Trademark Appeal Case
接尾語「くん」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−2224(T2008−2224/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「太陽くん」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年1月15日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審における同年6月29日付け手続補正書により補正された結果、第9類「電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第16類「印刷物」となったものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりであり、それらの商標権は、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
(1)登録第89159号商標は、縦書きで「太陽」の文字を書してなり、大正6年9月26日登録出願、第66類「雑誌」を指定商品として、同6年11月16日に設定登録され、その後、平成20年1月30日に指定商品を第16類「雑誌」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1872590号の1商標は、「太陽」の文字を横書きしてなり、昭和58年5月9日登録出願、第11類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、同61年6月27日に設定登録され、その後、平成18年3月29日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」とする指定商品の書換登録がなされ、同年10月25日に指定商品中、第9類「電線及びケーブル」について本権の分割移転がなされ、さらに、商標権の一部取消し審判により、指定商品中、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く)を除く。),交流発電機,直流発電機,及びこれらに類似する商品」及び第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,及びこれらに類似する商品」について取り消すべき旨の審決がされ、同19年7月20日にその確定審決の登録がされたものである。
(3)登録第4290095号商標は、「太陽」の文字を横書きしてなり、平成9年10月21日登録出願、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,ロケット,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」を指定商品として、同11年7月2日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「太陽くん」の文字を書してなるところ、これよりは、視覚上「太陽系の中心をなす天体で、恒星の一。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味合いを有する「太陽」の文字と、同輩や目下の人の姓名に付けて、親しみや軽い敬意を表す語として用いられる「君」に通ずる「くん」の文字を結合してなるものと容易に理解されるものである。
しかして、本願商標は、その構成中後半の「くん」の文字部分が、前半の「太陽」という名前に付加したにすぎないものと認識され、格別印象に残る部分とはいえず、また、構成全体として特定の観念をもって親しまれた一体不可分の熟語等を表すものともいえないから、これに接する取引者・需要者は、該「くん」の文字部分を省略し、前半の「太陽」の文字部分を自他商品の識別標識として捉らえ、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、全体として「タイヨウクン」の称呼を生ずるほか、前半の「太陽」の文字部分に相応した「タイヨウ」の称呼及び「太陽(太陽系の中心をなす天体)」の観念をも生ずるものである。
他方、引用商標は、「太陽」の文字を書してなり、これよりは該文字に相応した「タイヨウ」の称呼及び「太陽(太陽系の中心をなす天体)」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「タイヨウ」の称呼及び「太陽(太陽系の中心をなす天体)」の観念を同じくするものであり、また、「太陽」の漢字を共通にする外観においてもある程度近似した印象を与えることから、両者は全体として相紛れるおそれのある類似の商標であると判断するを相当とするものである。
そして、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「君、くん」などが付加された商標に係る審決例を挙げて本願商標も不可分一体である旨主張しているが、それらの事例は、商標の具体的な構成が本願とは異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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