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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900037(T2008−900037/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5088454号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5088454号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダブルエクセル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年10月4日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,切削工具,超硬工具,ダイヤモンド工具」を指定商品として、同19年11月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)及び(2)に示す登録商標(これらの商標権は登録異議申立後に分割移転登録がされた。以下纏めては「引用商標」という。)を引用している。

(1)登録第4434974号の1商標(以下「引用商標1」という。)は、「エクセル」及び「EXCEL」の文字を2段に書してなり、平成10年2月12日に登録出願、第7類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年11月24日に設定登録され、その後、同20年8月12日の分割移転により、その指定商品は、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用、木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用、製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,風水力機械器具,農業用機械器具(蚕種製造用又は養蚕用の機械器具を除く),漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,陶工用ろくろ,塗装機械器具,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)但し、緩衝器,ばねを除く」及び第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器但し、緩衝器,ばねを除く」となっている。当該商標権は、現に有効に存続している。

(2)登録第289418号の1の1の1商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)に示すとおり「Excel」の文字を筆記体様に書した構成よりなり、昭和11年6月26日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月26日に設定登録され、その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成20年8月12日の分割移転により、その指定商品は、第17類「他類に属せざる機械器具及其の各部、但し、消火器及び動力機械器具、蒸気暖房装置、温水暖房装置、温気暖房装置、放熱器、温気炉及びその部品を除く但し、緩衝器を除く」となっている。

当該商標権は、現に有効に存続している。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

申立人は、上記2の引用商標を引用し、当該商標権は申立人の所有に係るものであり、かつ、引用商標の一種を超硬工具に現に使用しているとして、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む)を提出している。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「2倍の、2重の、対になった」等の意味を有する「ダブル」及び「エクセル」の2語を単に結合したものであり、これを常に不可分一体のものとしてのみ把握されるべき格別の事情もないものであるから、その構成から「エクセル」の称呼、外観、観念が生じる。

さらに、本件商標権者に係る「WXL(ダブルエクセル)コーティング」の用語や切削工具あるいは超硬工具の一種であるエンドミルの写真が表示されている新聞広告(商経機械新聞2007年(平成19年)3月15日付:甲第4号証)、「新コートWXL(ダブル・エクセル)」の用語やエンドミルの写真等が表示されている商品カタログ(2007年(平成19年)2月発行:甲第5号証)及び「WXL(ダブル エクセル)コート」や「WXL(ダブル エクセル)コーティングエンドミルシリーズ」の用語等が表示されている投資家向け冊子「2006年株主通信 第94期」(甲第6号証)のいずれにも「WXLコーティング」の表示があり、これらは本件商標権者に係る同一の商品に関するものであると判断でき、本件商標「ダブルエクセル」が、ドット「・」で二分割された「ダブル・エクセル」や空白(スペース)で二分割された「ダブル エクセル」にまで及ぶことを認識していることも明らかであり、「エクセル」の称呼、外観、観念が生じることを自認するものである。

他方、引用商標1は、「エクセル」又は「EXCEL」の称呼、外観、観念が生じ、さらに引用商標2は、「エクセル」の称呼、観念が生じるものである。

したがって、本件商標と引用商標1とは、「エクセル」の称呼、外観、観念を共通にする類似のものであり、さらに本件商標と引用商標2とは「エクセル」の称呼、観念を共通にする類似のものである。

さらに、引用商標1は、「エクセル」及び「EXCEL」を2段に書した外観を有するものであるから、「ダブルエクセル」の観念を生じるものであるから、本件商標とは、「ダブルエクセル」の観念を共通にする類似のものである。

