Trademark Appeal Case
教育プロの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−14692(T2005−14692/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「教育プロ養成学校」の文字を書してなり、第41類「当せん金付証票の発売,資格認定試験の企画・運営又は実施,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」を指定役務として、平成16年11月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『教育指導者を養成する学校』であることを認識させる『教育プロ養成学校』の文字を表してなるものであるから、これを本願指定役務に使用しても自他識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審において通知した証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、要旨以下のとおりの証拠調べを行い、意見書を提出する相当な期間を指定して、平成20年5月27日付けで請求人に通知した。
(1)「教育のプロ」について
ア 「読売新聞」 2008年2月13日 東京朝刊31頁
「[検証・教育改革]ヤマよ動け(7)問題共有、連携強めた教師(連載)=東京」の見出しの下、「学力テストの点数で、今の学力が把握出来るのだ。それを指導の材料にしたり、自分たちの励みにすればいい。教師は教育のプロ。結果を示さなければ、どのような反論も教師の言い訳にしか聞こえない。」との記事。
イ 「朝日新聞」 2008年2月10日 大阪朝刊23頁
「(朝日・大学パートナーズシンポ)隣の国から見た日本の教育 追手門学院大【大阪】」の見出しの下、「寺脇 教育のプロである先生が信用をなくしている。ある段階では批判は必要なこと。でも09年度から10年ごとに教員免許が更新されるようになる。こんな厳しい制度の職業はなかなかない。」との記事。
ウ 「読売新聞」 2008年1月28日 東京朝刊34頁
「[問い語り]プロのすごさ見せて 社会部次長・棚瀬篤」の見出しの下、「皇宮警察職員の任務は陛下や皇族の安全を守ることにある。では、学校の先生は何のプロなのだろう。〈『教師は授業で勝負する』と言われるように、この力量が『教育のプロ』のプロたる所以(ゆえん)である〉。」との記事。
エ 「朝日新聞」 2007年12月3日 東京朝刊38頁
「『法教育』のこれから、シンポに200人が参加 横浜」の見出しの下、「パネルディスカッションでは、弁護士や小学校教諭、大学教授らが、『教育のプロ』と『法律のプロ』の連携の仕方や小中高校ごとの法教育のあり方などを話し合った。」との記事。
オ 「読売新聞」 2007年11月28日 東京朝刊31頁
「宮教大に『教職大学院』設置 学校現場での実践1年間=宮城」の見出しの下、「宮城教育大(高橋孝助学長)に2008年度、教育のプロを養成する『教職大学院』が設置されることになった。文部科学相の諮問機関『大学設置・学校法人審議会』が27日、文科相に設置を認めるよう答申した。」との記事。
カ 「毎日新聞」 2007年11月18日 地方版/広島25頁
「立志塾:情熱と指導力を 自主的研修会が開講、先生95人が参加−−呉/広島」の見出しの下、「呉市の小学校と中学校の校長会は17日、市内84校の全小中高校教師を対象にした自主的な研修会『立志塾』を開講した。・・・塾は、実践的な研修を通して教育のプロとしての力量を高めるのが主な狙い。・・・、学習指導にも情熱を傾ける指導力を身に付けた、尊敬される教師を目指す。」との記事。
キ 「読売新聞」 2007年07月26日 東京朝刊38頁
「東京・杉並の中学2校 独自に『副校長2人制』 教務と保護者対応を分担」の見出しの下、「学校現場でのトラブルの早期解決や地域、保護者との連携強化を目指し、・・・副校長は教育のプロだが、事務処理やトラブル対応のプロではない。」との記事。
ク 「IT時代の教育プロ養成戦略 日本初のeラーニング専門家養成ネット大学院の挑戦」との記載(http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32058008.html)。
ケ 「MITSUKOSHI」の見出しの下、「1: 研修をアウトソーシングすることにより、 人材の教育にかかる手間とコストを削減することが可能です。 2: 人材教育のプロが質の高い研修を行うことにより、より高い成果を上げることが期待できます。」との記載(http://www.e-pronet.co.jp/b2b/service/service3.html )。
コ 「東京大学新聞」の見出しの下、「リーダー教育のプロ・伊豆山健夫さんが語る 世界と渡り合うための資質・・・今春、リーダー養成学校として話題となった海陽学園。初代校長に就任した伊豆山健夫さんは、東大を退官後、10年間開成中学・高等学校の校長を務めた。」との記載(http://www.utnp.org/2006/09/post_202.html)。
サ 「幼児教育∞NET」の見出し及び小見出し「教育者の育成 幼児教育のプロの養成」の下、「コンセプト 子供の教育は、・・・。最近、大学で子供教育学科や子供発達学科などの学部や学科など、子供たちを健全に育むことができる保育士や教員の育成をめざして新設が相次いでいます。」との記載(http://www.youji-net.jp/2008/02/post-22.html)。
