Trademark Appeal Case
商標の要部抽出と一体的観察
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900049(T2008−900049/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5092247号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATグループ」の文字を標準文字で表してなり、平成18年12月20日に登録出願された商標登録願(商願2006−117548)を原出願として、商標法第10条第1項の規定に基づき、平成19年8月29日に登録出願されたものであり、第35類「自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査」、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」ほか、第35類、第36類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年11月16日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録商標は、以下(1)及び(2)のとおりであり(以下まとめて「引用商標」という。)、その商標権は、いずれも存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続しているものである。
(1) 登録第4109484号商標は、後掲のとおり、やや図案化された「AT-T」の文字を書してなり、平成8年4月8日に登録出願され、第35類「広告文の作成,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,科学技術者のあっせん」を指定役務として、平成10年2月6日に設定登録されたものである。
(2) 登録第4102283号商標は、後掲のとおり、やや図案化された「AT-T」の文字を書してなり、平成8年4月8日に登録出願され、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成,通訳,翻訳,デザインの考案」を指定役務として、平成10年1月16日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立て理由の要点
登録異議申立人は、本件商標は標準文字で表された「AT」及び「グループ」の各文字を結合させた商標であり、企業系列・集団を表す「グループ」の文字は、普通名称であるから、自他商品(役務)の識別力は弱く、通常、「AT」のローマ字部分が自他商品(役務)の識別機能を有する要部である。一方、引用商標は、要部がデザインされた「AT」よりなるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、共に「AT」の外観を共通にする類似のものであり、「AT」より生じる称呼「エイティー」と、特定の観念を生じない点も共通にする同一のものである。そして、本件商標と引用商標とは、その指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである旨申し立てた。
4 当審の判断
(1) 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記1のとおり、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表された「ATグループ」の文字からなるものであり、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、殊更に「AT」と「グループ」を分離しなければならないような格別の事情があるものとは認められない。
しかして、企業系列・集団を表す「グループ」の文字は、普通名称であるから、自他商品(役務)の識別力は弱い旨述べるところの登録異議申立人の主張は、単に言葉の種別を述べるに止まるものであって妥当でなく、採用の限りでない。
これに対し、引用商標は、後掲のとおり、やや図案化した「AT-T」の文字よりなるものであるところ、その構成は「AT」と「T」の欧文字を半角程度のハイフンで連結してなると看取され、かつ書体自体も統一的に図案化されてなるから、構成全体を一体のものとして認識されるものというのが相当であって、単に「AT」の文字部分が分離し抽出され、独立した識別標識として機能するとみるのは自然でない。
してみると、本件商標と引用商標とは、一部に欧文字「AT」を有すること以外は、その文字書体や構成文字を異にし、外観的印象において相違するものであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに相紛れるおそれはなく、外観上明らかに区別し得るものである。
次に、両商標の称呼についてみるに、本件商標は、前記のとおり、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであるばかりでなく、これより生じる「エイティーグループ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。一方の引用商標は、同様にその構成文字に相応して、「エイティーティー」の称呼を生ずるとみるのが自然であるから、両称呼はその構成音数、音の配列を著しく異にし、互いに聞き誤るおそれはなく、両商標は、称呼上同一又は類似する商標ということはできない。
さらに、本件商標と引用商標は、いずれも既成の語といえるものでなく、特定の意味合いを有しない造語というべきものであるから、観念上比較することはできない。
以上のとおり、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(2) むすび
したがって、本件商標は、その指定役務中「第35類 自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査」及び「第42類 デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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