Trademark Appeal Case
色と果実名の結合商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−2263(T2006−2263/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「REDMANGO」の欧文字と「レッドマンゴー」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなり、第29類、第30類、第32類、第35類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年12月21日に登録出願され、その後、原審における同17年10月3日付け提出の手続補正書にて第29類「ヨーグルト,ヨーグルト飲料,乳製品,冷凍果実,加工野菜及び加工果実,豆乳」、第30類「フローズンヨーグルトアイスクリーム,ベーグル,菓子及びパン,茶,コーヒー及びココア,氷,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」並びに第32類「ヨーグルト風味の清涼飲料,ヨーグルト風味の乳清飲料,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『REDMENGO』(「MENGO」の文字部分について「MANGO」の誤記と認められる。以下同じ。)及び『レッドマンゴー』の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるものであるが、これはその構成文字である『RED』、『レッド』、『MENGO』、『マンゴー』の有する語意により、本願商標全体として、『赤いマンゴー(果実)』を意味するものであって、本願指定商品を取り扱う業界においては、マンゴーの果実がジャム、ゼリー、サラダ、シロップ漬け、缶詰、飲料、菓子、調味料、香料などに広く利用されることが知られていることから、このような商標を、その指定商品又は指定役務中、マンゴーを使用した商品又は役務に使用したときは、その商品又は役務の品質又は質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品又は役務に使用するときは、その商品又は役務の品質又は質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標は、上記第1のとおり「REDMANGO」の欧文字と「レッドマンゴー」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、その構成中、「RED」、「レッド」の文字(語)は、英語「red」に由来し、「赤。赤色。」を意味しており、また、「MANGO」、「マンゴー」の文字(語)は、英語「mango」に由来し、「ウルシ科の常緑高木。東南アジアの原産。高さ約10メートル。葉は厚く、披針形、長さ30センチメートル。枝の頂に黄色小花を付け、楕円形、黄色の核果を結ぶ。美味。独特の異臭がある。代表的な熱帯果実で世界で広く栽培。」(いずれも、株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)を意味する語として、一般に理解され、認識されているものといえることから、本願商標が、「RED」の文字と「MANGO」の文字とを、並びに「レッド」の文字と「マンゴー」の文字とを、それぞれ結合してなるものと容易に理解し得るものと認められる。
2 次に、「マンゴー」については、別掲第1に掲げる、書籍、新聞記事、インターネット上のウェブページの各記載によれば、マンゴーには、その果皮が赤色、若しくは赤色系統のものがあることが一般に理解され、認識されているものと認められる。
3 ところで、本願指定商品と関係を有する商品業界において扱われる野菜や果実は、「カット野菜」や「カットフルーツ」として、洗浄と切断がすんだ状態で販売されるものが見受けられるところではあるが、一般には、収穫された形状そのままで販売されているものである(切断されることなく収穫された形状で店頭で配列されている例として、農林水産省のウェブページ中「農林漁業現地事例情報」の、「地産地消の拠点として成長を続ける大型直売所[沖縄県・糸満市]」(http://www.jri.maff.go.jp/jirei/doc/2005/005/109.html)に掲載されている画像、及び、「大型スーパー、JA、生産者が連携して、地産地消を推進[愛知県・弥富町]」(http://www.jri.maff.go.jp/jirei/doc/2005/005/057.html)に掲載されている画像。)。
4 さらに、別掲第2に掲げる書籍、インターネット上のウェブページの記載によれば、野菜や果実には、「紫キャベツ」、「赤たまねぎ」、「黒皮すいか」、「黄皮すいか」、「黒皮栗かぼちゃ」、「青みかん」等、野菜や果実の表面や皮の色を冠した商品の名称が、一般に使用されていることが認められるとともに、これらの野菜や果実は、その表面や皮の色に対して、身や肉部分の色が表面や皮と同じ色あるいは同系統の色をしているものではないことも認められる。
