一の商標である。

(イ)申立人及びフィラ・グループ企業会社は、約97年もの間、引用各商標を付した「ポロシャツ、ジャケット、T−シャツ等の被服、テニス用品、ゴルフ用品、スキー用品、シューズ、かばん、帽子、ファッション商品、化粧品、宝石類、時計、めがね」等を世界中で製造・販売した結果、引用各商標は、「世界のFILA」として、我が国を含めて、あらゆる階層・業界の人々に極めて広く認識される商標となり、周知著名性とともに独創的な商標となったものである(甲第12号証ないし甲第36号証)。

(ウ)本件商標の指定商品及び指定役務の需要者である建築・土木従事者又はアパート・マンション購入希望者の間においても、日々、ビジネスや生活をするうえで申立人の引用各商標を付したスポーツ、ファッション、衣料品、生活雑貨用品を使用しているので、本件商標の指定商品、指定役務の需要者・取引者と申立人等の業務に係る需要者・取引者とが共通することは明らかである。

(エ)引用各商標と極めて類似する本件商標を、その指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者・需要者等において、当該商品・役務が申立人等ないし申立人等から使用許諾された者の業務に係るものであるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがある。更に、被申立人の営業が申立人等と何らかの業務上、経済上又は組織上の関係が存在するものと誤認するおそれもないものとはいえず、申立人を含むフィラ・グループ各会社と混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。

(オ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。

(2)商標法第4条第1項第7号について

周知著名な引用各商標に極めて類似する本件商標の使用・登録を容認することは、申立人等の著名な商標が有する出所表示機能を稀釈化し、顧客吸引力が損なわれるばかりでなく、申立人等の商標の標識としての品質保証機能の弱化につながり、取引秩序を乱すものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、申立人等の社名の著名な略称である引用各商標「FILA」に極めて近似する商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当することは明らかである。

(4)商標法第4条第1項第19号について

経営の多角化により、異業種に進出する傾向が一層強まっており、一般消費者においてもこのことを知っている事実に照らすと、引用各商標の周知・著名性及び本件商標と引用各商標との類似性からみれば、商標権者の営業が申立人等と何らかの業務上、経済上又は組織上の関係が存在するものと誤認させるおそれもないものとはいえず、その意味で、商標権者が本件商標を使用するときは、それだけの理由で「不正の目的」をもって使用するものであるとの認定がなされるべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

(5)申立人は、上記主張の正当性を立証すべく、最高裁平成10年(行ヒ)第85号「レールデュタン」判決、東京高裁平成14年(行ケ)第285号「力王」判決、東京地裁昭和38年(ワ)第1415号「ヤシカ」判決等、甲第10号証及び甲第37号証ないし甲第46号証の判決を自己の主張理由に有利に援用する。

(6)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号、同第7号、同第8号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、前記1のとおり、「FILa」の欧文字を標準文字で表してなるものである。

一方、引用各商標は、前記2及び別掲(1)ないし(3)に示したとおりの構成からなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人が「ポロシャツ、ジャケット、T−シャツ、テニスウェアー、ゴルフウェアー、シューズ」等の商品について使用し、取引者、需要者の間に広く認識されている商標は、主に、別掲(1)及び(2)の構成からなる商標と認められる。

そして、別掲(1)及び(2)の商標は、まず、朱色の色彩を施し先端を丸くした直線部分と、黒又は群青の色彩を施した鉤型部分とからなる、全体として「F」の文字を看取させる特殊な態様の図形を配し、その右側に、先端を丸くした「I」の文字を表し、さらに、それらの右側に、やはり先端を丸くした「L」の文字と「A」の文字とを結合させた図形を配し、全体として「FILA」の文字を著しく図案化した構成よりなるものである。

そうすると、申立人の業務に係る各種商品に接する取引者、需要者は、前記した申立人の使用に係る商標を、極めて特徴のある構成態様からなる商標として認識、把握し、取引に当たっているものというべきである。

してみれば、本件商標と申立人の使用に係る商標とは、その構成態様において十分に区別し得る差異を有し、全く別異の印象を受けるものというべきであり、加えて、本件商標の指定商品「建築用又は構築用の専用材料」等の商品や、その指定役務である「建設工事」等の役務と、申立人の業務に係る「ポロシャツ、ジャケット、T−シャツ、テニスウェアー、ゴルフウェアー、シューズ」等の商品とは、生産者、販売者及び事業者等を異にし、流通系統、販売場所、役務の提供場所、用途等の点をも全く異にするものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、申立人の使用に係る商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第19号について

前記のとおり、申立人の業務に係る商標として知られているのは、別掲(1)及び(2)に示した極めて特徴のある構成態様からなる商標というべきであるから、「FILa」の欧文字を標準文字で表した本件商標が、申立人の社名の著名な略称からなるものとはいい難く、また、不正の目的をもって使用をするものともいえず、さらに、取引秩序を乱す等、公序良俗を害するおそれのある商標ともいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第19号に該当するものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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