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Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900012(T2008−900012/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5084791号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5084791号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年4月12日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年9月21日に登録査定、同年10月19日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(25)のとおりであり、いずれも、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第1587778号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和49年12月26日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年5月26日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、平成16年9月22日に第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(2)登録第2609079号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和49年12月26日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同16年3月3日に第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(3)登録第1423465号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和49年12月26日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同55年6月27日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされているものである。

(4)登録第2693722号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年8月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年9月14日に第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(5)登録第2671514号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年8月17日に第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(6)登録第2708505号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成2年11月8日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同18年1月4日に第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(7)登録第2593080号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成2年11月8日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年10月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同16年5月26日に第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(8)登録第4025668号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成2年11月8日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月11日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同20年5月28日に第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(9)登録第4180654号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成2年11月8日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年8月21日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(10)登録第4376378号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成10年6月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月14日に設定登録されたものである。

(11)登録第4378318号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成10年6月26日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。

(12)登録第4376377号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成10年6月26日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月14日に設定登録されたものである。

(13)登録第4399811号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成11年4月1日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年7月14日に設定登録されたものである。

(14)登録第2693723号商標(以下「引用商標14」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年8月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年9月14日に第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(15)登録第2704525号商標(以下「引用商標15」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成7年2月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年6月29日に第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(16)登録第2693724号商標(以下「引用商標16」という。)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年8月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年9月14日に第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(17)登録第2671515号商標(以下「引用商標17」という。)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、昭和61年2月7日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年8月17日に第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(18)登録第2528490号商標(以下「引用商標18」という。)は、別掲(8)のとおりの構成よりなり、平成2年12月14日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年4月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同16年12月15日に第14類及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(19)登録第2160863号商標(以下「引用商標19」という。)は、「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の文字を書してなり、昭和62年5月29日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年8月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(20)登録第2190105号商標(以下「引用商標20」という。)は、「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の文字を書してなり、昭和62年5月29日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年11月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(21)登録第2147023号商標(以下「引用商標21」という。)は、「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の文字を書してなり、昭和62年5月29日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年6月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(22)登録第2199877号商標(以下「引用商標22」という。)は、「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の文字を書してなり、昭和62年5月29日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年12月25日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(23)登録第4522864号商標(以下「引用商標23」という。)は、別掲(9)のとおりの構成よりなり、平成12年4月6日に立体商標として登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年11月16日に設定登録されたものである。

(24)登録第4522862号商標(以下「引用商標24」という。)は、別掲(10)のとおりの構成よりなり、平成12年4月6日に立体商標として登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年11月16日に設定登録されたものである。

(25)登録第4522863号商標(以下「引用商標25」という。)は、別掲(11)のとおりの構成よりなり、平成12年4月6日に立体商標として登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年11月16日に設定登録されたものである。

以上の(1)ないし(25)の登録商標を一括していうときは「引用各商標」という。

2 理由の要点

(1)商標法第4条第1項第15号について

ア 本件商標は、黒塗りの細長の長さが均等な長方形を、当該長方形の幅とほぼ同じ幅の間隔をもって、垂直方向に4本並べた図形よりなるものであって、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」に使用するものである。

イ 引用商標1ないし引用商標25は、細長の長方形、台形、長方形様図形若しくは帯状の図形(以下、「長方形等」という。)を均等間隔で3本並べた図形(以下、「3本線の図形」という。)を構成の基調とする商標、若しくは、「3本線(スリーストライプス)」の観念を生じる商標であり、申立人の取扱に係る被服、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴等に永年使用され、本件商標の登録出願時及び登録査定時には申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして世界的に広く認識されていたものである(甲第26号証ないし甲第84号証、甲第87号証、甲第89号証ないし甲第94号証、甲第96号証ないし甲第120号証)。

ウ 引用商標1ないし引用商標17及び引用商標23ないし引用商標25は3本線の図形から構成されるものであり、本件商標の構成と比較すると、これらを構成する長方形、台形、長方形様図形等が4本と3本の差異があるものの、いずれも、細長の長方形等を均等間隔で互いに平行に垂直方向又は垂直方向からやや傾けて配置している点を共通にするものであり、この点において、構成の軌跡を一にするということができる。

とりわけ、引用商標1ないし引用商標3は、細長の長さがほぼ均等な長方形様図形を、当該長方形様図形の幅とほぼ同程度の幅をもって、ほぼ垂直方向に3本並べた図形よりなるものであり、細長の長さがほぼ均等な長方形等を当該長方形等の幅とほぼ同程度の幅をもって均等間隔でほぼ垂直方向に並べ、かつ、図形全体の外観が四角形の印象を与える点において、本件商標と構成の軌跡を一にする。

