Trademark Appeal Case
エコ"の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第6639号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「エコ」及び「ECO」の文字を二段に横書きしてなり、第1類「化学品,原料プラスチック,写真材料」を指定商品として、平成6年4月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
本願商標は、「生息地」、「生態(学)」等の意の英語「ECO」およびその表音「エコ」の文字よりなるところ、消費者生活から出るゴミが環境破壊の大きな要因となってきたことに対し、消費者ばかりでなく、供給者の側からも「エコ商品」の開発等の取り組みが広がりつつある今、これを本願指定商品中、例えば「生分解性プラスチック」や、「リサイクルしやすいプラスチックを活用した、ゴミにならない商品」等に使用しても、需要者に対し、商品の品質、原材料等を表示するものとして理解されるに止まるものと認める。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張
本願商標は、格別の意味合いを有しない語として、自他商品の識別力を有するものと判断するのが相当である。
「生息地」「生態(学)」等の意をもつ英単語は「ECOLOGY」であるところ、本願商標は「エコ/ECO」であり、これが「ECOLOGY」の意の接頭語として使用されることがあることは出願人も認めるところであるが、英語において本願商標は、例えば「節約」「経済」等の意をもつ「ECONOMY」の意の接頭語としても使用されているものであり、本願商標を単独で使用した場合には、何ら特定の意味は想起されないものである。
もし仮に、本願商標が「ECOLOGY」を示す語であると認識された場合であっても、本願商標からは「生息地」「生態(学)」に関連しているといった意味合いが漠然と連想されるにとどまり、何ら具体的な品質を表示するものとして認識されることはない。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料等を普通に用いられる方法で表示したものではない。
4 当審の判断
本願商標は、「エコ」及び「ECO」の文字よりなるところ、これは英語の「ecology」(生態学)に由来するものであり、「環境、生態(学)」を意味するものである(自由国民社発行、現代用語の基礎知識1999,1385ページ。)。
ところで、近時環境問題に対する意識の高まりから、「エコビジネス」と称し、環境への負荷の軽減に資する商品・サービスを提供したり、さまざまな社会経済活動を環境保全型のものに変革させる上で役立つ技術やシステム等を提供するようなビジネスが注目されているのが実情であり(自由国民社発行、現代用語の基礎知識1995,164ページ。)、さらに、「エコ商品」と呼ばれ、生分解性プラスチックやリサイクルしやすいプラスチックを活用した、ゴミにならない商品の開発が進められているところである(自由国民社発行、現代用語の基礎知識1995,924ページ。)。
そして、このような状況の下にあって、環境負荷の少ない商品であることを表示するマークとして「エコマーク」が選定され(株式会社集英社発行 情報・知識imidas1999,669ページ)、また、1997年4月1日からは、いわゆる「容器包装リサイクル法」が施行され、ペットボトル、プラスチックなど、容器や包装の廃棄物を市町村が分別収集し、事業者が再生利用することを義務付けている(朝日新聞社発行 知恵蔵1999,327ページ)のが実情である。
そうすると、このような実情にあって、本願商標は、前記のように「環境、生態(学)」を意味する「エコ」及び「ECO」の文字よりなるものであり、指定商品も前記環境問題との関連では、リサイクルもしくは環境への負荷の軽減に密接な商品であることから、本願商標がその指定商品について使用された場合、これに接する取引者・需用者は、前記の実情から、該商品がリサイクルに適した商品、もしくは環境への負荷の軽い商品の意を表したもの程度に理解するにすぎず、商品の出所表示としては機能しないものというのが相当である。また、前記意味合いとして認識される商品以外の商品について使用をするときには、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同様の理由により拒絶した原査定は、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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