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結論

勝訴(請求認容)

商標「さわらずポイッ」の結合商標の識別力(第3条第1項第3号|審判不服2008−14111(T2008−14111/J1))

審判番号
不服2008−14111(T2008−14111/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「さわらずポイッ」
争点(論点)
結合商標の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2008−14111(T2008−14111/J1)・不服)は、本件商標「さわらずポイッ」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「さわらずポイッ」の文字を標準文字で表してなり,第7類「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー」を指定商品として,平成19年4月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は,「本願商標は,その構成文字中『さわらず』が『触る』の否定形の『触らない』を意味する言葉であり,同じく『ポイッ』が『軽く捨て,また投げなどするさま』をいう擬態語であって,いずれも日常親しまれ使用されていることから,『さわらずポイッ』の文字は『手を触れないで簡単に捨てることができる』ほどの意味合いを表すものである。そして,これをその指定商品に使用しても,使用中・使用後に発生するゴミ,くず,滓等を上記意味合いのように簡単に捨てられることを端的に表現したにすぎず,単に商品の品質を表示したものと理解,認識されるにとどまるものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断をして,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,前記1のとおり,「さわらずポイッ」の文字を標準文字で表してなるところ,該構成文字は,同じ大きさ,同じ間隔で,外観上まとまりよく一体的に表されているものである。

そして,本願商標を構成する「さわらず」の文字は「手で触れる。接触する。かかわる。」などの意味を有する「さわる(触る)」の語に,「未然形に接続して打消を表す」助動詞「ず」(いずれも「広辞苑 第6版」岩波書店発行,1155頁,1471頁)を接続してなるものと理解されるものであるから,「さわらない(触らない)」程の意味合いを理解させるものである。また,後半の「ポイ」の文字部分は,「軽く捨て,また投げなどするさま」をいい表す「ぽい」の語(前出「広辞苑 第6版」2550頁)に通じるものと理解され,「暮らしのことば 擬音・擬態語辞典」(498頁 2003年12月25日第三刷 株式会社講談社発行)には,「ぽいぽい:軽い気持ちで次から次に物を投げたり,捨てたりする様子。」との記載があり,「◆類義語『ぽい』『ぽいっ』」として,「『ぽいぽい』は繰り返される動作をいうが,『ぽい』『ぽいっ』は一度きりの動作をいう。『ぽい』より『ぽいっ』の方が手離れがよい。」と掲載がされていることからすると,「ぽい」又は「ぽいっ」の語は,擬態語(「視覚・触覚など聴覚以外の感覚印象を言語音で表現した語。」前出「広辞苑 第6版」684頁)といい得るものであって,「紙をまるめてぽいと捨てる」などの用例にみられるように物を投げたり,捨てたりする感覚印象をことばの音で表した語であり,投げたり捨てたりすることそのものを意味する語ではないというべきである。

そうすると,本願商標は,「触らない」の意味の「さわらず」の語と「軽く捨て,投げるさま」を言語音で表した「ポイッ」の文字とからなるものと理解されるものであるが,これよりは,その指定商品の品質を直ちに説明するが如き記述的な意味合いを表したものとまではいい得ず,直接的又は具体的に本願商標の指定商品の品質等を表したものということはできない。

そうとすれば,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者,取引者は,原審説示のような意味合いを想起することがあるとしても,「さわらずポイッ」の構成文字全体よりは,一種の造語を表したものと理解,把握するというのが相当である。

また,当審において職権をもって調査するも,「さわらずポイッ」の文字が,本願商標の指定商品との関係で商品の品質等を表示するものとして普通に使用されている事実を発見することはできなかった。

してみれば,本願商標はその指定商品について使用しても商品の品質等を表示するものではなく,自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであるといわなければならない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものではないから,これを理由に拒絶することはできない。

その他,本願商標を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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