Trademark Appeal Case
称呼類似と周知商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900047(T2008−900047/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5091873号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、ベース形の網状図形と「Lepidos」の欧文字とからなり、平成19年2月9日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年11月16日に設定登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)ないし(10)に示す各登録商標を引用し(以下纏めては「引用商標」という。)、申立人は現在、ピエール・カルダン、ピエール・バルマン、シャネル、ディオール等とともに、パリのオートクチュール連盟の数少ないメンバーの一つであり、デザイナーテッド ラピドス、オリビエ ラピドスのデザインにかかる被服等を長年世に提供し続けており、申立人のハウスブランド「Ted Lapidus」は、フランスはもとよりヨーロッパ、アメリカ等世界的に周知であって、申立人の名称及びハウスブランドの略称として広く用いられ、そして、申立人のハウスブランドは早くから日本に進出し、1960年代には既に西武百貨店と提携しデザイナーズブランドの先駆けとなったばかりでなく、多数のライセンシーを有し、申立人のハウスブランドは我が国においても周知であるから、商標権者が本件商標を出願し登録したものと解せざる得ない旨を述べて、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は、取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。
(1)引用商標
(a)登録第2212106号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LAPIDUS」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年12月7日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成2年2月23日に設定登録がされ、その後、同12年3月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続するものである。
(b)登録第2258208号商標(以下「引用商標2」という。)は、「LAPIDUS」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年12月7日に登録出願され、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録がされ、その後、同12年10月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続するものである。
(c)登録第723578号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおり、「Ted Lapidus」の筆記体からなる欧文字を横書きしてなり、昭和39年10月12日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同41年10月25日に設定登録がなされ、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、第8類、第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載の商品、並びに第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」に書換登録がされ、現に有効に存続するものである。
(d)登録第821201号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおり、「Ted Lapidus」の筆記体からなる欧文字を横書きしてなり、昭和42年3月28日に登録出願され、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、同44年6月12日に設定登録がなされ、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続するものである。
(e)登録第1155693号商標(以下「引用商標5」という。)は、「TED LAPIDUS」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年4月4日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同50年9月25日に設定登録がされ、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」に書換登録がされ、現に有効に存続するものである。
(f)登録第1427602号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(3)のとおり、「TED LAPIDUS」の欧文字と「T」と「L」のモノグラムとからなり、昭和49年5月28日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同55年7月31日に設定登録がされ、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。
(g)登録第4138779号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(4)のとおり、正方形輪郭線内に「T」と「L」の籠字様モノグラム図形と該「L」に内包されて書された「by TED LAPIDUS」の欧文字とからなり、平成9年1月20日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同10年4月24日に設定登録がされ、その後、同20年4月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続するものである。
(h)登録第4152643号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(4)のとおり、正方形輪郭線内に「T」と「L」の籠字様モノグラム図形と該「L」に内包されて書された「by TED LAPIDUS」の欧文字とからなり、平成9年1月20日に登録出願され、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、同10年6月5日に設定登録がされたものである。
