Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900059(T2008−900059/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5090682号商標(以下「本件商標」という。)は、「SINOADORE」の欧文字を横書きしてなり、平成19年3月30日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年10月25日に登録査定、同年11月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由に引用している国際登録第887695号商標(以下「引用商標」という。)は、「SINODOR」の欧文字を横書きしてなり、2006年(平成18年)2月15日を国際登録の日とし、第1類及び第3類に属する国際登録簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年6月29日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由(要点)
本件商標は、上記構成からなるものであるから「シノアドア」の称呼のほか、「シノアドーレ」の称呼をも生ずるものである。
一方、引用商標からは「シノドール」の称呼を生ずる。
本件商標から生ずる「シノアドーレ」の称呼と引用商標から生ずる「シノドール」の称呼を比較すると、両称呼は第3音「ア」の有無と、語尾音「ル」と「レ」の音のみが相違する。
してみれば、本件商標と引用商標とは、全体として語調・語感が類似し、称呼上類似する商標であり、本件商標に係る指定商品と引用商標に係る第3類の指定商品とは、同一若しくは類似すること明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の対比
本件商標は、「SINOADORE」の欧文字からなるところ、該文字は、既成の親しまれた観念を有する成語を表したものではないことから、直ちに一定の称呼が生ずるものとはいえないが、このような場合、取引者・需要者は、ローマ字読みないしは外国語として最も親しまれている英語風の読み方をするか、あるいは、これらを適宜交えて称呼するのが一般的であるということができる。
しかして、英和辞典によれば、本件商標構成中、前半の「SINO」の文字部分は、「サイノ、シノ」と発音され、「中国」の意の連結形を表す語であり、後半の「ADORE」の文字部分は「アドア」と発音され、「崇拝する、あこがれる」等の意味を有する英単語であることが認められる。しかし、いずれも日常一般に親しまれている語とはいえないから、これらの発音から直ちに、本件商標の称呼を認定することはできないとしても、前半の「SINO」の文字部分は、ローマ字読みをしても「シノ」と称呼されるものであり、また、後半部分の「ADORE」の語についても、語尾部分の「ORE」の文字部分は、例えば、親しまれている英単語である「score(得点)」の語が「スコア」と発音され、「store(店)」の語が「ストア」と発音されている用例に照らしてみれば、「ADORE」の文字部分は、容易に「アドア」と称呼し得るものということができる。
そうとすれば、本件商標は、全体として、申立人も述べている称呼の一つである「シノアドア」の称呼をもって、その自然な称呼とみるのが相当である。
一方、引用商標は、「SINODOR」の欧文字からなるところ、該文字も既成の親しまれた観念を有する成語を表したものといえないが、その指定商品との関係を考慮すれば、仏語の「Sinon(シノン)」、「Sinologie(シノロジー)」、「Corridor(コリドール)」及び「coq d’or(コックドール)」等の読みに倣い、申立人が主張している「シノドール」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
そこで、本件商標から生ずる「シノアドア」の称呼と引用商標から生ずる「シノドール」の称呼とを比較するに、両称呼は、「シ」「ノ」「ド」の3音を共通にするものの、他の相違する2音の音質の差、音構成の差等により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が明らかに異なり、明瞭に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、中間部分において「A」の文字の有無の差異を有するばかりでなく、語尾部分においても「E」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。
更に、両商標は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、観念上比較することはできない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお、申立人は、本件商標から「シノアドーレ」の称呼をも生ずる旨主張しているが、本件商標から「シノアドーレ」の称呼を生ずるとしても、この称呼と引用商標から生ずる「シノドール」の称呼とは、中間における差異とはいえ、開放音にして明瞭に発音・聴取される「ア」の音の有無の差異を有するばかりでなく、語尾部分においても、「レ」と「ル」の音の差異を有しており、これらの音の差が両称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、称呼上十分に区別し得るものであるから、この点についての申立人の主張も採用できない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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