5 そして、別掲第3に掲げる新聞記事、インターネット上のウェブページ記事の記載によれば、「赤いマンゴー」、「レッドマンゴー」、「紅マンゴー」、「Red Mango」等の文字について、本願指定商品と関係を有する「マンゴー」を取り扱う業界において、広く採択され、使用されている実情が認められるところ、その意味合いは、別掲第1に記載の事実をもふまえてみると、本願商標が、商品の特徴として「果皮が赤い色のマンゴー」であることを容易に理解させるにとどまる語であるということができる。
6 加えて、別掲第4に掲げるインターネット上のウェブページによれば、本願指定商品中「マンゴー」を原材料とする商品について、そのパッケージにマンゴーの果実の外観の絵、画像及び「マンゴー」の文字が使用されていることも認められる。
7 以上よりすれば、「REDMANGO」及び「レッドマンゴー」の文字からなる本願商標を、その指定商品中、「マンゴーを使用した商品」について使用するときには、これに接する需要者は、「赤いマンゴー」の意味合いを表したと理解し、認識するにとどまるものと認められるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものというべきである。
また、本願商標は、その指定商品中「赤いマンゴーを使用した商品」以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
8 ところで、請求人は、「食品の材料として使用されているマンゴーの果肉あるいは果汁の色は、オレンジがかった黄色をしており、マンゴーが材料として使用された食品の色彩はマンゴーの果肉あるいは果汁の色を反映してオレンジがかった黄色をしている。」、「わが国の需要者が本願商標に接した場合、その指定商品であるヨーグルトアイスクリーム(あるいはその他の食品)の材料に『赤いマンゴー』が使用されていると認識することはない。」旨、並びに、「本願商標は、韓国のフランチャイズチェーンの商標(ブランド)である。『REDMANGO』を冠したフランチャージーの店舗では、フルーツをトッピングした低脂肪のヨーグルトアイスクリーム等が提供されており、人気を博している。」、「韓国で『REDMANGO』に接した日本人は、『REDMANGO』を『赤いマンゴー』と翻訳し、ヨーグルトアイスクリーム等の品質を表示する言葉というより造語ととらえ、店舗の名称、自身が食べたいと欲する低カロリーのヨーグルトアイスクリーム等の商品の標識として認識していることがうかがえる。」旨主張している。
しかしながら、仮に本願商標自体は造語であるとしても、それを構成する各単語の語義、並びに別掲第1に記載の事実を踏まえてみると、本願商標からは原査定が説示する意味合いを有する複合語として認識されるものであって、さらに、我が国では、別掲第3及び別掲第4のとおり使用されている事実よりすれば、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有しないこと、上記のとおりであって、この点につき、請求人の主張は採用することができない。
9 あわせて、請求人は、「本願商標の指定商品である食品の業界において、材料表示や加工方法の表示等を冠して品質を表すことは多用されていても、色彩をもって食品の品質を表すことは一般には行われていないことから、本願商標が食品(商品)の品質を直接かつ具体的に表示するものとは認め難いところである。」旨主張している。
そこで、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて争われた裁判(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)の判決を見てみると、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」と判示しているところである。
また、原査定において、引用した各判決においても、同様の判示がなされているところである。
してみれば、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され、把握され得るかによって判断されなければならないというべきであり、本願商標からは、「赤いマンゴー」の意味合いを容易に看取されることは上記のとおりであるから、請求人のこの主張も採用することができない。
10 さらに、請求人は、「酒類、加工食品、飼料の材料を意味する言葉と、色彩あるいは商品の形状を意味する言葉とが結合した」登録商標を引用して、本願商標が登録要件を具有するものであると主張しているが、そもそも、商標の識別性の判断は、各商標につき、それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであり、事案を異にする登録例をもって本件の判断が拘束されるものでないから、この点についても、請求人の主張は、採用することができない。
11 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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