シ 「教育面より」 の見出し及び「保育、幼稚園教育のプロ養成」の小見出しの下、「『こども専門学校』開校 短大と連携 ◆通信制で教員免許も取得 ■7都市に26の専門学校を持つ学校法人三幸学園が幼児教育分野に力を入れ、今春、大阪・横浜・札幌で「こども専門学校」を開校した。」との記載(http://www.sankei.co.jp/kyoiku/backnumber/topkizi87/index.html)。
ス 「教育のプロ、大連で日語IT人材を育成[商業]」の見出しの下、「人材サービスのクイック(本社・大阪市)、資格教育のTAC(本社・東京都)、麻生教育サービス(本社・福岡市)の3社は15日、日系企業向け日本語IT人材の育成事業を行う合弁会社を大連市に設立すると発表した。」との記載(http://news.nna.jp/free/china/fdi/001_100/0010.html)。
セ 「株式会社西武開発」の見出しの下、「自らの経験を語ることで、営業に興味がない新人の意欲を高めた教育のプロ。」との記載((http://gakusei.enjapan.com/2009/pro_view/10736/2)。
ソ 「教員養成の分野」の見出し及び「教員養成の分野の特徴」の小見出しの下、「自ら学ぶ力を養い、能力の開発と人格の形成を促す・・・ 教員養成は、学校や幼稚園の教員の養成を目的とした分野です。・・・教えるための専門技術を身につけた教育のプロとしての学校教員の役割は、これからますます重要になることは疑いありません。」との記載(http://www.gyakubiki.net/gn/kt09/bn0903.html)。
(2)「養成学校」について
ア 「共同通信」 2008年5月18日
「ブラジル移民の歴史を熱演 浜松で日系人劇団が披露」の見出しの下、「日本からブラジルへの移民百周年を記念し、浜松市の日系ブラジル人の俳優養成学校『オフィシナ・デ・アトレス』の生徒たちでつくる劇団が十八日、同市のホールで公演し、工場労働者や小学生ら計四十人が、移民にまつわるエピソードを描いたオリジナル劇を初めて披露した。」との記事。
イ 「日本食糧新聞」 2008年05月17日
「中部外食産業特集:トピックス=健康デリカ、大府フランテ館惣菜売場で『広島焼き』」の見出しの下、「ヤマナカでデリカを展開する・・・。新しい取組みの『広島焼き』は本場広島のお好み焼きプロ養成学校で学んだ職人がつくる様子がガラス越しに見られ、シズル感たっぷりに焼き立ての『広島焼き』を提供する。」 との記事。
ウ 「毎日新聞」 2008年5月13日 中部朝刊11頁
「女の気持ち:ありがとう 津市・天野恵(福祉関係・30歳)」の見出しの下、「今秋、・・・その後、両親から本当に自分のしたいことをよく考えるようにと諭され、介護福祉士の養成学校に入学した。」 との記事。
エ 「朝日新聞」 2008年5月10日 東京地方版/福島31頁
「パイロットを養成する東北初の民間学校 福島空港内に開校/福島県」の見出しの下、「福島空港で9日、東北初となる民間の『パイロット養成学校』が開校した。」との記事。
オ 「朝日新聞」 2008年5月10日 名古屋朝刊32頁
「プロのチアリーダー、計画白紙 養成学校も中止に 【名古屋】」の見出しの下、「スポーツチームの枠を超えて応援に出かけるプロのチアリーダーチームをめざしていた『グリッターズ』の発足が見送られ、計画が白紙に戻っていたことが9日、分かった。」との記事。
カ 「毎日新聞」 2008年5月10日 地方版/静岡23頁
「ブラジル移民:100周年、日系人の思い演劇に 俳優学校生徒、浜松で18日/静岡」の見出しの下、『日本からブラジルへの移民開始100周年を記念して、浜松市の日系ブラジル人向け俳優養成学校の受講生約40人が18日、オリジナル劇『ブラジル移民に関する演劇』を市内で初公演する。」との記事。
キ 「朝日新聞」 2008年4月20日 東京地方版/神奈川35頁
「(ルポ)『介護の担い手』確保へ動き 深夜勤務も『笑顔』支え/神奈川県」の見出しの下、「●定員割れ響き、募集停止に 相模原の養成学校 将来の担い手確保も厳しい状況が続く。」との記事。
ク 「読売新聞」 2008.04.20 東京朝刊
「[人物語]新しい介護『笑顔で』 告発・動かぬ行政... 『怒り』『涙』越えの見出しの下、「◇人ひとヒト物語 中学を出た年。進学の夢をあきらめ、住み込みで病院に勤めながら、准看護婦の養成学校に通い始めた。」との記事。
ケ 「毎日新聞」 2008年4月17日 西部夕刊9頁
「けんか?:生徒11人搬送−−佐賀・唐津」の見出しの下、「佐賀県唐津市にある技術者養成学校の生徒11人が16日夜、負傷し救急車で病院に運ばれていたことが分かった。」との記事。
コ 「毎日新聞」 2008年4月6日 地方版/和歌山23頁
「和歌山国際厚生学院:県内初、理学療法士の養成学校開学 1期生は35人/和歌山」との見出し。
サ 「毎日新聞」 2008年4月4日 地方版/東京25頁
「お笑いライブ:中高年が開く 養成学校生の83歳女性ら6人、あす新宿で/東京」の見出しの下、「50歳以上の中高年対象のお笑い養成学校『フロンティアステージアカデミー』(新宿区市ケ谷本村町)の受講生が5日、新宿区内で開かれる生涯学習イベントでお笑いライブを開く。」との記事。
