Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−28296(T2007−28296/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Legacy Factory Automation Computer」の文字を横書きしてなり、第9類「コンピュータ」を指定商品として、平成18年9月6日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4519184号商標(以下「引用商標」という。)は、「LEGACY」の文字を標準文字で表してなり、平成12年9月18日登録出願、第1類ないし第32類、及び第34類に属する別紙記載の商品を指定商品として、同13年11月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、原審において本願の拒絶の理由に引用された国際登録第884880号商標は、平成20年2月21日に拒絶査定が確定している。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「Legacy Factory Automation Computer」の文字よりなるところ、その構成文字全体をもって、一般に親しまれた特定の意味合いを認識させる既存の語とは認められず、必ずしも一体不可分にのみ認識されなければならない特別な事由は見いだせない。
また、構成中の「Factory Automation」の文字は、我が国において「工場、生産部門の生産システムの自動化、省力化、無人化」又は「工場におけるオートメーション」を意味する外来語として、「Computer」の文字は、「電子計算機」を意味する外来語として、共に広く親しまれている。
そして、工作機械等の各種産業機械を有する工場、生産ラインの場にあっては、ロボットによる工作機械等の無人化に伴い、該工作機械等を自動制御する頭脳部としてコンピュータ(Computer)が多く用いられ、コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化することは周知の事実であるといえる。
そうとすれば、これに接する者をして、「Factory Automation Computer」の文字部分は、上述した「コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化すること」の意味合いを表す語として理解され、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たしていないか、自他商品の識別標識としての機能を果たしていたとしても、その機能は極めて弱いものと認識されるとみるのが相当であって、本願商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たしているのは「Legacy」の文字部分にあるものと認められる。
さらに、本願商標を構成する「Legacy」と「Factory Automation Computer」の両文字間の関連性は希薄なものであって、かつ、これを全体として称呼した場合は、24音と極めて冗長に亘るといえるものである。
かかる場合、取引の簡易迅速を旨とするこの種商品の取引者間においては、適宜呼び易く親しみ易い文字部分を抽出し、他の部分を捨象して簡便に取引に資する場合が決して少なくないといえる取引事情に照らし、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「Legacy」の文字部分に注意を惹かれ、該文字部分より生ずる「レガシー」の称呼、及び「遺産、受け継いだもの」の観念をもって取引に当たる場合も少なからずあるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、 前記2のとおり、「LEGACY」の文字よりなるものであるから、該構成文字に相応して、「レガシー」の称呼、及び「遺産、受け継いだもの」の観念をも生ずるものと認められる。
また、本願商標は「Legacy」の文字をもって取引にあたる場合のあると認められること上述したとおりであり、引用商標も「LEGACY」の文字をもって取引に資されるものといえるから、取引者、需要者が時と処を異にしてこれらに接する場合には、該構成文字が欧文字の小文字と欧文字の大文字の違いはあるとしても外観上近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることも否定できない。
(2)請求人は、本願商標の構成各文字は、同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「レガシーファクトリーオートメイションコンピュータ」の称呼もやや冗長なものであるとしても、よどみなく一連に称呼し得るものであり、また、構成中の「Factory Automation Computer」の語は、「コンピュータによる自動化、コンピュータによる省力化」の意味を有する電気通信関連の用語として一般的に指称されているものではない旨主張している。
しかしながら、本願商標に係る指定商品は、前記1のとおりであるところ、同種の商品を製造、販売する企業が存在することは容易に推認できるところであり、そのような企業の中から取引先を選択する過程においては、新聞や雑誌等の各種媒体による宣伝広告、報道、記事等を通じて本願商標を記憶し、その記憶を通じて、取引に資するものと考えられる。
そして、その際には、本願商標は、上記で述べたとおり、「Legacy Factory Automation Computer」の文字部分が常に一体不可分のものとしてのみ認識される特段の事情は見いだし得ないものであるから、これに接する取引者、需要者は、その構成全体の前半部に表され、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「Legacy」の文字部分に着目し、これをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
また、本願商標は、前記のとおり24音と極めて冗長といえるから、その全体から生ずる称呼によってのみ把握されるものであるということはできず、その一部の構成部分によって簡略に称呼、観念され、取引に資されることも少なくないものというべきである。
その他、請求人の主張を認めるに足りる証左は見出せないから、その主張は採用することができない。
(3)してみれば、本願商標と引用商標とは、「レガシー」の称呼、「遺産、受け継いだもの」の観念を共通にし、外観上もある程度近似した印象を与えるものであって、全体として類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。