エ 本件商標が指定商品に使用されるときには、商品の地色により、色彩を施したり、色彩を変更することが想定される。本件商標を構成する4本線の図形は、商品の地色、地色と本件商標の色彩との配色の仕方等によって、4本線の図形が明確に看取されない場合がある。また、甲第85号証及び甲第86号証に例示するように、色彩の組み合わせの仕方によって、4本線の図形よりも、むしろ、当該4本線の各線で区切られた余白部分に形成される白抜きの3本線の図形のほうが視覚的に強調され、「3本線」の図形として看取されることも十分に起こり得る。

オ 本件商標の指定商品は、申立人の主要取扱商品である被服、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴を含むものである。引用商標23ないし引用商標25に示す立体商標に例示されるとおり、3本線の靴、衣服等にサイドラインとして表示する構成は、申立人が長年継続使用し、申立人の商品表示として広く認識されているものである(甲第97号証ないし甲第118号証)。本件商標が指定商品に使用されるときにサイドラインとして表示される可能性は否定できない。

カ 本件商標及び引用商標1ないし引用商標3は、複数の細長のほぼ同じ長さの長方形等を均等間隔で互いに平行にほぼ垂直方向に並べてなる構成が看者の注意を惹きつける重要なデザインポイント、すなわち、識別性の中核をなしている。当該長方形等の数が3本か4本かという相違や、その長さ、幅、傾斜方向等における僅かな差異は、両商標の構成の軌跡及び外観印象における高い類似性を凌駕して出所混同のおそれを打ち消すことができる程度に大きな相違点とはいえない。細長の台形様図形を均等間隔で並べた4本線の図形から構成される件外商標登録第4370503号についてなされた登録無効の確定審決(甲第94号証)及び件外商標登録第4839608号についてなされた登録取消の確定異議決定(甲第120号証)の要旨はこれと同趣旨のものである。また、諸外国においても、申立人の所有する3本線の商標に基づき、4本線を基調とする商標の登録取消、使用差止請求等を認容する判決が数多くなされている(甲第96号証の1ないし13)。

キ 本件商標の指定商品の最終需要者は一般の消費者である。また、当該指定商品は、その用途、価格、使用環境や洗浄等による消耗・劣化等の可能性という観点からみて、長期間に亘り使用するものというよりは比較的短期間で買い替える可能性が高い消耗品を多く含む。したがって、通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。

ク よって、上記観点に照らせば、本件商標が指定商品に使用される場合、申立人又は申立人と何らかの経済的又は組織的関係を有する者の業務に係る商品と誤信され、その出所について混同を生じるおそれがあることが明らかである。

ケ 平成16年(行ケ)第85号審決取消請求事件における平成16年10月20日東京高裁判決で説示されているとおり、商標法第4条第1項第15号の規定は、著名商標の顧客吸引力へのフリーライド、その出所表示力のダイリューションを防止する趣旨も含むものであると解される(甲第95号証)。本件商標は、申立人の主力商品である被服、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴等に使用されるものであり、かつ、その使用態様によっては「3本線」と誤認されるおそれが高いものである。したがって、本件商標の登録は、世界的に広く認識されている申立人の3本線商標の顧客吸引力へのフリーライド及びダイリューション行為を実質的に助長することになりかねず、販売店等の取引者及び一般消費者を混乱させる可能性が高いものであり、公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神に反するものといわざるを得ない。

よって、本件商標は、フリーライド、ダイリューションの防止という観点からみても、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであることが明らかである。

(2)商標法第4条第1項第7号について

ア 本件商標は、その登録出願時において申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして世界的に広く認識されていた3本線を基調とする引用各商標と紛らわしい外観印象を呈する構成を採択するものであり、その着色の方法、商品の地色との配色等の使用態様によって、引用各商標に共通する概念であり、申立人の商標として著名な「3本線」の印象を看者に与える。

イ 本件商標は、申立人の長年の営業努力によって築かれた引用各商標及び3本線の商標の信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。また、本件商標が指定商品に使用されたときには、世界的な著名商標である引用各商標等の3本線の商標の出所表示機能が希釈化され、申立人が経済的及び精神的損害を被るおそれが高い。

ウ したがって、本件商標は、社会一般道徳及び国際信義に反するものであるから、公の秩序を害するおそれがある。

3 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に該当するというべきであり、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号について