シ 「毎日新聞」 2008年4月3日 地方版/福岡23頁
「宝塚音楽学校:小倉北・力丸さん、難関突破し合格 『存在感ある男役に』/福岡」の見出しの下、「北九州市小倉北区下富野、力丸莉帆(りほ)さん(17)が、21・35倍の難関を突破し、タカラジェンヌの養成学校、宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)に合格した。」との記事。
ス 「読売新聞」 2008年3月31日 東京朝刊2頁
「[顔]ミュージカル俳優の養成学校を開校した女優 鳳蘭さん」の見出しの下、「◇おおとり・らん 62歳」との記事。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
(1)通知の中で挙げられた使用の事実は、いずれも「教育のプロ」と「養成学校」のそれぞれが、別々に使用されている事例ばかりであり、「教育プロ養成学校」と一連に用いられている事例がないばかりでなく、「教育プロ」という事例も、「教育のプロの養成学校」のように、両者が同時に使用されている使用事例さえない。
(2)本願商標のように語尾が「学校」である商標については、一般的に使用されている語であるか否かの判断に際しては、分節して検討するのではなく、全体として判断すべきものである。
5 当審の判断
(1)本願商標は、「教育プロ養成学校」の文字よりなるところ、その構成中「教育プロ」の文字部分は、前記3の「証拠調べ」によれば、該文字と同等の観念を有する「教育のプロ」の語が、「教育に関する専門家(プロ)」を意味する語として理解、認識され、かつ、普通に用いられていることが認められる。
また、「養成学校」の文字は、「教育あるいは訓練をして一人前に仕立てるための学校」程の意味を有する語であって、前記3によれば、本願指定役務中の「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関わる業界においては、「教員やパイロット、准看護師等、各種技能の専門家(プロ)を養成する学校」を意味する語として、一般的に使用されていることが認められる。
そうすると、「教育プロ」と「養成学校」の文字を結合したにすぎない本願商標を、その指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、それぞれの語が持つ前記意味合いから、構成全体として、単に「教育に関する専門家(プロ)を養成するための学校」程の意味合いを認識するにすぎないから、結局、本願商標は、単に役務の質(内容、提供場所)を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるに止まり、自他役務を識別する標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
(2)おって、請求人は、平成20年7月7日付け意見書において「前記3の証拠調べの中で挙げられた使用の事実は、いずれも『教育のプロ』と『養成学校』のそれぞれが、別々に使用されている事例ばかりであり、『教育プロ養成学校』と一連に用いられている事例はない。」旨主張している。
しかしながら、たとえ、「教育プロ養成学校」の文字が、単独で使用されている事実を見出せないとしても、上記のとおり、これに接する取引者、需要者が、単に役務の質を表示するものと認識するものであれば、現実に使用されている等の事実は、商標法第3条第1項第3号の適用において必ずしも要求されないものと解されており、請求人の上記主張は採用できない(参考:東京高裁平成12年(行ケ)第76号判決)。
さらに、請求人は、「本願商標のように語尾が『学校』である商標については、一般的に使用されている語であるか否かの判断に際しては、分節して検討するのではなく、全体として判断すべきものである。」旨主張し、いくつかの登録例を挙げているが、本願商標の構成全体をもって判断しても、「教育に関するプロ(専門家)を養成するための学校」程の意味合いを認識させること前記認定のとおりであって、単に役務の質を表示したにすぎないものと判断するのが相当であるから、請求人の該主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、その指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用するときは、その役務の質、内容等を表示したに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわなければならない。
(3)なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定しているが、同第3号と同第6号とは、自他役務の識別標識として機能し得ないものは登録を受けることができないとする商標登録の要件に関する同趣旨の条項と解されるものであり、また、当審において前記3のとおり証拠調べ通知を行い、請求人に意見書を提出する機会を与えていることから、当審において本願商標を同第3号に該当するものとして、新たな拒絶理由を通知することなく判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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