sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の記述的使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301547(T2007−301547/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4553040号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年8月17日に登録出願、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製貯蔵槽類,金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製包装用容器,金属製荷役パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,金属製人工魚礁,金属製セメント製品製造用型枠,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製養鶏用かご,金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),てんてつ機,キー,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,コッタ,いかり,金属製ビット,金属製ボラード,かな床,はちの巣,金網,ワイヤロープ,犬用鎖,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製タオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け,金庫,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製彫刻,金属製ブラインド,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製のバックル,つえ用金属製石突き,アイゼン,カラビナ,金属製あぶみ,金属製飛び込み台,拍車,ハーケン」、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」及び第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,テープ,房類,リボン,ボタン類,針類,メリヤス機械用編針,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,腕止め,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアーカーラー(電気式のものを除く。),靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具,造花,漁網製作用杼」並びに第18類、第20類、第24類、第25類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年3月22日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録は、その指定商品中『第6類 金属鉱石,金属製のバックル、第14類 身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品、第26類 ボタン類,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、前記商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内で使用された事実がない。

したがって、本件商標は、その指定商品中、前記商品の登録について、商標法第50条第1項により取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 被請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証を提出し、本件商標を請求に係る指定商品中のネックレス(身飾品)に3年以内に使用している旨を主張する。

しかし、請求人は、本件商標の使用の有無より商品商標としての使用かどうかを問題とする。

乙第4号証によれば、「Noir et Blanc」の下に「ホワイトからブラックへのグラデーションパール」との記載があり、これは商品の品質(色彩)を表示したものであることは明らかである。実際に使用されている商品がそのようなものであることは、乙第1号証や乙第2号証にみられるとおりである。

また、本件商標から「黒と白」の観念が生じると被請求人も認めているように、「Noir」は、例えば「シャヌアール(黒猫)」から、「Blanc」は、「ヴァンブラン(白ワイン)」からそれぞれの意味が一般消費者に広く知られており、したがって、本件商標とその使用商品との関係において、後者は市場で取引されているグラデーションパールネックレスの一種と認識されるものである。

イ 以上、本件商標の使用は、商品商標としての使用ではなく単に使用商品の品質(色彩)を表示したものと認識され、登録商標の使用であると主張する被請求人の主張には肯首できない。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)使用の事実

本件商標は、審判請求の登録(平成19年12月17日)前3年以内に日本国内において、本件商標の商標権者によって、請求に係る指定商品中の「ネックレス(身飾品)」(以下「使用商品」という。)について使用されていた。

ア 乙第1号証は、本件商標の商標権者(被請求人)が使用商品の製造を委託したメーカーに対する製造指示書で、使用商品の詳細な構造が記されている。乙第1号証の左上の「VTN5678」は、使用商品の品番である。なお、標題の「’05F/W」は、「2005年FALL/WINTER」の略で2005年秋冬商品であることを意味する。

イ 乙第2号証は、使用商品に関する社内向け資料である。乙第2号証の枠外左上に「’05F/W」とあるのは、「2005年FALL/WINTER」を意味し、2005年秋冬ものの商品であることを示している。また、右上の「05.6.10」は、当該資料の配布日(2005年6月10日)を示している。さらに、中央部の「VENDOME/BOUTIQUE」、「強化品」は、使用商品が、被請求人が展開するブランドライン「VENDOME/BOUTIQUE(ヴァンドームブティック)」の強化品であることを表している。

乙第2号証の枠内左上の、「Noir et Blanc」、「上代 ¥25,000」の記載から、使用商品が「Noir et Blanc」という商標で、25,000円で販売される予定であることが明らかである。 また、乙第2号証の枠内右下の星印(☆)の箇条書きには、使用商品の販売事業が2005年7月末から始まる予定であること、8月1日発売予定の雑誌「Grazia(グラツィア)」9月号とタイアップしていること、DM(ダイレクトメール)及びPOPが用意されることが記載されている。

また、乙第2号証より、使用商品が40cmのブラックパールネックレスと50cmのホワイトベースのグラデーションパールよりなる、90cmのパールネックレスであることがわかる。

