Trademark Appeal Case
ライフプランナーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−4327(T2003−4327/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ライフプランナー」を標準文字で表してなり、第35類及び第36類に属する願書に記載の役務を指定役務として、平成13年12月6日に登録出願されたものであり、その後、指定役務については、同14年12月2日付けの手続補正書により、第35類「経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,企業の経営に関する調査及び分析,企業の経営に関する情報の提供,経済に関する情報の提供」及び第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,割賦購入あっせん,金融・財務・為替取引・株式に関する情報の提供,資産運用に関する助言・指導及び情報の提供,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,土地の有効利用に関する情報の提供,税金に関する情報の提供,慈善のための募金」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、「本願商標は、指定役務との関係においては『生命保険の設計や販売の専門家』、『個人の現状の資産や収入と将来の収入予測等に基づき経済的な側面における生涯設計の相談を受ける専門家』、等を意味する『ライフプランナー』の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないから、これを本願指定役務に使用しても、上記の意味を認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「ライフプランナー」を標準文字で表してなるところ、構成中の「ライフ」は、「生命、人生、生活」等の意味を有する英語「life」、「プランナー」は「計画、立案」等の意味を有する英語「plan」より派生した「planner」を語源とする「計画者、立案者」等の意味を有する一般にもよく知られた外来語であるから、これらを組み合わせた「ライフプランナー」も、「人生設計者」程の意味合いを容易に認識できるばかりでなく、「生命保険の設計・販売を行う専門家」等の意味を有する外来語としてカタカナ語辞典(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典、株式会社学習研究社発行 パーソナルカタカナ語辞典)にも掲載されている語である。
さらに、「ライフプランナー」の文字は、本願指定役務との関係において、年金、住宅ローン、保険等を取り扱う業界において、「生命保険の設計・販売を行う専門家」のみならず「住宅ローンの資金計画や、老後の生活を考えた年金、投資などの人生設計、生活設計の助言者、アドバイザー」を指称する語としても普通に使用され、認識されている。
そして、かかる事情は、原審における拒絶査定で示した新聞記事情報の他に、例えば、以下の新聞記事情報及び雑誌記事等においても十分裏付けられるところである。
(1) 2006年5月22日発行の北國新聞に「住宅ローンの正しい組み方学ぶ 野々市町でセミナー」の見出しで、「不動産、保険業などの専門家でつくるTHKパートナーズ事業組合の「住宅ローンセミナー」(本社後援)は二十一日、野々市町文化会館フォルテで開かれ、約三十人が正しい住宅ローンの組み方を学んだ。住宅購入など生活全般の資金計画を助言する
ライフプランナー鬼原和男
さんが講師を務めた。鬼原さんはローンに追われることのないよう、年収に占める返済の割合を、年収五百万以上は35%まで、五百万円未満は30%までに抑えるよう強調した。」の記事が掲載されている。
(2)2007年3月21日発行の日刊工業新聞11頁に「団塊世代の退職金、大手銀の争奪戦激化−ニーズ分析し顧客囲い込み」の見出しで、「団塊世代の大量退職を控え、大手銀行などによる“退職金争奪戦”が本格化している。・・・三菱UFJ信託銀行はフィデリティ投信と共同設定した「退職金活用ファンド」やラップ口座「番頭さん」といった商品の拡充に加え、各支店に「
セカンドライフプランナー
」という専門スタッフを配置、資産運用の相談を受ける。77店全店に2人以上配置し、サービスの「質的充実」を打ち出している。・・。」の記事が掲載されている。
(3)2008年2月15日発行の北國新聞に「高校生が人生設計 金沢市の泉丘高で特別授業 就職や結婚など」の見出しで、「泉丘高で十四日、「人生設計」をテーマにした特別授業が行われ、理数科二年の四十人が就職や結婚、住宅購入などをシミュレーションして夢の実現に必要な計画性を学んだ。特別授業は、若者らに人生をじっくりと考えてもらうためソニー生命保険(東京)が全国の高校で実施している。北陸では泉丘高が初めて。生徒はグループに分かれ、同社金沢支社の
ライフプランナー
とともに一組の夫婦の人生設計を描いた。」の記事が掲載されている。
(4)2007年12月7日発行の北國新聞に「家計簿の節約法紹介 高岡市でセミナー」の見出しで、「JAグループの「光の家協会」の家計簿記帳セミナーは五日夜、高岡市の高岡JA会館で開かれ、農業を営む主婦ら六十七人が、講演を通して家計簿を使った節約法を学んだ。 講演は「自給・環境・ライフプランで豊かな暮らし」と題され、同会
ライフプランナーの浦上節子さん
が、家計簿は計画的な予算の管理できるなどの利点を話した。節約に気を配ることができるなど、家計簿を付けている人の意見も紹介された。」の記事が掲載されている。