(1)本件商標について

本件商標は、別掲(1)のとおり、細長い黒塗りの長方形4本を同一の間隔で垂直に並べ、全体の枠が正四角形に配置した幾何図形からなるものであり、これよりは特定の称呼及び観念を生ずるものではないというのが相当である。

(2)引用各商標について

ア 引用商標1ないし引用商標3は、別掲(2)のとおり、左方向に僅かに傾けた左右の長辺が波線の輪郭線からなる3本の台形様図形を配置したものであって、その台形様図形の長さは左から右に順次僅かに長く表されているものである。

イ 引用商標4及び5は、別掲(3)のとおり、文字と図形の組み合わせからなるところ、その構成中の図形部分は、左方向に傾けた黒塗りの3本の台形様図形を配置したものであって、その台形様図形の長さは左から右に順次長く表されているものである。

ウ 引用商標6ないし9は、別掲(4)のとおり、文字と図形の組み合わせからなるところ、その構成中の図形部分は、左方向に傾けた黒塗りの3本の台形様図形を配置したものであって、その台形様図形の長さは左側が極端に短く表され、右に順次長く表されているものである。

エ 引用商標10ないし13は、別掲(5)のとおり、上記引用商標6ないし9の図形部分と構成を同じくするものである。

オ 引用商標14及び15は、別掲(6)のとおり、左方向に傾けた左右の長辺が波形の黒塗りの3本の長方形様図形を配置したものであって、その3本の長方形様図形の長さは、等しく表されている。

カ 引用商標16及び17は、別掲(7)のとおり、上記引用商標14及び15と構成を同じくする図形と文字との組み合わせからなるものである。

キ 引用商標18は、別掲(8)のとおり、右方向に傾けた左右の長辺の内側に細線を配した同じ太さの台形様図形を均等間隔で3本並べて配置したものであって、その台形様図形の長さは左から右に順次短く表されているものである。

ク 引用商標19ないし引用商標22は、上記第2のとおり、「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の文字を書してなるものである。

コ 引用商標23ないし25は、別掲(9)ないし(11)のとおり、靴の左右の側面につま先に向かって傾けた3本の台形様図形を配置した立体商標、上着の左右の長袖の襟から袖口に3本の線を配置した立体商標及び長ズボンの左右の側面全体に3本の線を配置した立体商標からなるものである。

(3)本件商標と引用各商標とについて

ア 本件商標と引用商標1ないし18及び23ないし25について

本件商標は、上記(1)のとおり、細長い黒塗りの長方形4本を同一の間隔で垂直に並べ、全体の枠が正四角形に配置した幾何図形からなる単純な図形であるのに対し、引用商標1ないし18及び23ないし25の図形及びその構成中の図形部分は、左右の長辺を直線(内側に細線を配したものを含む。)又は波線とした3本の台形様図形を、左方向に傾けたもの又は右方向に傾けたもので、左から右に順次長くあるいは短く表されていることを基本とするもの、さらには、上着の長袖あるいは長ズボンの側面全体に3本の線を配置したものであり、いずれも特異な形状の図形であるから、全体の構成において顕著な差異を有するものである。

そうすると、本件商標と引用商標1ないし18及び23ないし25は、それぞれの構成から明らかに異なった印象を受けるものであり、両商標は、時と処を異にして離隔的に観察した場合でも外観上相紛れるおそれはないものといわざるを得ない。

そして、本件商標は、何らの称呼及び観念を生じないものであるから、引用商標1ないし18及び23ないし25より「3本線」の観念を生ずる場合があるとしても、その称呼及び観念において比較することができない。

イ 本件商標と引用商標19ないし22について

本件商標は、上記(1)のとおり、特定の称呼及び観念を生じないものであるから、引用商標19ないし22と、その称呼及び観念について比較することができないものであり、外観においては明らかな差異を有するものである。

ウ してみれば、本件商標は、引用各商標とは外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない別異の商標であって、他に両商標がその出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき格別の事情も見出し得ないから、引用各商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の業務に係る商品に使用する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用各商標を連想又は想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、上記1のとおり、引用各商標と類似しない別異のものであるばかりでなく、申立人の提出した証拠によっては、本件商標が引用各商標の信用力、顧客吸引力に便乗し、かつ、その出所表示機能を希釈化するものとは認めることができないものであり、他に、本件商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益及び社会の一般的道徳観念に反するものとすべき事由もないから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれはないといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

3 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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