ウ 乙第3号証は、講談社発行「Grazia(グラツィア)No.114」9月号(平成17年9月1日発行)238頁である。乙第3号証には、使用商品の写真、商品内容の説明及び価格(税込価格)が記載されている。右下の商品内容の説明は、乙第2号証に書かれている商品の内容と一致する。

エ 乙第4号証は、使用商品が広告されているそごう横浜店のダイレクトメール(写し)である。乙第4号証の表面には、商標「Noir et Blanc」と共に、使用商品の価格「26,250円(本体価格25,000円)」が記載されている。また、使用商品が「グラツィア」9月号(8/1発売)に掲載されていることも記載されている。

乙第4号証の裏面には、使用商品の写真と共に、商標「Noir/et/Blanc」が使用されている。

本件商標の欧文字「Noir et Blanc」は、フランス語で「黒と白」を意味し、「ノワール・エ・ブラン」と称呼される。本件商標の片仮名「ノワール・エ・ブラン」は「Noir et Blanc」を片仮名表記したものであることが容易に理解されるから、本件商標から「黒と白」の観念及び「ノワール・エ・ブラン」の称呼が生じる。

乙第4号証の表面及び裏面に表示された商標は、いずれも「Noir et Blanc」と自然に認識することができ、「黒と白」の観念及び「ノワール・エ・ブラン」の称呼が生ずる。該観念及び称呼は、本件商標から生じる観念及び称呼と同一であるから、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。

オ 乙第5号証の1〜3は、被請求人がコンピュータで管理している在庫表で、2007年12月26日に出力されたものである。上部中央に、使用商品の品番VTN5678が表記されている。

乙第5号証の1より、京阪百貨店で使用商品が店出されたのは2005年7月26日、最後に使用商品が売られたのが2005年8月28日で、2007年12月26日の在庫数は1つであることが明らかである。

乙第5号証の2より、鹿児島三越で使用商品が店出されたのは2005年7月28日、最初に使用商品が売却されたのは2005年8月22日、最後に売却されたのは2007年11月20日で、2007年12月26日の在庫数は1つであることが明らかである。

乙第5号証の3より、アベノ近鉄で使用商品が店出されたのは2005年7月26日、最初に使用商品が売却されたのが2005年10月13日、最後に売却されたのは2007年11月12日で、2007年12月26日の在庫数が1つであることが明らかである。また同様に、近鉄松下で使用商品が店出されたのは2005年7月28日、最後に使用商品が売却されたのが2006年8月29日で、2007年12月26日の在庫数が2つであることが明らかである。

カ 以上を総合すれば、使用商品が遅くとも2005年7月末に各地の百貨店の店頭に並び、2007年末まで販売されていたこと、また、2005年8月に使用商品を広告するダイレクトメールに本件商標が使用されていたことがわかる。

(2)むすび

してみれば、乙第1号証ないし乙第5号証から、本件商標が使用された使用商品が本件審判の請求の登録前3年以内に百貨店で販売され、また、同期間内にはがきによる使用商品の広告に本件商標が使用されていることは明白である。

4 当審の判断

(1)乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は、被請求人から製造委託業者に宛てた「’05F/W指示書」(2005年秋冬商品)との表題がある製造指示書(写し)であり、製造指示に係る商品は、品番「VTN5678」とする使用商品(パールネックレス)である(上記について、請求人は争うことを明らかにしていない。)。

イ 乙第2号証は、使用商品に関する2005年6月10日配布の被請求人の社内向け資料(写し)であり、ここには、使用商品の販売事業が2005年7月末から始まる予定であること、8月1日発売予定の雑誌「Grazia(グラツィア)」9月号とタイアップしていること、DM(ダイレクトメール)及びPOPが用意されることなどの箇条書きがあり、さらに、使用商品ついて、40cmのブラックパールネックレスと50cmのグラデーションカラーネックレスよりなる90cmのパールネックレスであること、「上代 ¥25,000」であることなどの記載がある。また、該資料の左上には、筆記体で書された「Noir et Blanc」の表示がある(乙第2号証に関し、その配布日、使用商品の販売開始時期、使用商品の雑誌等への広告について、請求人は争うことを明らかにしていない。)。

