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Trademark Appeal Case

称呼の語尾差異の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900600(T2007−900600/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5080311号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5080311号商標(以下「本件商標」という。)は、「BALENCIA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年10月27日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同19年8月24日登録査定、同年9月28日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1594344号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BALENCIAGA」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年4月7日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同58年6月30日に設定登録され、その後、平成6年4月27日及び同15年3月25日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年6月22日に指定商品を第3類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。

同じく登録第1982236号商標(以下「引用商標2」という。)は、「バレンシアガ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和59年8月17日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同62年9月21日に設定登録され、その後、平成9年6月3日及び同19年7月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同年12月26日に指定商品を第3類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。

なお、これらを併せて「引用各商標」という。

2 理由の要点

本件商標は、指定商品中の第3類「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」について、下記の(1)又は(2)により、その登録を取り消されるべきものである。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1と外観上類似するものであり、また、引用各商標と称呼上類似するものである。登録異議の申立てに係る商品は、引用各商標の指定商品と重複し、これら商品は、日常消費される性質の商品であって、その需要者は、通常は特別の専門知識を有するものでない一般消費者であることをも考慮すれば、本件商標と引用各商標とは、本件商標の指定商品中「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」に使用する場合、商品の出所につき混同を生じるおそれがある類似の商標である

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、「BALENCIAGA」商標に類似し、「BALENCIAGA」商標は、ファッション関連商品、香水、化粧品の取引者及び需要者に広く知られており、「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」と申立人の業務に係る商品とは、需要者の相当部分が共通する。また、「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」は、日常消費される性質の商品であって、その需要者は、通常は特別の専門知識を有するものでない一般消費者であり、出所を識別するにあたって払われる注意力が高いとはいえない。

以上の事情に照らせば、本件商標を「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」に使用するときは、その取引者及び需要者において、該商品を、申立人の業務に係る商品ないし同人と緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「BALENCIA」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「バレンシア」の称呼が生じ、また、特定の観念を生じさせることのない造語からなるものである。

一方、引用各商標は、いずれも、その構成文字に相応して「バレンシアガ」の称呼が生じるものである。

しかして、本件商標から生ずる「バレンシア」の称呼と引用各商標から生ずる「バレンシアガ」の称呼とを比較すると、両者は語尾における「ガ」の音の有無に差異を有するものである。そして、当該「ガ」の音は、後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する有声子音(g)と母音(a)の結合した音節であり、前音「ア」に続けて明確に発音・聴取されるから、該差異音が称呼全体の音感に与える影響は決して小さいものとはいい難く、両称呼は、それぞれを一連に称呼しても全体の音感が相違し、相紛れることなく十分に区別し得るものである。

また、本件商標と引用商標1とは、たとえ、語頭から「B」、「A」、「L」、「E」、「N」、「C」、「I」及び「A」の文字を共通にするとしても、語尾において「G」及び「A」の各文字の有無の明らかな差異を有しており、該「G」及び「A」の各文字を殊更取捨して、これらの前半に位置する文字部分のみを分離、抽出して取引に資されるとみるべき特段の事情も見いだせないものであるから、両商標が看者に与える印象は相違するものであり、時と所を異にして観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはないというべきである。さらに、本件商標と引用商標2とは、その構成態様を明らかに異にするものであるから、外観において相紛れる余地はない。

次に、本件商標は、特定の観念を有するものではないから、引用各商標とは、観念において比較することができないものである。

してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用各商標に類似する商標と判断することはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人が提出した証拠(甲第7ないし第26号証)によれば、「BALENCIAGA(バレンシアガ)」は、ファッション界において、スペイン生まれのフランスの著名なデザイナーであるクリストバル・バレンシアガ(1895〜1972)の略称として知られ、また、引用各商標は、婦人服を中心とした商品に使用されている商標として、本件商標の登録出願時には、その需要者間に広く知られるに至っていたものと認められる。

しかしながら、前記1のとおり、本件商標と引用各商標とは非類似のものであって互いに別異のものであり、かつ、ほかに本件商標を引用各商標に関連づけてみなければならない格別の事情も見いだせない。

そうすると、本件商標をその指定商品中「歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」に使用しても、これに接する需要者が引用各商標を想起又は連想して、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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