(i)登録第4279043号商標(以下「引用商標9」という。)は、「テッド ラピドス」の片仮名を横書きしてなり、平成9年1月20日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年6月4日に設定登録がされたものである。
(j)登録第4815564号商標(以下「引用商標10」という。)は、「OLIVIER LAPIDUS」の欧文字を横書きしてなり、平成14年3月25日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年11月12日に設定登録がされたものである。
(2)本件商標と引用商標との類似
引用商標からは、「ラピドス」の称呼を、他方、本件商標からは、「レピドス」の称呼が生じるところ、両者は、僅かに第1音目の「レ」と「ラ」が相違するにすぎず、称呼において類似する。
よって、本件商標をその指定商品に使用したときは、取引者・需要者は、当該商品の出所を申立人又はそのライセンシーの製造販売にかかる商品と誤認混同するおそれがある。
さらに、本件商標の文字部分と引用商標1及び2、引用商標3ないし7及び10の構成中の「LAPIDUS」又は「Lapidus」の欧文字とは、外観においても類似し、仮に外観において類似しないとしても少なくとも外観において相紛らわしいから、かかる出所の誤認混同のおそれは、尚一層大きいものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、その構成中の欧文字部分は「Lepidos」の綴りよりなるものと容易に看取され、これがベース形の網状図形とは、観念的に或いは構成上において一体として繋がっているものともいい得ないから、該欧文字が独立して識別標識として機能するとみて差し支えないところ、かかる構成文字が我が国で知られる外国語といえるものでないから、特定の意味合いを有しない造語というべきであり、ローマ文字風読みに倣ってその構成文字に相応して「レピドス」の称呼を生じるものというのが自然である。
これに対して、引用商標は、その構成前記2(1)及び別掲(2)ないし(4)のとおり「LAPIDUS」の文字を単独で、又は、これに「TED」の文字を冠し、或いは、これらにモノグラム図形とを組み合わせたもの、「Ted Lapidus」又は「テッド ラピドス」や「OLIVIER LAPIDUS」を構成文字とするものであって、申立人は、いずれの場合にも、それら文字より「ラピドス」の称呼が生じる旨述べている。
(2)そこで、先ず、本件商標と引用商標1及び2との類否についてみると、本件商標の文字部分は、「Lepidos」であるが、一方、引用商標1及び2は、「LAPIDUS」の綴りからなり、共に7字構成よりなるところ、記憶し易い語頭部において「Le」と「LA」の差、及び語末部においても「dos」と「DUS」の差を有し、冗長ともいい得ない文字構成にあって、その印象に残りやすい語頭部分における綴りの相違は、視覚により両者を識別する上で大きいものであるというべきであり、語末部の相違も加えてみれば、両者は外観において相紛れるおそれはないといえる。
そして、称呼についてみるに、本件商標からは、その構成文字に相応して「レピドス」の称呼を生ずるものであること前記のとおりであり、一方、引用商標1及び2は、「LAPIDUS」の文字からなり「ラピドス」の称呼を生ずるとして対比するに、両称呼は、共に4音構成からなり、語頭の「レ」と「ラ」に差異を有するほか、その余の3音を同じくするものである。
しかして、該差異音「レ」(re)と「ラ」(ra)の音は、共にその子音は弾音であることから、はっきりとした音節として発声し聴取される音であって、両者の音構成は短い音数であり、かつ、該差異音は、称呼において重要な要素を占める語頭に位置するものであるから、それが全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するとしても、「レ」と「ラ」の音は明瞭に聴取され、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。
また、本件商標は、特定の観念を有しない造語といえるものであるから、両者の観念については比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標1及び2は、外観、称呼及び観念のいずれからみても非類似の商標であるといわざるを得ない。
(3)次に、本件商標と引用商標3ないし10との類否についてみると、前記2(1)及び別掲(2)ないし(4)のとおり、引用商標3ないし10の構成文字は、いずれも「LAPIDUS」、「Lapidus」及び「ラピドス」の文字が単独で構成されるものではなく、「TED」、「Ted」、「テッド」及び「OLIVIER」の各文字を冠し結合したものであるところ、申立人は、引用商標から「ラピドス」の称呼、及び構成中の「LAPIDUS」及び「Lapidus」の文字部分と外観上紛らわしい旨主張するが、俄に申立人の主張及び提出された証拠のみからはこれを認めることはできない。
そうとすれば、引用商標3ないし10からは、それぞれ「テッドラピドス」又は「オリビエラピドス」の称呼が生ずものであり、これと前記した本件商標から生じる称呼とは、その構成音数、音の配列を著しく異にし、互いに聞き誤るおそれはなく、また、外観の点においては、両者は全体の外観印象を異にし相紛れるおそれはないものである。
さらに、観念の点においては、本件商標は、特定の観念を有しない造語といえるものであるから、両者の観念については比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標3ないし10とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても、非類似の商標ということができる。
(4)なお、たとえ、引用商標が同人の業務に係る被服等を表示するものとして、本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識せられたものであるとしても、本件商標は前記のとおり、引用商標とは別異のものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに引用商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、その登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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