ウ 乙第3号証は、「Grazia(グラツィア)No.114/9月号」(平成17年9月1日、講談社発行。発売日を平成17年8月1日とする。)なる雑誌(写し)であり、該雑誌に広告として掲載された「ロングパールネックレス」についての説明文(右下)には、「ホワイト〜ブラックのグラデーション90cmパールネックレス。留め金をはずせば2本にわかれ、40cmのブラックパールは冠婚葬祭にも。50cmのホワイトベースのグラデーションパールはデイリーにもフォーマルにも。・・¥26250/ヴァンドームブティック(ヴァンドームヤマダ)」などの記載がある(乙第3号証の発行日及び発売日、並びにここに掲載された商品が乙第1号証及び乙第2号証に示す使用商品と同一のものであることについては、請求人は争うことを明らかにしていない。)。

エ 乙第4号証は、そごう横浜店のダイレクトメール(写し)であるところ、その表面には、上段に大きく「Noir et Blanc」の表示があり、その下に、「ヴァンドームブティックから秋の新作をご紹介いたします。ホワイトからブラックへのグラデーションパールは、・・★グラツィア9月号(8/1発売)に掲載されておりますので、あわせてご覧ください。/26,250円/税込(本体価格25,000円)」などの記載があり、同裏面には、「Noir/et/Blanc」の表示と共に、パールネックレスの写真が掲載されている(ダイレクトメールの商品が使用商品と同一のものであることについては、請求人は争うことを明らかにしていない。)。

オ 乙第5号証の1〜3は、2007年12月26日に出力された被請求人が管理する「営業G別店舗別在庫表」(写し)であり、使用商品は、2005年7月末に少なくとも4つの百貨店の店頭で展示され、2007年末まで販売されていた(上記について、請求人は争うことを明らかにしていない。)。

(2)上記(1)によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成19年12月17日)前3年以内である2005年(平成17年)7月末から2007年(平成19年)12月にかけて、日本国内の百貨店において使用商品を展示、販売をし、かつ、同年8月には、雑誌及びダイレクトメールに使用商品を掲載し、広告をしていたことが十分に推認されるところである。

そして、使用商品は、本件請求に係る指定商品中の「身飾品」に含まれる商品である(この点について、請求人は争っていない。)。また、使用商品には、「Noir et Blanc」の文字を筆記体で横書きした表示、又は「Noir」、「et」、「Blanc」の各文字を筆記体で3段に横書きした表示(これらの表示をまとめて、以下「使用標章」という。)を使用していたことが認められる。

(3)ところで、請求人は、使用標章からは「黒と白」の観念が生ずるものであり(この点については、被請求人も認めているところである。)、また、使用商品について、「ホワイトからブラックへのグラデーションパール」などとの記載があるところから、使用標章は、商品商標としての使用ではなく単に使用商品の品質(色彩)を表示したものである旨主張する。

しかし、身飾品の需要者をはじめとする我が国の一般の消費者がフランス語に慣れ親しんでいるものとは認め難いところであるから、使用標章に接する需要者がこれより直ちに「黒と白」の意味を理解するというより、むしろ、特定の観念を想起し得ない造語を表したと認識するとみるのが相当である。

仮に使用標章より「黒と白」の意味を理解し得たとしても、使用標章がパールネックレス等の身飾品について、商品の色彩、品質等を表示するためのものとして普通に使用されているという事実を明らかにする証拠は見出せないから、使用標章が「黒と白」の意味を有することをもって、商品の商品の色彩、品質等を表示するものと認識されることはないというべきである。

してみれば、使用標章は、使用商品について、自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮するものというべきであり、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標と認められるものである。

したがって、上記請求人の主張は採用することができない。

(4)むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件商標を請求に係る指定商品中の「パールネックレス」について使用していたことを証明し得たというべきである。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「第6類 金属鉱石,金属製のバックル、第14類 身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品、第26類 ボタン類,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。