Trademark Appeal Case
文字の解釈と称呼の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900587(T2007−900587/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5079501号商標(以下「本件商標」という。)は、「3mの思いやり」の文字を横書きしてなり、平成19年1月29日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月17日に登録査定、同年9月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人スリーエム カンパニー(以下「申立人」という。)は、「3M THREE−M」の文字を標準文字で表してなり、平成10年4月16日に登録出願、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年1月11日に設定登録された登録第4534709号商標のほか、「3M」及び「スリーエム」の商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
3 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標の著名性について
申立人は、60か国以上に139の工場を有し、189か国以上に販売拠点を有し、200か国以上で活動しており、電気電子・電力・通信関連、建築・サイン・ディスプレイ関連、自動車・交通関連、産業関連、オフィス関連等5万種類以上の商品を取り扱っている。そして、これらの系列会社では、「3M」の名称を冠し、「3M」のマークを使用してその製品を販売しており、商標「3M」が日本国内及び国際的に周知・著名な商標であることは明らかである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
周知・著名商標を一部に含む商標においては、周知・著名商標と一致する部分は要部を形成し、該要部からは全体から生じる称呼とは別に、該要部に相応する称呼が生じるものというべきである。
そうとすれば、本件商標からは、「スリーエムノオモイヤリ」のほか「スリーエム」の称呼をも生じ、「スリーエムの思いやり」ないしは「申立人会社の思いやり」の観念をも生ずるものである。
他方、引用商標からは「スリーエム(3M)」の称呼、観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似する商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号について
引用商標の周知・著名性及び本件商標と引用商標との類似性からみれば、本件商標は、引用商標と混同のおそれが生じるものであることは明らかである。また、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものであり、取引秩序を乱すものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に該当する。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、前半の「3m」の文字と後半の「の思いやり」の文字とは外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。そして、その構成中の「3m」の文字部分は、「m」の文字が大文字の「M」で表現されているのであれば、「スリーエム」の称呼を生じ得るとしても、数字の後の小文字の「m」は、通常、メートル法における長さの基本単位を示す記号を表したものとみるのが自然であるから、本件商標は、その構成全体をもって、「(近づきすぎず、離れすぎず)3メートルの距離を置くことによる相手への思いやり」程の意味合いを把握することのできるものであり、また、これより生ずる「サンメートルノオモイヤリ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、他に、構成中の「3m」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体をもって不可分一体の商標として把握され、「サンメートルノオモイヤリ」の称呼及び「3メートルの距離を置くことによる相手への思いやり」程の観念のみを生ずるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標から、「スリーエム(スリーエムの思いやり)」の称呼、観念をも生ずるものとし、そのうえで、両商標が称呼・観念上類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、上記のとおり、本件商標と引用商標とは別異の商標と理解・認識されるものであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものとはいえず、取引秩序を乱す等、公序良俗を害するおそれのある商標ともいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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