sokuhyo

Trademark Appeal Case

複合商標の要部と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−19827(T2007−19827/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第25類及び第28類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年4月14日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における平成19年1月12日提出及び当審における平成19年9月10日提出の手続補正書により、第25類「スウェットスーツ,吸汗性下着,ジャージー製被服,ニット製被服,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,ボクサーパンツ,サッカーパンツ,陸上競技用衣服,その他の運動用特殊衣服,屋内競技用靴,その他の運動用特殊靴」、第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用パッド,その他の運動用具」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第366077号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ATHLETE」の文字を横書きし、その下に「アスリート」の文字を縦書きした構成からなり、昭和21年7月13日に登録出願、第65類「玩具及運動遊戯具」を指定商品として、昭和21年9月25日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成19年3月22日、第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「スリーピングバッグ,揺りかご,幼児用歩行器」、第21類「コッフェル」及び第28類「おもちゃ(おもちゃ花火・折り紙・きびがら・千代紙を除く),人形,運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

同じく、登録第366580号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ATHLETE」の文字を横書きし、その下に「アスリート」の文字を縦書きした構成からなり、昭和21年7月13日に登録出願、第36類「被服、手巾、釦鈕及装身用『ピン』ノ類」を指定商品として、昭和21年10月28日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成19年5月9日、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第14類「カフスボタン,ネクタイピン,宝石ブローチ」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第21類「家事用手袋」、第24類「布製身の回り品,経かたびら」、第25類「被服(頭から冠る防虫網・あみ笠・すげ笠・ナイトキャップを除く。),運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。),マラソン足袋,地下足袋」及び第26類「帯留,こはぜ,ボタン,衣服用ブローチ」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

同じく、登録第625895号商標(以下「引用商標3」という。)は、「アスリート」の文字を書してなり、昭和37年6月15日に登録出願、第17類「トレーニングシヤツ、トレーニングパンツ、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和38年10月4日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年2月25日、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

以下、これらを併せて「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否等について

本願商標は、別掲のとおり、最上部で中央の1つが水平に対して少しずれのある3つの星を左右から横線で挟み、その下に、「ATHLETE」の文字を他の文字に比して略5倍程の大きさをもって太い線で表し、その下に横線を配し、更にその下に「AUTHENTIC SPORTSWEAR SINCE 1935」と表してなるものである。

しかして、本願商標の構成にあって、「ATHLETE」の文字部分と他の図形や文字が、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき格別の理由はなく、また、「ATHLETE」の文字部分は、独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

そして、「ATHLETE」の文字は、「アスリート」と発音され、「運動選手(アスリート)」を意味する英語として近時我が国においても親しまれている英語である。

してみると、本願商標に接する取引者、需要者は、中央に顕著に大書された「ATHLETE」の文字部分に強く印象を留め、これから生ずる「アスリート」の称呼及び「運動選手」の観念をもって、取引にあたる場合が決して少なくないとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、「アスリート」の称呼及び「運動選手」の観念を生ずるものである。

一方、引用商標1及び2は、前記2のとおり、「ATHLETE」及び「アスリート」の文字からなるものであり、また、引用商標3は、「アスリート」の文字からなるものであって、いずれも、その構成において「ATHLETE」あるいは「アスリート」の文字を有するものであるから、当該文字から自然に「アスリート」の称呼を生じ、また、その構成文字に相応して「運動選手」の観念を生ずるものである。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「アスリート」の称呼及び「運動選手」の観念を共通にするものである。

次に、外観をみると、図形と文字とからなる本願商標と文字からなる引用商標とは、全体としては外観構成が相違するものではあるが、本願商標と引用商標1及び2とにおいては、その構成における欧文字が共に「ATHLETE」という近似性を有するものである。

しかして、前記の外観上の違いを有するとしても、本願商標と引用商標とは、「アスリート」の称呼及び「運動選手」の観念を共通にする商標であって、時と処を異にする取引の実際にあっては、これらを同一又は類似の商品に使用すれば、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ないから、本願商標と引用商標とは類似の商標と判断されるものである。

また、本願の指定商品は、各引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。

したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標について、栄光や繁栄を象徴するような3つの星の図形が標章において最も顕著である上部、しかも中央に存在し、下部には1935年からの請求人の築き上げた信頼が述べられており、この両方の概念が、運動家を思わせる「ATHLETE」を上下から挟むことにより、看者は運動家としての栄光と、それを助ける請求人の事業に関する実績が謳われているのを感じ取るはずである。つまり、単に運動家を想起させる引用商標と、商標に接して即座に見る者の脳裏に前述のような請求人の業務に関する理想と、実際に築いてきた実績を印象付ける本願商標とは、余りにも看者に与えるものが異なる。さらに、外観のように見てすぐわかるほど明白ではないが、上記のとおり想起させるものが違うため、観念もまた異なるものである旨主張する。

しかしながら、商標採択に際して請求人主張の意図が仮に前記のとおりであったとしても、また、上部の3つの星の図形や下部の文字が「ATHLETE」を強く印象づける付記付飾として看取される場合があるとしても、星の図形と下部の文字をもって「ATHLETE」の文字を挟んで表した構成態様によって、これらが観念的に常に融合して、単なる運動家とは別異で独自の印象や観念を看取させるとまでは認め難いものである。

そして、簡易迅速を尊ぶ取引にあっては、取引者や需要者が、本願商標の構成の中央に顕著に大書きされた「ATHLETE」の文字部分に強く印象を留め、記憶し、これから生ずる称呼や観念をもって取引に資することが、取引上不自然とはいえず、むしろ普通に行われることというべきであって、本願商標と引用商標とが称呼や観念を共通にするものでありながら、本願商標の構成態様を理由に、商品の出所について誤認混同のおそれが全くないとすることはできない。

したがって、請求人の主張によって前記(1)の判断は左右されない。

(3)結語

以上のとおり、引用商標をもって本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であるから、原査定を取消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。