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Trademark Appeal Case

役務の品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第17304号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「味覚クーポン」の文字を書してなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,宿泊施設の情報の提供」を指定役務として、平成5年2月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原審において、「この商標登録出願に係る商標は、『味覚クーポン』の文字を書してなるものであるが、指定役務との関係では『おいしい食べ物をテーマにした(ホテル・旅館等においての宿泊における)回遊旅行券』の意を直ちに想起させるに止まり、これをその指定役務に使用しても単に役務の質を表示したにすぎないものとは認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定・判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記に示した構成よりなるものであるところ、その構成中前半の「味覚」の文字部分は、「味覚器官に化学物質が刺激となって生ずる感覚。鹹・酸・甘・苦の4種の基礎感覚(これらを味質という)に分けられ、これらが混合・融合して種々の味や旨みが感じられる。舌の味蕾が主な味覚の受容器で、顔面神経と舌咽神経を介して中枢に伝えられる。味感。」等を意味する語として、また、後半の「クーポン」の文字部分は、「切取り式の券。回数券や債券の利札の類。旅行者の便宜のために発行する、船車その他各種乗物の通し切符や指定旅館の宿泊券などを一綴りにしたもの。」を意味する外来語として、それぞれ一般に親しまれているものであるから、本願商標は「味覚」と「クーポン」の2語を結合したものと容易に認識されるものである。

そして、「味覚」の語は、例えば「新米列車で行こう 『味覚の旅』企画・・・車内で地元の新米、サンマの塩焼き、キノコなど秋の味覚を堪能してもらう。 98.09.22 朝日新聞朝刊 千葉版)」、「『信州・味覚巡りキャンペーン』を記念して、和風旅館八軒の共通宿泊券をペア三組(一泊二食、一人一万五千円相当)。更級そばやリンゴなど様々な信州の味覚を満喫できる。(99.06.10 朝日新聞夕刊 5頁)」、「サクランボやアケビ、ブドウ、干しガキなど特産品を年四、五回に分けて届ける。会員には観光イベント情報や味覚情報などの提供 (87.05.20 日本経済新聞 地方面/東北B)」のように、基礎感覚の一種の意にとどまらず、「おいしい食べ物」との意で使用されているということができる。さらに、本願商標を構成する「味覚クーポン」の語についても、例えば、「 ・・・は伊豆地方の温泉と味覚を組み合わせた旅行商品を開発、販売を始めた。取り扱う全宿泊施設について温泉と自慢料理の写真を掲載し、解説を付けたもので、宿泊だけを取り扱うキャンペーン商品として重点的に販売する。この商品は『伊豆味覚クーポン』で、・・・の旅館、ホテルについて魚介料理や懐石料理などの特別料理と浴場を紹介したもの。(88.02.25 日経流通 4頁、参照)」の如く、新聞記事等で普通に採択、使用されているのが実情である。

してみれば、前記した旅行・宿泊関連分野における実情よりすると、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該役務が「味覚を満足させ、又は味覚を楽しむための宿泊回数券を利用した宿泊施設の提供」なる意を表したと認識するにとどまるものと認められるから、単に役務の質を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。

よって、結論のとおり審決する。

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