1 本願商標
本願商標は,「てのりバレル」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する願書に記載の商品を指定商品として,平成19年5月11日に登録出願され,その後,指定商品については,同20年1月25日付手続補正書により,第9類「理化学機械器具」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願の拒絶の理由に引用した登録第5049535号商標(以下「引用商標」という。)は,「手のり」の文字を標準文字で表してなり,平成18年8月18日登録出願,第9類及び第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同19年5月25日に設定登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおりの構成よりなるところ,構成各文字は同じ大きさ,同じ間隔で表され,全体として,外観上まとまりよく一体的に看取されるものであって,しかも,その構成文字全体より生ずると認められる「テノリバレル」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,本願商標構成中の「バレル」の文字は,「八角形または六角形の容器」の意味合いを理解される場合があるとしても,本願商標のかかる構成及びその指定商品との関係よりすれば,構成全体をもって,一体不可分の一種の造語を表したものと理解されるとみるのが自然であって,殊更,本願商標を「てのり」と「バレル」とに分離し,「てのり」の文字部分のみを抽出して考察しなければならないとする特段の事情は見いだせない。
そうとすると,前記構成からなる本願商標にあっては,その構成中の「テノリ」の語のみが分離して観察されるというよりは,構成文字全体に相応して,「テノリバレル」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
他方,引用商標は,前記2のとおり,「手のり」の文字よりなるものであるから,これより「テノリ」の称呼を生じること明らかであり,該文字は,特定の意味を有する成語とも認められないから,造語であるというべきである。
してみれば,本願商標より生ずる「テノリバレル」の称呼と引用商標より生ずる「テノリ」の称呼とは,それぞれの音構成及び構成音数に顕著な差異を有するものであるから,両者をそれぞれ一連に称呼するときは,称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。
また,本願商標と引用商標とは,いずれも,特定の意味合いを有しない造語であるから,観念については比較し得ないものであり,外観においては,商標の構成がそれぞれ前記のとおりであり,明確な差異を有するから,互いに区別し得るものである。
してみれば,本願商標と引用商標とは,外観,称呼,観念のいずれの点よりみても,互いに類似しない商標というべきである。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえないから,これを理由に本願を拒絶すべきものとすることはできない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。