Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−14210(T2005−14210/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ベジィアイス」の片仮名文字と「Veggie ice」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成16年9月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『Veggie ice』の文字と、その上部にその表音と認められる『ベジィアイス』の文字を普通に書してなるところ、その構成中の『Veggie』『ベジィ』の文字部分は『野菜』等を、『ice』『アイス』の文字部分は『氷菓子』等を、それぞれ意味する語として一般に広く使用されているから、これよりは全体として『野菜を使用したアイス』程度の意味合いを認識させるにすぎず、これを本願指定商品中、例えば『野菜を使用したアイス』等に使用するときは、単に、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲に記載の事実を発見したので、平成20年6月6日付けの証拠調べ通知書により、請求人に対し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
上記3の「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もなかった。
5 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「ベジィアイス」の片仮名文字と「Veggie ice」の欧文字とを上下2段に横書きしてなるところ、その構成中、「Veggie」、「ベジィ」の文字(語)は、英語「veggie」に由来し、「野菜」(株式会社小学館発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」、株式会社研究社発行「研究社新英和大辞典」)を意味しており、また、「アイス」、「ice」の文字(語)は、英語「ice」に由来し、「氷。アイス‐クリーム・アイス‐キャンデーの略。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)を意味する語として、一般に理解され、認識されているものといえることから、本願商標が、「ベジィ」の文字と「アイス」の文字とを、並びに「Veggie」の文字と「ice」の文字とを、それぞれ結合してなるものと容易に理解し得るものと認められる。
そして、別掲の第1に記載の各事実によれば、本願指定商品中「アイスクリーム」等を取り扱う業界においては、野菜を原材料に使用するアイスクリーム等の氷菓子が製造販売されていること、並びに、野菜を原材料に使用するアイスクリームを「野菜アイス」「野菜アイスクリーム」と用いていること、さらには、商品「アイスクリーム」に「ベジアイス」の語が使用されていることが認められる。
そうとすれば、「ベジィアイス」及び「Veggie ice」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中、「野菜を使用したアイス」について使用するときには、取引者、需要者をして、「野菜を原材料に使用したアイス」であることを表示したものであると理解、認識するにとどまるというのが相当であって、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。
また、本願商標は、その指定商品中「野菜を使用したアイス」以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
ところで、請求人は、「本願商標は、『ベジィ』または『Veggie』、『アイス』または『ice』の二つの語を結合して出願人が作り出した造語である。」旨主張している。
しかしながら、仮に本願商標自体は造語であるとしても、それを構成する各単語の語義、並びに上記の各事実を踏まえてみると、本願商標からは原査定が説示する意味合いを有する複合語として認識されるものであり、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有しないこと、上記のとおりであって、この点につき、請求人の主張は採用することができない。
あわせて、請求人は、「本願指定商品を取扱う業界において、『ベジィアイス』『Veggie ice』なる語が商品の品質、原材料表示としては言うに及ばず、その他の表示としても普通に使用されている事実はなく、インターネット情報を見ても『ベジィアイス』『Veggie ice』なる語を一連に連綴してなる本願商標と同様の標章の使用例は見当たらず、本願商標は指定商品との関係においても決して商品の品質、原材料を表示するものではない」旨主張している。
しかしながら、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて争われた裁判(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)の判決を見てみると、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」と判示しているところである。
してみれば、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され、把握され得るかによって判断されなければならないというべきであり、本願商標からは、「野菜を使用したアイス」の意味合いを容易に看取されることは上記のとおりであるから、請求人のこの主張も採用することができない。
さらに、請求人は、「Veggie」、「ベジィ」、あるいは、「アイス」、「ice」の文字(語)を結合した登録商標を引用して本願商標が登録要件を具有するものである旨主張しているが、そもそも、商標の識別性の判断は,各商標につき、それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、請求人の主張している登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、この点についても、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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