sokuhyo

Trademark Appeal Case

周知商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第19857号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「POLO ATHLETIC」の文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年5月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、ニューヨークのトップデザイナー、ラルフ・ローレンの商標である『POLO』の文字をその構成中に有するから、これをその指定商品に使用するときは、あたかも、該商品が前記者又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者が商品の出所について誤認するおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 引用商標の周知性について

アメリカ合衆国在のデザイナー、ラルフ・ローレンは、アメリカ合衆国を代表する服飾デザイナーとして知られ、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、まとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されており、我が国においても、種々の雑誌等に紹介されると共に、紳士服、婦人服、紳士靴、サングラス等について使用された結果、引用商標は、少なくとも本願商標の出願時には既に、被服、眼鏡類等について使用する商標として需要者、取引者間に広く認識されるに至っていたものであり、その状態は現在においても継続しているものといえる。

そして、引用商標が非常に著名であること、ラルフ・ローレン及び同人の関連会社であるザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ(以下「PLC」という。)が引用商標を被服類等ほか多様な商品に使用していることについては、請求人も認めているところである。

(2) 商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、上記のとおりの構成からなるところ、全体で一つの熟語として知られているものとはいえず、常に一連不可分のものとして認識されるものともいい難いから、「ポロ競技」を意味する「POLO」の語と「競技の、運動の」等の意味を有する「ATHLETIC」の語とを結合してなるものと容易に認識されるものである。そして、本願商標の指定商品は、周知になっている上記引用商標が使用されている被服等を含むものである。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中の、上記周知となっている引用商標と同一の構成からなる「POLO」の文字に着目し、上記引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同するおそれがあるというべきである。

この点に関し、請求人は、請求人が「POLO」、「Polo」、「図+Polo」等の複数の「POLO」関連の登録商標を所有していること、「POLO」、「Polo」等の商標は請求人の前身たる公冠販売株式会社(以下「公冠販売」という。)の商標として周知であること、これらの登録商標について公冠販売がPLCとの間で使用許諾契約を締結していること、「POLO」、「Polo」等の商標は公冠販売とPLCとが一致協力して被服等に使用した結果、周知になったものであること、使用権者の業務に係る商品と商標権者の業務に係る商品との間での出所混同は使用許諾制度の本来的な前提であること等から、本願商標に関しては出所混同は全く問題にならない旨主張している。

しかしながら、請求人が「POLO」、「Polo」等の登録商標を所有していることと、本願商標がその指定商品について使用された場合に商品の出所の混同を生ずるおそれがあるか否かとは、直接関係がないものである。また、請求人の提出に係る各証拠によれば、公冠販売とPLCがライセンス契約を締結していること、及び、公冠販売が独自に「POLO」等を付した商品を販売していることが認められるとしても、これらの証拠によっては上記登録商標が公冠販売の使用する商標として周知になっているものとは認められないし、「POLO」、「Polo」等の商標が公冠販売とPLCとが一致協力して被服等に使用した結果、周知になったことを認めるに足りる証拠はない。逆に、引用商標は、上記のとおり、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服、眼鏡等について使用されている商標として広く認識されているのであって、これが請求人又は公冠販売の使用する商標として認識されているものということはできない。

仮に、上記登録商標が公冠販売の使用する商標として周知になっているとしても、本願商標は上記登録商標とは構成態様を異にするものであり、本願商標の使用と上記登録商標の使用許諾とは直接関係がないものであるから、使用権者の業務に係る商品と商標権者の業務に係る商品との間での出所混同は使用許諾制度の本来的な前提であるとし、出所の混同は問題にならないとすることはできない。

その他、請求人は、使用権者が登録商標を著名ならしめた場合には商標権者はこれに類似する商標の登録を一切受けられないのは不合理であること、防護標章登録の趣旨にも反すること、被服等の商品における「POLO」商標の請求人の優位性があること等について主張するところがあるが、上記認定判断に照らし、これらの主張は採用することができない。

(3) 以上のとおりであるから、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。