(5)2007年9月22日発行の神戸新聞24頁に、「来月、生命保険講座 神戸でKCC」の見出しで、「神戸新聞文化センター(KCC)は、生命保険の正しい知識を詳しく解説する「生命保険がよくわかる・秋の
ライフプランセミナー
」の参加者を募集している。十月六、七、十二、十三、十四日の午前十時│正午、午後一時半│三時半の計十回のうち希望の一回。会場はJR三ノ宮駅南側のミント神戸十三階会議室。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ
ライフプランナー
による講演と個別相談。」の記事が掲載されている。
(6)2007年5月25日発行の日本金融通信新聞18頁に、「遠賀信金、月1回の土曜日研修を定例化、3クラス分け開」の見出しで、「【福岡】遠賀信用金庫(中村英隆理事長)は5月19日から毎月1回、土曜日に定例的な実務研修を実施している。自主参加の研修を定例化するのは初めて。19日は職員170人が参加した。・・・役員の講話後、与信取引説明では、島津雅充審査部長らが体験談を交えて与信判断や融資時の書類作成のポイントなどを解説。渉外研修は、共栄火災海上保険九州第一支店福岡東支社の佐藤宏記支社長、プルデンシャル生命保険北九州支社第四営業所の陣内徹
ライフプランナー
らが、販売上の注意点や見込み客の発見、目標設定など効果的な営業推進方法を話した」の記事が掲載されている。
(7)2008年4月29日発行の住宅新報3面に、「200年住宅目指したS・I採用商品発売 ジャーブネット」の見出しで、「アキュラホームが主催する工務店ネットワーク「ジャーブネット」はこのほど、200年住宅の実現を目指した自由設計・木造住宅「住み継ぐ家『めぐる』」の販売を始めた。・・・今後は、JTIの保証家賃に基づいた申込時・完済期限ともに年齢制限を外した住みかえ先住宅取得のための住宅ローン制度も検討している。同制度の顧客への説明は、住宅購入時に
ハウジングライフプランナー資格者
が行う必要がある。同社には700人を超える社員が同資格を取得している。」の記事が掲載されている。
(8)2008年4月11日発行の日本金融通信新聞7頁に、「福邦銀行、資産運用情報の提供を開始」の見出しで、「◆福邦銀 4月3日、ホームページで資産運用情報の提供を開始。ライフプランのシミュレーション機能を新設したのは、北陸地区金融機関で初。情報の概要は投信、投信基準価格、ふくほう
ライフプランナー
の3種類。(金沢)」の記事が掲載されている。
(9)2007年2月7日発行の読売新聞31頁に、「家計やりくり講座27日、高知で=高知」の見出しで、「こうち生活協同組合は27日午前10時〜正午、高知市・・・家計の上手なやり繰りをテーマにした講座を開く。・・・ファイナンシャルプランナーと
ライフプランナーの資格
を持つ山中里美さんが、教育や住宅、老後の資金を貯蓄する方法を説明する。・・・。」の記事が掲載されている。
(10)平成9年3月20日発行の「財界 ZAIKAI 臨時増刊3−20」108頁には、「ウチの戦略 年金市場争奪戦顧客のライフプランナーとして総合リスク産業へ脱皮をはかる」とのタイトルのもと、「昨年4月から施行された『新保険業法』では、子会社方式ながら生保と損保の相互参入が可能になったが、これによって、三井海上火災は消費者のライフプランナーとして、総合リスク産業への基礎を固めつつある、と言えそうだ。」と記載されている。
(11)ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社発行 2002年12月17日号の「週刊スパ SPA」22、23頁には、「サッカー編『ライフプランナー』的役割も持ち始めた代理人」との見出しで、「サッカー界において・・・。・・・代理人が選手の引退後の生活まで配慮する『ライフプランナー』としての意識を持ったエイジェントが増えてきたサッカー界。」との記載がある。
以上のとおり、「ライフプランナー」の文字は、人生設計、生活設計の助言者、アドバイザー」「顧客の人生設計に基づいてアドバイスする者」といった意味合いを容易に想起できる語であるといわなければならない。
してみると、「ライフプランナー」の文字よりなる本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「年金、預金、投資、住宅ローンなどについて、顧客の人生設計に基づいてアドバイスする者に係る役務」を容易に理解、認識させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるといわなければならない。
なお、請求人(商標権者)は、「ライフプランナー」の文字よりなる登録商標を第36類「保険の引受け」について所有していること、及び職業名からなる登録例を挙げ、本願商標が識別機能を有するものであるから商標法第3条第1項第6項に該当しない旨主張している。
しかしながら、上記の商標権者の登録商標が、サービスマークの特例出願として登録出願、重複登録されている事実は認められるが、本願商標の指定役務は、当該商標権に係る指定役務の範囲を超えた役務を指定しているばかりでなく、商標の構成等を異にするものであり、かつ、又他の登録例も、商標と指定商品及び指定役務との関係において、本願商標と事案を異にするものである。また、上記3(1)ないし(11)のとおり、「ライフプランナー」の語が、新聞記事情報及び雑誌記事等において、広く使用されている事実が認められるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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