Trademark Appeal Case
MOBISとMobilの称呼・外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900002(T2008−900002/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5081466号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOBIS」の欧文字を横書きしてなり、平成15年12月26日に登録出願、第9類、第11類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年10月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及びその関連会社が長きにわたって使用し、世界的に周知・著名となっている商標「Mobil」(以下「申立人商標」という。)と称呼及び外観において類似するものである。
また、本件商標の指定商品は、申立人商標の使用に係る、ガソリンスタンド等で販売される燃料、潤滑油を中心として、ワックス、アスファルトなどの各種石油製品及びこれに関連する検査、点検などの役務と、取引者、需要者層及び用途等において共通する。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるから、その登録は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであり、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由の一つに、本件商標と申立人商標とが称呼及び外観において類似する商標であると主張する。そこで検討するに、「Mobil」(「o」を赤色で表し、他の文字は青色で表してなるものである。)の文字よりなる申立人商標が、「モービル」と称呼され、申立人の業務に係る商品、特に、ガソリン等石油製品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていることは、申立人の提出した甲第1号証ないし甲第4号証によっても認めることができる。
一方、本件商標は、前記1のとおり、「MOBIS」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、ローマ字5文字を同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔、同一の色彩で書してなるものである。
また、本件商標は、構成全体として、特定の観念を有しない造語よりなるものであり、これより無理なく自然に「モービス」と称呼され得るものである。
そうすると、本件商標と申立人商標は、いずれもローマ字5文字よりなる簡潔な構成であること、文字の色彩、態様において相違することなどを考慮すれば、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれはないから、外観上類似する商標ということはできない。
また、本件商標より生ずる「モービス」の称呼と申立人商標より生ずる「モービル」の称呼とは、末尾において「ス」と「ル」の音の差異を有するものであるところ、「ス」の音は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音「s」と母音「u」とが結合した音節であるのに対し、「ル」の音は、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音「r」と母音「u」とが結合した音節であるから、その発音方法、調音点等において相違し、その結果、聴者に与える音感、音質において違いが生ずるものであり、該差異音が比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものということはできない。
してみれば、両称呼を全体として称呼した場合においても、互いに相紛れるおそれはないというべきであるから、両商標は、称呼上類似する商標ということもできない。
そして、前記認定のとおり、申立人商標が「モービル」と称呼され、申立人の業務に係る石油製品等を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されている商標であることを考慮しても、本件商標に接する需要者が、これを申立人商標と取り違えることはきわめて少ないとみるのが相当である。
したがって、本件商標と申立人商標とは、商標それ自体全く異なるものであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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