Trademark Appeal Case
結合商標の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−28028(T2006−28028/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成17年8月30日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりである。
(1)登録第2219231号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LOVE」の欧文字を横書きしてなり、昭和46年8月5日に登録出願、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、同12年5月23日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第2219232号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ラブ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和46年8月5日に登録出願、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、同12年5月23日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(3)登録第2431617号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和48年5月10日に登録出願、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録され、その後、同14年5月28日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。さらに、平成16年3月3日に指定商品を第3類「歯みがき,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(4)登録第4277280号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成9年12月22日に登録出願、第3類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同11年5月28日に設定登録されたものである。
(5)登録第4522976号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ラブ」の片仮名文字と「LOVE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年1月9日に登録出願、第3類「歯みがき,化粧品,香料類」を指定商品として、平成13年11月16日に設定登録されたものである。
以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。
3 原査定の拒絶理由の要点
本願商標は、引用商標と同一又は類似であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標は、別掲(1)のとおり、アンダーラインを挟んで上段に大きく「Love cosmetic」の欧文字及び下段に上段よりはるかに小さい「for two persons who love」の欧文字を二段に表し、その下部に「Love cosmetic」とほぼ同じ大きさではあるものの間隔をやや狭くして「ラブコスメティック」の片仮名文字を横書きし、さらに上記「Love cosmetic」の「m」と「e」の文字間の上部に左方向に横に向いているハートを基調とする図形を配してなるところ、各欧文字、片仮名文字及び図形が常に一体不可分のものとしてのみ認識し、把握されるとする格別の事情もないところから、看者の注意を惹くように大きく表された「Love cosmetic」の欧文字と「ラブコスメティック」の片仮名文字が、他の欧文字及び図形と独立して自他商品の識別標識として機能を果たし得るものである。
ところで、「Love cosmetic」の欧文字部分は、「Love」と「cosmetic」の間に1文字程度の間隔があり、外観上、「Love」と「cosmetic」の2語に分離されて看取されるばかりでなく、これより生ずる「ラブコスメティック」の称呼は比較的冗長であり、かつ、これらが常に一連一体のものとしてのみ認識されなければならない格別の理由も見いだせない。
そして、「Love cosmetic」の「cosmetic」の部分は、「化粧品」を意味する平易な英語であって、化粧品を取り扱う業界においては広く使用されており、しかも、本願商標の指定商品である「化粧品」との関係では、その商品名を表示したものであって、それ自体、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
また、「ラブコスメティック」の文字は、「Love cosmetic」の読みを片仮名で表示したものと認められるから、「cosmetic」の表音である「コスメティック」の部分が、「cosmetic」と同様に自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうとすると、本願商標は、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得る「Love」及び「ラブ」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資されることも少なくないというのが相当である。
してみれば、本願商標は、該「Love」及び「ラブ」の各語が、「愛、愛情」等を意味する平易な英語及び外来語であって、日常親しまれている語であるから、これよりは「ラブ」の称呼及び「愛、愛情」の観念を生ずるというべきである。
他方、引用商標1は、「LOVE」の欧文字よりなるもの、引用商標2は、「ラブ」の片仮名文字よりなるもの、引用商標3は、別掲(2)に示すとおり、筆記体の「LOVE」の欧文字と、「ラブ」の片仮名文字とを上下2段に併記したもの、引用商標4は、多少デザイン化されてはいるものの「Love」の欧文字を普通に用いられる態様の域を脱しない方法で書したもの、引用商標5は、「ラブ」の片仮名文字と「LOVE」の欧文字とを上下2段に併記したものよりなるものである。
そして、引用商標は、それぞれの構成文字の「Love」及び「ラブ」の各語は、本願商標と同様に、「ラブ」の称呼及び「愛、愛情」の観念を生ずるものである。
そうしてみると、本願商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観においては相違するものの、「ラブ」の称呼及び「愛、愛情」の観念を共通にする類似の商標といわなければならない。かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、請求人が挙げる登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものである。また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は、平成19年5月8日付早期審理に関する事情説明書において、本願商標は化粧品について使用して周知であり、引用商標との間で出所の混同を生じるおそれはないとし、それを裏付ける事実としてインターネットのホームページ抜粋(甲18ないし甲22)を提出している。しかしながら、これらの各証拠からは、本願商標の使用開始時期、使用期間、売上高、広告宣伝の方法、回数及び内容、市場占有率等について具体的に示されてなく、これらの証拠をもってしては、本願商標が需要者の間に広く認識されているものとは認められないから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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