また、本件商標と引用商標とは、その指定商品についても同一又は類似のものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標について、その指定商品に含まれる超硬工具及び切削工具において実際に使用している。具体的には、同人の商品カタログ「NACHI 超硬ソリッド エンドミル」(1982年(昭和57年)12月発行:甲第7号証)、「NACHI 超硬ソリッド ドリル」(1983年(昭和58年)5月発行:甲第8号証)、「NACHI 超硬ドリル/超硬エンドミル」(1986年(昭和61年)10月発行:甲第9号証)、「NACHI タップ 総合」(1995年(平成7年)5月発行:甲第10号証)及び「NACHI 工具総合2007−2008 TOOLS」(2006年(平成18年)10月発行:甲第11号証)において、「エクセル ミル」、「EXCEL−mill」、「エクセル ミル ハイヘリ」、「EXCEL−mill Hi−Helix」、「エクセル ミル ロング」、「EXCEL−mill Long」、「エクセル ミル ボール」、「EXCEL−mill Ball」、「エクセルドリル」、「EXCEL−drill」、「EXCELシリーズ」、「EXCELタップ」、「EXCELスパイラルタップ」、「EXCELハンドタップ」、「EXCEL Spiral Tap」、「エクセルハンド タップ」及び「EXCEL Hand Tap」等を使用している。

さらに、申立人は、新聞広告(商経機械新聞2007年(平成19年)3月15日付、同4月12日付、同11月22日付:甲第12号証ないし甲第14号証)において、「エクセル シリーズ」、「エクセル ハンドタップ」及び「エクセル スパイラルタップ」を使用している。

したがって、本件商標権者が本件商標「ダブルエクセル」を指定商品について使用した場合(甲第4号証ないし甲第6号証)、これに接する需要者をして、その構成中の「エクセル」の文字部分は、引用商標を想起させ、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所に混同を生じさせるおそれがあることは明白である。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「ダブルエクセル」の片仮名よりなるところ、構成各文字は、標準文字(同じ書体、同じ大きさ)で、かつ、等間隔に表されていて、外観上纏まりよく一体的に看取し得るばかりでなく、これより生じる「ダブルエクセル」の称呼も一気一連に称呼し得るものであり、かつ、これよりは、何ら特定の意味合いを看取し得ない一種の造語と認識し把握されるものというべく、常に前記一連の称呼のみをもって取引に資される固有の商標とみるのが自然である。

なお、申立人は、本件商標権者に係る商品カタログ等において「新コートWXL(ダブル・エクセル)」や「WXL(ダブル エクセル)コート」などの使用例(甲第5号証及び甲第6号証)をもって、本件商標は二分割され「エクセル」の称呼、外観、観念が生じることを自認するものである旨述べている。しかし、それらの使用例はその構成・態様に相違がみられるものであって、これが本件商標に類似する商標の使用ということはできても、本件商標と引用商標の類否等の認定について、これを考慮するのは困難であり、その主張は単に使用状況を述べるに止まるものであって直に、採用することはできない。その他、前記認定を覆すに足りる証拠はない。

これに対して、引用商標は、その構成前記のとおり「エクセル」及び「EXCEL」の文字を二段横書きにしたもの、及び筆記体で表した「EXCEL」、とするものであって、いずれの場合も、それら文字より生じる「エクセル」の称呼をもって取引に資されるものといえる。

そこで、両者の類否についてみると、本件商標は、その構成文字に相応して「ダブルエクセル」の一連の称呼のみを生じるものであること前記のとおりであり、他方、引用商標は、「エクセル」の称呼を生じるものであるから、両者はその構成音数、音の配列を著しく異にし、彼此聞き誤るおそれはなく、また、外観の点においては、両者は全体の外観における印象を異にし、彼此見誤るおそれはなく、さらに、観念の点においては、本件商標が造語であるのに対し、引用商標は、「...に(性質・性能などで)まさる、しのぐ」等の意味を有する英単語「excel」に通じるという点で両者は判然と区別し得るものであるから、結局、両者は何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別異の商標というべきものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

上記3(2)のとおり「エクセル ミル」、「EXCEL−mill」、「エクセルドリル」、「EXCEL−drill」、「EXCELシリーズ」、「EXCELタップ」等々の表示をもって、引用商標が申立人の業務に係る「超硬工具及び切削工具」に使用し、これらを表示するものとして、本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識されたものであるとしても、本件商標は前記のとおり、引用商標とは別異のものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに引用商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、その登録について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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